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「突発的な犯行は“葛藤殺人”の典型例」小4男児殺害事件を臨床心理士が分析


 さいたま市で小学4年生の進藤遼佑くん(9)が殺害された事件で19日、同居する父親の進藤悠介容疑者(32)が死体遺棄の疑いで逮捕された。

 進藤容疑者はさいたま市見沼区の集合住宅で、遼佑くんの遺体を向かいの部屋のメーターボックスに遺棄した疑いが持たれている。遼佑くんの首には絞められたような痕があり、その後の関係者への取材で進藤容疑者が「帰宅した遼佑くんの態度が悪かったので注意したら言い合いになり『本当の親ではない』と言われた」「カッとなって首をひものようなもので絞めた」という趣旨の供述をしていることがわかった。


 遼佑くんは教職員である母親(42)と無職の進藤容疑者の3人で暮らしていた。共同通信によると、遼佑くんの母親と進藤容疑者は去年12月に再婚しており、遼佑くんにとって進藤容疑者は義理の父親にあたる。2人の関係について近所からは「優しそうな父親」「仲のいい親子」といった声が聞こえてくる。

 遼佑くんの遺体が見つかったメーターボックスは自宅のすぐ目の前であり、遼佑くんの靴も部屋から見つかるなど、進藤容疑者が事件への関与を疑われる状況は複数残されたままで、混乱した様子がみられる。一方、共同通信によると、メーターボックス内では遼佑くんが英会話塾に通う際に使用していたリュックが発見されており、偽装工作の可能性があるということだ。進藤容疑者は発覚を遅らせようとしたのか、事件後知人に遼佑くんの行方を捜すよう依頼するメッセージを送り、自身も捜索に参加する姿が確認されている。


 場当たり的ともとれる進藤容疑者の言動について、臨床心理士で心理カウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は「突発的な犯行で、あまり準備をしていなかったという印象を受けた。愛情と憎しみという2つの矛盾する感情を抱える“葛藤殺人”の典型例だと見受けられ、今回は義理の父親ではあるが愛情を注いでいきたいという気持ちと、育てにくさや自分に懐いてくれないといった憎しみの感情とが葛藤したのではないか。親密な人間関係の中で起こる殺人としての特徴が垣間見える。」との見方を示す。

 また、進藤容疑者の「本当の親ではないと言われカッとなった」という供述から、「義理の父親にとって『本当の親ではない』と言われることは相当大きな心理的インパクトを与えると思う。考えられる心理的な背景のひとつは、子どもに甘えたり依存したりする気持ちが親にあると、そのような言葉を言われることで裏切られたり、拒絶されたような感覚になることがあり、憎しみに転化するパターン。もうひとつは恐れが敵意に変わるパターン。遼佑くんの発言は、進藤容疑者にとって今後父親や夫としての立場や居場所が揺るがされるという、恐怖の感情を引き起こす言葉だったと思う。」と推察した。


 家族関係に起因する殺人は、きっかけとなる行為が相手の“故意”によるものであることが多いそうで、「不注意や偶発ではなく明確な意思を持って自分を攻撃しようとしていると感じた時に、“目には目を”という復讐感情に基づいて、相手の意図に敏感に反応する形で凶行に及んでしまうことがある」という。また、「相手の意図に怒りや悪意を感じる場合は,報復が過剰報復になりやすい」とした。

 では、カッとなった末、なぜ「ひもで首を絞める」という行き過ぎた行為に発展してしまったのか。藤井氏は「容疑者には元々、人を殺めるという一線を超えた行動が伴う素因があったであろうことは否定できない。一方で、この時に殺意があったかというと、恐らくそこまでではなかったと思う。突発的に脅そうとしたり自分の言うことを聞かせようとしたが、それでも子どもが自分に攻撃的であったり反抗的な表情を向けてきたことによって、行動がエスカレートして命を奪ってしまった、我に返ったときには殺害してしまった後だった、という可能性がある。」と指摘。

 進藤容疑者が帰宅した母親に「(遼佑くんは)塾に行った」と説明したことや捜索に参加したという言動については、「衝動的・突発的犯行であったが故に、容疑者自身も犯行を受け入れられない状態が続き、そのような言い訳や遺体を稚拙に隠蔽するといった行動を取ったと思う。最初に言い訳なり嘘をつくと、そこから自分の言動に一貫性を保ちたいという心理が働く。『(遼佑くんが)塾に行っている』という発言は、“自分は殺していない”という前提に立っているわけで、父親として心配する・捜すという行動が一貫性を保つことにつながっていたのでは」との見方を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

▶【映像】送検される進藤悠介容疑者

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