- 2019年09月20日 18:41
東日本大震災から8年半も復興は道半ば 「アウトドアダイニング気仙沼」がもつ意味と我々にできること
2/2背景

「アウトドアダイニング気仙沼」では、気仙沼の漁師や海に焦点を当てており、気仙沼に住む素晴らしい人々や豊かな食材を堪能できます。
では、どのような背景があって実現されたのでしょうか。
宮城県から事業を受託した株式会社オノデラコーポレーションのコーヒー事業部 専務取締役の小野寺靖忠氏に話を聞きました。
Q:どうして漁師に焦点を当てたのか?
小野寺氏:私が育った環境には遠洋鮪船の漁師が多く、本当にかっこよく、何よりも話が面白かった。漁師たちの個性は気仙沼の魅力のひとつであるとずっと思っていたので、「アウトドアダイニング気仙沼」の事業を請け負った時に、是非とも大海原を駆け巡ってきた方々に話をしてもらうのがよいと考えた。
Q:野外ダイニングも小野寺氏の考えであったか?
小野寺氏:漁師たちと共に、話や食事をして過ごすのは私からのアイデアであったが、外で食事するようにしたいというのは宮城県のアイデアであった。
Q:実現するまでの具体的な経緯は?
小野寺氏:子供の頃から漁師たちと楽しい時間を過ごしたいと思っていたことを鑑みれば、企画から40年くらい経過している。「アウトドアダイニング気仙沼」の企画が持ち上がったのは2019年5月頃。気仙沼で一番よい場所、よい季節ということで吟味していったところ、9月の開催となった。
Q:漁師はどのようにして選ばれたのか?
小野寺氏:元遠洋マグロ漁船の漁師たちで、世界中の漁場を開拓し、世界の港知っている歴戦の猛者の方々にお声がけした。
Q:最も苦労したことは何か?
小野寺氏:フレンチ出身の松本氏にメニュー作成を依頼したが、気仙沼ではとれる食材がすぐに変わってしまうので、旬の食材の選定が難しかった。
Q:「アウトドアダイニング気仙沼」を通して何を伝えたいか?
小野寺氏:気仙沼には面白い人がたくさんいる。アンカーコーヒーグループはこれから気仙沼の魅力を創出する手段のひとつとして、旅で訪れた方々に「人」との出会いの場を提供しようと考えている。
居酒屋でたまたま隣に座った客が面白かったりすると、旅の思い出がぐっと深まる。そのような機会を生み出していき、気仙沼の「人」と「食」を旅人に提供していきたい。
Q:今後も「アウトドアダイニング気仙沼」を開催する予定はあるか?
小野寺氏:今回は宮城県主催で素晴らしい取り組みを行う機会が与えられた。この取り組みにヒントを得て、私たちなりにもっと落とし込み、より楽しくて素敵な場を提供していけたらよいと考えている。
メディアからみた格好の素材

気仙沼の周辺を回り、話を聞いてみると、震災の傷跡はまだ目に見える形で残っており、甚大な被害がすぐに癒えるはずがないことを痛感します。
ただ、以下に掲載した通り、残念ながら人々の関心が薄れてきているように思います。
・毎日新聞
・河北新報
・河北新報
・福井新聞
・Googleトレンド
東日本大震災が風化する危惧がある中で、小野寺氏が述べるように気仙沼の大いなる魅力である食と人を伝える「アウトドアダイニング気仙沼」が開催されたことは、よいタイミングだったのではないでしょうか。
なぜならば、質の高い食材やおいしい郷土料理、面白い職人やその貴重な体験談は、メディア向けの非常に扱いやすい素材だからです。
したがって、広範囲に発信する力のあるメディア側の人々には、日本の食と震災復興のために、是非とも「アウトドアダイニング気仙沼」について言及してもらいたいと考えています。
またメディアに携わっていない人々でも、SNSが発達した現代であれば、できることはあるのではないでしょうか。
海洋資源が豊富な気仙沼に訪れ、話を聞いたり特産物を食したり、震災地域に関心をもって話題にしたりすることが、復興への糧となるように思います。
気仙沼港は最良の港

小野寺氏に気仙沼についての興味深いエピソードを教えていただきました。
1611年11月27日、スペインから金銀財宝を目指して一人の探検家が三陸沿岸にやってきたといいます。
男の名はセバスティアン・ビスカイノ。アメリカ西海岸の港町「サンディエゴ」やサンフランシスコ南部の「モントレー湾」を名付けたことでも知られています。
そのセバスティアンが「考え得る限りで最良の港」と評した港こそが、気仙沼港でした。
400年も前に世界を股に掛ける探検家が絶賛した気仙沼港には、そこを我が庭のように知り尽くし、日が昇る先に続く大海原を制してきた数多の漁師たちがいます。
気仙沼港の宝である海の猛者たちによる知見や体験からは、力強い言葉と裏打ちされた理論、そして人間味溢れる魅力が醸造されているだけに、こういった「人」やその「人」たちが命を懸けて獲った「食」がきっかけとなり、より多くの人々が気仙沼へ訪れるようになることを切に願っています。
※Yahoo!ニュースからの転載



