- 2019年09月20日 15:15
シャトレーゼの口コミ数が2年で8倍になった訳
1/2広告予算がなくても、商品やサービスをユーザーに届けられるSNS時代。新米ウェブ担当者・浅野氏と起業したばかりの経営者・木下氏は、大学時代の先輩でウェブマーケターの飯髙悠太氏にSNSマーケティングを教わることになった。シャトレーゼの口コミ数を2年で8倍に増やしたツイッター運用法を紹介しよう――。
※本稿は、飯髙悠太『僕らはSNSでモノを買う』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の第1部「UGCを発生させる仕掛け」の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/alexsl
まずは質のいいフォロワーさんにフォローしてもらう
弊社がツイッター運用のお手伝いをしたお菓子メーカー、シャトレーゼを例にあげてお話ししていきましょう。
シャトレーゼは、全国に店舗を持つ洋菓子メーカーです。
2017年7月にツイッターの公式アカウントをスタートさせました。そこから2年ほどで、フォロワーは19万人まで増えました。
注目してほしいのは、フォロワー数の増加ではなく、ツイッター運用前に比べ、テキス トのみのUGC(User Generated Contents=ユーザーの投稿)が1.6倍、画像つきのUGCが11倍になったことです。その結果、リツイートを含めた口コミのツイート数が8倍になり、指名検索も大幅に増えました。
僕は以前、浅野くんに「ユーザーが自分でその情報を拡散してくれるなら、やみくもにフォロワーを増やす必要はあるだろうか?」と聞きました。
シャトレーゼでも、まずは数を追うのではなく、質のいいフォロワーさんにフォローしてもらうことを心がけました。いわゆる一般的なインフルエンサーではなく、シャトレーゼにとってのインフルエンサーがフォロワーに集まったことで、競合他社に比べると10分の1のフォロワー数で、UGCのインプレッション数(つまりリツイート数)は約3倍にすることができています。もちろん指名検索も売上も、それに比例して伸びています。フォロワーは数だけが重要なのではなく、質が大切であるということがはっきりとわかります。

公式アカウントにリツイートされると嬉しい
シャトレーゼで取り組んだのは、質の高いフォロワーを抱えることだけではありません。
それ以外にも、
①UGCを発生させやすい公式アカウントからの投稿②ユーザー参加型のコンテンツ
③UGCを生み出すアカウント運用
に力を入れました。
たとえば①でいうと、宣伝感のないおしゃれな画像を使って、リツイートしたい気分になる写真を増やしました。
また、②では公式アカウントで、ユーザーが真似したくなる投稿をおこないました。あとで紹介するアイスクリームを使ったカクテルのような投稿が、ユーザー参加型になりやすい投稿です。
③では、「こういう投稿をしたら、公式アカウントでリツイートされる」という空気感を醸成しました。ユーザーにとって公式アカウントにリツイートされるというのは、嬉しい経験です。こんな投稿をしたらリツイートされるのか! とわかるような、いわゆる「お手本投稿」をリツイートし続けることで、自然と企業が欲しいUGCが増えるようになります。
アイスクリームを使ったカクテルを作る動画
実際におこなった投稿を見てみましょう。
まずは、UGCの投稿を促すために、アイスクリームを使ったカクテルを作る動画を公式アカウントにアップしました。
これを見たユーザーが、公式アカウントの投稿を真似てカクテルを作りそれを投稿しました。これがUGCの発生です。このUGCを、公式アカウントがリツイートします。その際、ハッシュタグをつけてくれている投稿はわかりやすいのですが、そうではないものもあるので、エゴサーチ(会社名、商品名などで検索して、それに対するUGCがあるかどうかを確認すること)することも重要です。
ここで公式アカウントがおこなったリツイートを見たユーザーが、「私もやってみよう」と、さらなるUGCを生み出します。今は、ひとつの投稿に対して、2000~3000のUGCが生まれています。これらの投稿から毎日3~5つのツイートを選んで、公式アカウントがリツイートしています。公式アカウントにリツイートされると、「いいね!」の数やリツイートの数が圧倒的に跳ね上がるので、ユーザーにも喜んでもらえ、再度UGCを投稿するユーザーが増えます。
このくり返しで、シャトレーゼにはファンが増え、UGCのインプレッションも高くなっていきました。

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