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一刻も早いワクチン接種が必要ではないか- 政府の対応は口蹄疫と比べると後手だらけ

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<ワクチン接種をためらう理由>

 第一に再びワクチンを打ってしまうとそこから脱却して再び清浄国になるのにかなりの年月を要するからである。第二に非清浄国となると輸出入に影響してくるからだ。ただ、日本からの輸出などほんの僅かにすぎない。いくら農産物輸出1兆円を目標に掲げているからといって、僅か数10億円の豚肉輸出を続けるために国内養豚農家を犠牲にすることはない。一方、非清浄国になると多くの非清浄国が日本に輸出攻勢をかけてくる心配が生じてくる。第三に、ワクチン接種だと豚コレラにかかった豚肉も流通することから、人には感染しないといっても(豚肉を避ける)風評被害が生じてくる。第四にワクチンを接種しても効果には個体差があり、接種しても感染する豚が出ることもある。第五に接種後に感染すると食欲不振などの症状が出ず、発生に気付かずウイルスがはびこってしまうおそれもある。

<公共機関での発生と関東での感染で局面が変わる>

 政府は対策として養豚業者に飼養基準を守れ、衛生管理を徹底しろと指導してきた。長野県では養豚農家が消毒や豚舎の改修を実施するために豚の早期出荷を奨励し、支援してきた。しかし、今回の長野県畜産試験場のようにその範を垂れるべき公共機関からも豚コレラが発生したのだから、もう防ぎようがないということである。岐阜県に隣接した長野県だけでなく、遠く離れた埼玉県でも発生した。長野県の場合は、感染経路はイノシシだと容易に想像がつく。これに対して埼玉県は、国内の感染豚の肉製品か非清浄国の肉製品か、あるいは野生イノシシか経路が不明である。今や関東にまで拡大したのであり、このままいくと今の11府県から全国に拡がっていくことは時間の問題である。

<ワクチン接種を急ぐべき>

 日本は6割7割が山である。臭いの問題から今や養豚農家は大半が人里から離れた所に存在している。つまり、野生イノシシがすぐ隣りに来る場所なのだ。だから、政府はウイルスを媒介する野生イノシシへの経口ワクチンの接種(ワクチン入りの餌の散布)の拡大を打ち出してきている。しかし、こんな小手先の対策は効き目が限られている。幸いにして感染した豚とワクチン接種して抗体ができた豚とを検査で区別できる「マーカーワクチン」も存在する。それであればワクチン接種をためらう第一の理由である清浄国への復帰に支障が生じない。養豚農家はいつか自分の農場の豚も殺処分させられるのではないかと不安におののいている。このまま放置されたら2010年の宮崎県の29万7,808頭を追い抜く大惨事になりかねない。

 今や決断の時である。関係府県も養豚農家の大半もワクチンの接種を望んでいる。

(付記:9/20報道によると農水省もやっと地域を限定して、ワクチン接種をする方針を固めた。)

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