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人民裁判ではないから無罪判決は不思議ではないが、旧経営陣に責任の一端があったことは否定できない

旧経営陣に対して刑事責任を問うのが相当かどうかについて疑念があったので、東京地裁が無罪判決を言い渡したこと自体は不思議ではない。

しかし、今回の事件で誰も刑事責任を問われないままでいいのか、ということになると、ウーン、と考え込んでしまう。

東電には何かしら法的責任を取らせたいが、法人としての東電を処罰する根拠法規がなければ東電を起訴することも、処罰することも出来ないことは当然である。

検察当局が旧経営陣に対して不起訴処分をしたことも、検察審査会が二度にわたって起訴相当の議決をしたこともそれぞれに相当だと思っているが、同じように、東京地裁が無罪判決を言い渡したことも現行法制の下では相当だと判断せざるを得ない。

それぞれの機関が、司司で立派に役目を果たしているな、と思わざるを得ない。

これが、現行法制の限界だろうと思っている。

旧経営陣に対して処罰を求められていた被災者団体やその支援者の皆さんの方々の思いを尊重すべきことは当然だが、法には限界がある。

これが、どこかの国の人民裁判だったら有無を言わさず有罪の判決が下されてしまうのだろうが、こういう難しい裁判で裁判所が無罪の判決を出すこともある、というのが民主的な司法制度のいいところだろうと思っている。

しかし、まだスッキリはしない。

この無罪判決で一件落着にはさせたくないな、という気持ちが働いていることは事実である。
多分、上訴しても無罪になる。

それがある程度分かっていても、上級審の判断を仰いだ方がいいだろうな、というのが、現在の私の率直な感想である。

法の当て嵌めは、結構難しい。
法って、そんなにいい加減なもんなんですか、と聞かれたら、口をもごもごさせてしまうところである。

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