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アングル:トランプ氏がサウジ対応で慎重姿勢、イランとの対決に気乗り薄


Steve Holland Roberta Rampton

[ワシントン 17日 ロイター] - トランプ米大統領は衝動的行動で知られるが、サウジアラビアの石油施設が攻撃を受けた問題ではいつになく慎重な態度を見せ、関与が疑われるイランへの軍事攻撃を控えている。来年の再選を目指し、対決に気乗り薄なトランプ氏の心理が浮き彫りになった形だ。

トランプ氏は14日、サウジアラムコの石油施設が攻撃を受けると即座に米国は「臨戦態勢にある」とツイッターに投稿。ポンペオ国務長官がイランを非難した。

しかしそれから4日たってもトランプ氏は行動のスケジュールを示さず、調査結果を待つ姿勢で、サウジやアラブ首長国連邦(UAE)との協議のために今週ポンペオ長官を派遣。16日には記者団に「時間はたっぷりある。焦ってはいない」と述べた。

米当局者2人が17日にロイターに明かしたところによると、米政府は攻撃はイランが仕掛けたものだと確信している。当局者の1人は攻撃はイラン南西部を起点にしているとの見方を示した。

複数の米当局者によると、米情報機関に不信感を抱いていることで知られるトランプ氏は、攻撃が誰の仕業かについて、自分自身だけでなく米国民からも納得が得られる確証を望んでいる。ある当局者は「世界の石油市場に対する過去最大級の攻撃への対応であり、慌てることなく幅広い合意を得るべきだ」と述べた。

トランプ氏は大統領就任から3カ月弱の2017年には、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとしてわずか2日間の猶予を置いただけで軍事攻撃に踏み切っており、今回は慎重な姿勢が際立っている。

<米国第一主義>

トランプ氏の慎重な態度は「米国第一」という考え方を反映している。トランプ氏は2016年の大統領選でこの主張を掲げて有権者の支持を獲得。2020年の再選を目指して再びこの主張を振りかざそうとしている。

米国第一主義の中核には、イラク戦争では人命や国の富が無駄に失われ、アフガニスタン戦争はなかなか収束せず、米国は韓国やドイツなど海外への派兵に対して補償を受けるべきだという考え方がある。

戦略国際問題研究所(CSIS)の中東専門家、ジョン・オルターマン氏は「軍事行動の現実味が増してトランプ氏も徐々に慎重になっていると指摘。「トランプ氏が抱える大きな支持層はイランとの戦争は暴挙だと考えている。支持層の大部分は中東での終わりなき戦争に巻き込まれるのは最もばかげていると思っている」と述べた。

今回のサウジ石油施設攻撃で当面、核開発問題などでイランの出方を探るための協議に向けた取り組みはつまづいた。

対イラン制裁緩和の検討に前向きのトランプ氏は、国家安全保障問題担当だったボルトン大統領首席補佐官と対立。トランプ氏が会議で緩和検討を持ち出した翌日の10日、ボルトン氏は政権を去った。

ボルトン氏の退任でトランプ氏の周辺から対イラン圧力路線を唱える側近がいなくなった。外交政策面でタカ派として知られるボルトン氏は6月、イランによる米無人偵察機の撃墜に対してトランプ氏が対イラン空爆を突如見送った際に激怒したという。

米高官は「ボルトン氏が政権に残っていれば(サウジ攻撃の非が)イランにあるのは間違いなく、米国は即座に攻撃すべきだと訴えただろう」と述べた。

ベネズエラへの対応でも、トランプ氏はすべての選択肢があり得ると繰り返し表明しているにもかかわらず、軍事計画にもっと焦点を絞るよう勧めるボルトン氏の主張に耳を貸さなかった。

軍事行動に対しては国内の有権者からの支持が得られないだけでなく、中南米の同盟国も反対しており、状況が大きく悪化しない限り、米国が軍事行動に踏み込むことはないとみられる。

ベネズエラの野党関係者は「われわれは現実的になるべきだ。トランプ氏がわれわれを救うために海兵隊を派遣することはない」と述べた。

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