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AVウラ販売がバレた金正恩「拷問部隊」の絶体絶命

北朝鮮社会に大きな影響を及ぼしている韓流ドラマ。平壌マダムの間では高級韓国製化粧品が流行、若者の間では韓国式の誕生日会が流行している。さらに韓流ドラマは、北朝鮮のマンションの構造すら韓国式に変えつつある。

当局は、韓流が体制を揺るがしかねない違法な映像であると見なして取り締まりを続けているが、一向に根絶される気配はない。それどころか、取り締まる側が、韓流に加えてアダルトビデオ(AV)を大々的に流布させていたことが発覚し、街全体が大騒ぎになっていると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

事の発端は今年7月末のことだ。清津に住む保安員(警察官)は、AVがコピーされたUSBを手に入れ、友人を呼んで鑑賞会を行っていたところを摘発された。

これだけでも大問題だが、多数の保衛員(秘密警察)が見ていたことも発覚し、事態を重く見た当局は大々的な検閲(監査)に乗り出した。保衛員は、管理所(政治犯収容所)の運営や公開処刑を担当する、金正恩党委員長の「拷問部隊」とも言える面々である。

検閲の結果、保安員と保衛員は市民から没収したUSBを処分せずに持ち帰り、鑑賞した後で密売していたことが明らかになった。その数は数十人に及ぶ。

彼らは、市内のある建物の地下室で取り調べを受けている。施設の詳細は明らかでないが、「そこに入れば無条件で管理所送りになる」(情報筋)と噂されているいわくつきの建物だ。

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

2012年に改正された北朝鮮の刑法183条で「退廃的、色情的で醜い内容を反映した海外、写真、図書、録画物、電子媒体などを許可なく外国から持ち込んだり制作したり違法に保管している者は1年以下の労働鍛錬刑に処す」と定めている。

ただ、取締官が市民から没収した韓流ドラマを見るのは、今までもあったことだが、今回は少し事情が違うようだ。

(参考記事:北朝鮮 取締官が韓流ドラマにハマる「夜通し見て昼は眠い」

当局は韓流よりもAVをより有害なものとみなす。韓流でも、見せしめとして収容所送りになったり、死刑にされることすらあるのに、両方を持っていたとなれば極刑を免れないだろう。

(参考記事:北朝鮮で「韓流」にまた死刑判決…14歳も「吊し上げ」

今回の事件は、ある特殊な技術が使われたこと特徴でもある。

「USBに保存されたファイルは最初は読み取れなかったが、電子製品に強い調査官がデータを復旧させ、別のUSBやCDにコピーした」(情報筋)

破損または削除されたファイルを復旧させたように思えるが、実際は「ステルスUSB」が使われていたようだ。

韓国の聯合ニュースは2011年2月、脱北したIT技術者が、検査の際には何もデータが記録されていないことを意味する「0バイト」と表示されるが、設定した時間の経過後には、自動的にコンテンツが見られるようになる「ステルスUSB」を開発し、北朝鮮に送り出したと報じた。

今回使われたものがこれと同一のものかは不明だが、別の情報筋は「使い始めて数日が経つと、ファイルが見られるようになるUSBメモリが問題になり、当局が取り締まりをしている」と述べたことから、少なくとも似たような技術が使われているものと思われる。

ちなみに、前述のステルスUSB技術の場合は、通常のやり方でデータを削除しても、必ず保存されて、また復活させられるとのことだ。つまり、北朝鮮に一度持ち込まれたデータは、コピーを繰り返されながら、しぶとく生き続けることになる。

※デイリーNKジャパンからの転載

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