- 2019年09月18日 13:39
働き方改革で拡大――自治体とテレワークを進める企業の包括連携協定が加速
2/2総務省「ふるさとテレワーク推進事業」がサテライトオフィス開設を後押し

2018年に和歌山県白浜町と新たなワークスタイルづくりに関する包括連携協定を締結したNECソリューションイノベータも、総務省の「ふるさとテレワーク推進事業」を活用し、2016年に白浜町にサテライトオフィスを整備した。
白浜町のITビジネスオフィスをテレワーク拠点に改修。同社を含め10団体が海岸を見下ろす眺望の良いオフィスで働く。「通勤時間が短く、ビーチで散歩をしたり、温泉に入って疲れを落として帰宅できる」と、ここで働くNECソリューションイノベータの社員にも好評だ。
白浜町総務課によると、従業員の長期移住、派遣、オフィス移転などにより平成27年から延べ100人以上の地元雇用を生み出したという。
総務省では2014年10月より「地方のポテンシャルを引き出すテレワークやWi-Fi等の活用に関する研究会」を設置し、都市部から地方への人や仕事の流れを促進するためのテレワークの在り方について検討を始めた。2015年度に「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」として15の地域で実証を行い、2016年度からの3年間で「ふるさとテレワーク推進事業」という補助事業で40件のサテライトオフィスを整備している。
事業を担当する総務省の情報流通行政局 地域通信振興課の齋藤洋一郎課長補佐は「テレワークの流れは確実に大きくなってきている」と話し、その要因の1つとして「テレワークができることが、若者が企業を選ぶ指針にもなり、優秀な人材を雇用するためのポイントにもなっている」と分析する。
地域を超えて働くテレワークは、働き方の見直しをベースにネットワーク環境の整備、国の支援もあり拡大している。徳島県の例でわかるように「自治体独自に戦略を持ち、テレワークを広げているケースも増え」(齋藤課長補佐)、それぞれの地域で導入過程は異なるが、企業がより柔軟な働き方を進める上で、地方に第二の働く場所を確保することは重要性を増している。
地域と連携することでそれを実現しようする流れは、テレワークを促進する自治体と企業の包括連携協定の事例(表参照)を見ても顕在化してきているようだ。
◆テレワークを促進する自治体と企業の包括連携協定
| 企業名 | 自治体 | 締結時期 | テレワーク、働き方改革に関わる主な協定及び実施内容 |
|---|---|---|---|
| アパマン | 鹿児島県伊仙市 | 2018年4月 | 地域に増加する空き家物件の情報を積極的に提供し、コワーキングビジネス、民泊を促進 |
| 乃村工芸社 | 宮崎県日南市 | 2018年10月 | 空き家となっていた武家屋敷を改装し、宿や飲食店、サテライトオフィスを誘致 |
| 内田洋行 | 静岡県静岡市 | 2018年11月 | テレワーク導入支援を通じた企業誘致 参考記事リンク |
| 日本能率協会マネジメントセンター(JMAM) | 和歌山県、田辺市、白浜町 | 2019年2月 | ワーケーション事業の実施を通じた地方創生・働き方改革を推進 |
| ソフトバンク | 神奈川県鎌倉市 | 2019年3月 | ICT(情報通信技術)を利活用したテレワーク・ライフスタイルの推進 |
| JR東日本企画 | 長野県佐久市 | 2019年3月 | 市内に複数開設する予定のテレワーク拠点整備について、ノウハウ提供などで協力 |
| ソフトバンク | 神奈川県鎌倉市 | 2019年3月 | テレワーク・ライフスタイルの推進 |
箕輪 弥生 (みのわ・やよい)
環境ライター・マーケティングプランナー・NPO法人『そらべあ基金』理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に『エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123』『環境生活のススメ』(飛鳥新社)『LOHASで行こう!』(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。



