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「戦争を好まないトランプ大統領」の正念場である

 誰が、何の目的で、サウジアラビアの石油施設を攻撃したのか。

 この事をめぐって様々な記事が乱れ飛んでいる。

 たとえばきょう9月18日の朝日新聞はこう書いている。

 米側が「イランによる攻撃」の根拠として挙げるのがイランやイラク方面から飛来したということだが、ドローンや巡航ミサイルは、途中で方向を自由に変えられるから決め手にはならないと。

 また、もしイランからサウジに飛来したとすれば、そのためには厳重な警戒態勢が組まれているペルシャ湾周辺を越えたことになり、サウジを守る米国の防空網が破られた事になると。

 他方、イラン側が言うように、イエメンの反政府組織フーシが自らの防衛の為に攻撃したのなら、フーシの軍事力が飛躍的に向上したことになると。

 確かに6月にフーシはイエメン国境に近いサウジ南部の空港を攻撃し1人を死なせたが、今回の石油施設はフーシの支配地域から1000キロ以上離れていると。

 これだけ遠い場所を、ここまで正確に攻撃できるとなると、周辺国を含めて安全保障上の大きな脅威になると。

 私が書いた通りだ。

 こちらのほうが、むしろ衝撃的だ。

 私が注目したのは、同じくきょう9月18日の産経新聞で、元中東支局長の大内清氏ががこう書いていたところだ。

 すなわち、イランから見れば「ボルトン抜き」の米政権の反応を見る絶好のタイミングだ、この攻撃を米国との駆け引きに利用するとみられる、と書いている。

 この大内氏の指摘は鋭い。

 私はボルトンを支持する米内部の強硬派がイランと対話し始めたトランプをけん制した内部説の可能性を書いたが、おなじトランプをけん制するのでも、こっちの方がより可能性があるような気がする。

 なぜなら、イランにとってトランプが戦争を好まない大統領かどうかは死活的重要性を持つからだ。

 そして、いま、イランと核兵器で緊密な関係を持つ北朝鮮が同様にトランプ大統領を試している。

 本気で話し合う覚悟があるのかと。

 ここでもトランプ大統領は揺れ動いている。

 国連総会で行うつもりだったイランとの協議は吹っ飛び、金正恩の招待状に対しても、ピョンヤンの年内訪問は時期尚早だと言い始めた。

 大統領選を前にして、さすがのトランプ大統領も、何でも一人で独断するわけにはいかないのだ。

 揺さぶられている。

 揺れ動いている。

 戦争を好まないトランプ大統領の正念場である(了)

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