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ソフトバンク幹部が「やっぱり……」 楽天の携帯本格参入が遅れた理由 - 「週刊文春」編集部

「第4のキャリア」を目指している楽天は9月6日、10月に予定していた携帯電話事業への本格参入の先送りを発表した。当面は利用者を東京23区や大阪市、名古屋市、神戸市在住の5000人に絞り、音声通話やデータ通信ができる試験サービスを来年3月末まで無料で提供する。


楽天の三木谷浩史会長 ©共同通信社

 本格参入が遅れた直接の原因は、基地局整備の遅れで、行政指導を3回受けている。楽天は3432カ所の基地局を来年3月末までに設置する予定だが、現時点では約6分の1の586局にとどまる。

 ソフトバンク幹部が言う。

「やっぱりという感じです。うちは後発で基地局が少なかったため、参入後しばらく、つながりにくいという批判を受けました」

 そこで街中に基地局を設置しようとしても用地確保の難しさに直面した。

「ようやく用地を見つけても、他社より高い賃料を要求された。楽天も同じ目に遭っているはずです」(同前)

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は「オペレーションで多少の問題があったが、すでに解決した」と説明した。早ければ年内にも利用者募集ができるというが、怪しむ声は多い。

「自信満々なのは、楽天のタレック・アミン最高技術責任者(CTO)とその周辺ぐらい。三木谷さんは会見で『安定稼働が確認できれば早急にフルサービスインする』と強調したが、本当は確信がないのではないか」(通信業界関係者)

 三木谷氏は携帯料金について、「他社がまねできないものになる」と胸を張る。

楽天の「世界初の新技術」は実用化できるか

 なぜ安くできるのか。携帯大手3社は、毎年4000億~5000億円を設備投資してきた。一方、楽天は基地局整備の費用を6年間で総額6000億円弱としている。新技術を用いれば初期コストで3割、運用コストで4割が減らせるため、利用者に安く提供できるという。

 だが、こうした楽天の現状に、監督官庁の総務省は不満を募らせている。

「三木谷氏の主張に基き、昨年から菅義偉官房長官や総務省は、大手3社に料金見直しを迫ってきた。しかし、楽天はいまだに具体的な料金を提示していません」(前出・通信業界関係者)

 楽天が「仮想化ネットワーク」と呼ぶ新技術は、通信網の管理を専用サーバーではなく、インターネット上で行うという。

「仮想化技術を全面採用するのは楽天が世界初で、通信の安定性が確保できるかどうかは未知数。あと半年で実用化できるのか甚だ疑問です」(同前)

 実現しなければ携帯料金の引き下げ圧力はなくなり、菅氏や総務省は立場を失うだろう。通信業界は未知のイノベーションの行方を注視している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年9月19日号)

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