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「日本国政府専用機の思い出」

 最近のニュースを見ていたら、2012年3月に、現在使用の2機を2018年頃を目処に「退役させる方針」と、明らかにしたとある。
 元々、購入した時から、その頃までの運用となっていたから、別段不思議ではないのだが、どうやら、後継は無いとの話に、時代の移り変わりを感じないわけにはいかない。
 背景に日本の経済情勢があることは確かだ。私には国力が次第に衰えていくようで、残念で仕方がないのだ。

 2基の専用機を購入したのは1991年のことだが、その背景には、当時日米間の最大の懸念だった、アメリカの巨額の対日貿易赤字を減らすための国策的要素が強かった。
 いざという時の為、常に2機が同時に飛ぶことになっているが、予算は2機で360億円であった。(ボーイング747-400)
 やがて、バブルが弾けて日本経済が長期にわたる不況に陥り、本来なら3機必要とされる専用機だが、これを追加することなど、とても思いもよらないことであった。

 1993年、この飛行機に初めて乗ったのは渡辺美智雄外務大臣で、内閣総理大臣としては宮沢喜一氏であった。
 ちなみに、天皇・皇后の外国御訪問と内閣総理大臣の外遊が重なった場合は、事実上、日本の元首である天皇・皇后が優先使用となる。去る5月、イギリスご訪問と重なったので、アメリカのサミットに出席の野田総理は全日空の特別機を使用している。

 私も通産大臣の時に政府専用機に乗っている。後にも先にもこの1回だけの経験である。

  1999年10月のことだが、この時、韓国済州島で第2回日韓閣僚懇談会が開かれたのである。
 当時の私の大臣秘書官は、現在、台東区議会副議長の石塚猛君で、幸運なことに彼も同乗出来たのである。純情な彼は機内でどこかに電話して泣いていた。後で聞いたのだが相手は私の家内で、よほどうれしかったに違いない。
 あの頃の小渕内閣は、いわゆる自自公内閣で、衆議院で戦後最大の7割を超える議席を持ち、参議院でも6割強を数える巨大与党であった。民主党に政権を明け渡してしまった今、思えばまさに「夢の如し」である。

  日韓閣僚懇談会での小渕総理の相手は韓国金鐘泌大統領で、会談は終始和やかなものであったが、「外国人参政権」について執拗に迫っていたことを覚えている。
 公明党や自由党の小沢一郎氏は賛成の立場であったから、私は心配して、決して甘い答えを言わないようにと秘かに進言していた。参政権は国家の主権に関わる重大な問題だからである。
 一般に何となく地方選挙ぐらいなら、と考えがちだが、地方自治体の動きが即国家全体に影響する昨今の状況を見れば、そんな安易な判断はきわめて危険であることが判る。地方といえども軽々に参政権を与えることは間違っている。

  参政権を得たければ帰化して日本人になればいい。その手続きは決して難しくないし、現にそうして、国会議員になっている人もいるではないか。(残念ながら高い評価の議員ではないが…)
 勿論、あの会談で小渕総理は、賢明にも言質をとられるようなことは一切なかった。
 小渕政権は実に順調に政治を進めていた。小沢氏が突然翻意して連立政権離脱の動きになったのだが、あれさえなければ・・・。
 政府専用機のニュースを聞きながら、走馬灯のように様々な思いが私の脳裏をよぎるのであった。

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