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ある意味どうしようもない

日立会長、実習生問題で釈明 「ある意味申し訳ない」(朝日新聞)
 外国人の技能実習生の受け入れをめぐって、日立製作所が法務省と厚生労働省から改善命令を受けたことについて、日立の中西宏明会長は、9日の経団連会長としての記者会見で「謙虚に受け止めたい。ある意味では申し訳ない話だった」と述べた。

 中西氏はこれまで「違法性はないと信じている」と話してきた。この日は見解を問う質問を受けて「行政と日立側に意見の相違があった」。加えて「法令を順守する観点から指摘をいただき、改善を積み重ねてきた。外国人が活躍できる環境づくりを進めたい」と語った。

 命令の詳細を、法務省や厚労省は明らかにしていない。法務省の関係者によると、日立は山口県下松市にある笠戸事業所に2018年4~7月、フィリピン人男性43人の実習生を受け入れたが、必須の業務を十分にさせない一方、新幹線の車両に洗面台を取り付ける作業などをさせていたという。
 日立製作所が技能実習に関する違反を指摘されたわけですが、これを受けてのコメントが上記です。会長ともなれば現場で行われていることなど何一つ知らないのが普通でしょうから、とりあえず「信じる」ぐらいしかできないのかも知れません。仕事ごっこで報酬を受け取るだけの役職からすれば、「ある意味では申し訳ない」となってしまうのも無理からぬ話と言えます。

 それはさておき、「技能実習生」という呼称はいい加減にどうなのかと思わないでもありません。届け出された正規の業務ではなく単純労働を強要されているケースは日立に限ったことでもないはずです。初めから「技能実習」という概念に無理があった、あくまで外国人を欺いて安価な労働力として調達するものであるという実態に沿った名称に改めることも必要ではないでしょうか。例えば「徴用工」などは、ピッタリくると思いますね。

 ただ世間的な評価の高低はさておき、何からでも学べることはあります。単純に技術力を問うなら今は日本よりも中国や韓国からの方が学べることは多いでしょうけれど、日本には――搾取のメソッドがあります。いかに法律を蔑ろにするか、いかに外国人を欺いて労働力とするか、いかに従業員の給与を抑制するか――GDPが横ばいの中でも企業の利益だけは増やし続けてきた日本には、世界に類を見ない独自の方法論があるのです。

 技能実習生の中には、現代の徴用工として日本への恨み辛みを抱えて帰国する人もいれば、闇に消える人もいる、一方で自国民を騙して日本に送り込むことで利益を得るブローカー即ち「親日派」への転身を図る人もいます。日本の悪いやり方を覚えて、今度は騙す側に回る人もいるわけです。これもまた「日本に学んだ」結果と言えますが、それを誇らしく感じる人はいないと思いたいです。

経団連会長ら9人で調整 社保改革会議の民間代表(共同通信)
 政府が社会保障改革の司令塔として来週に新設する検討会議の民間メンバーに中西宏明経団連会長や新浪剛史サントリーホールディングス社長、清家篤前慶応義塾長、増田寛也元総務相ら9人を起用する方向で調整していることが13日、分かった。企業経営者や学識経験者など幅広い人材を集め、急速に進む少子高齢化社会に対応した社会保障制度の在り方を議論する。初会合は20日の開催が有力だ。

 9人はいずれも既存の政府会議のメンバー。中西氏、新浪氏は経済財政諮問会議の民間議員、清家氏は社会保障制度改革推進会議の議長、増田氏は議長代理を務める。
 なお共同通信によれば「幅広い人材」として「いずれも既存の政府会議のメンバー」9名が集められたそうです。そして当然のように、経団連会長兼日立会長の中西氏が入っています。なんともまぁ代わり映えがしない、相も変わらず「奪う側」の人間で構成されていると言う他ありません。ここに「奪われる側」の人間が加われば、多少なりとも幅が広くも見えるのですが。

 ただ政府の立場を擁護するなら、日本国民も相応に支配者目線であるわけです。自身の生活状況を無視して、経営者の立場でモノを言いたがる人は少なくありません。ボロを着てても心は錦、薄給でも心はエグゼクティヴ、それこそが大和魂でしょう。為政者・経営者の立場に立って社会保障費の抑制に努める、その路線は案外、民意に沿ってはいると思います(国民の生活はさておき)。

 とはいえ、外国人を騙して日本に連れ込み、薄給で単純労働に従事させる、そんな組織の親玉ばかりを政府会議に据えていて良いのでしょうか。本当に物事を改革したいのなら、反対の立場の人も必要です。ある意味では先駆的な存在である韓国の元・徴用工(及び原告団)辺りを、搾取経験者として政府会議に参加させれば、バランスは取れそうですね。そうすれば、日本がやり方を改めようとしている意思表明にもなるでしょうし。

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