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今回の内閣改造は“ポスト安倍いっぱい内閣”? 外務大臣を河野氏から茂木氏に、小泉進次郎氏起用の狙いは



 11日、第4次安倍再改造内閣が発足した。

 麻生太郎副総理兼財務大臣と菅義偉官房長官は留任し、河野太郎氏は外務大臣から防衛大臣、茂木敏充氏は経済再生担当大臣から外務大臣にスライド。そして、高市早苗氏は総務大臣、加藤勝信総務会長は厚生労働大臣と、それぞれ過去に務めた大臣に返り咲いた。さらに、安倍総理の最側近と言われる萩生田光一幹事長代行が文部科学大臣、環境大臣には男性では史上最年少閣僚となる小泉進次郎氏が選ばれ、13人が初入閣となった。

 “安定と挑戦”を掲げた今回の改造内閣の顔ぶれについて、テレビ朝日政治部の吉野真太郎氏は「ポスト安倍いっぱい内閣」と名付け、理由を次のように説明する。



 「安倍総理の任期を3期9年、残りがあと2年ちょっとだと考えると、今回の内閣にはポスト安倍がいっぱい入っているように見える。“令和おじさん”で一躍有名になった菅官房長官と、閣僚ではないが政調会長として処遇された岸田氏。ポスト安倍に意欲満々と言われている茂木氏、河野氏と小泉氏。安倍総理はこういった面々を取り込んで競わせて、今後どういう人が頭角を表してくるかを見極めようとしているんだと思う」

 今回、初入閣で注目を集めているのが小泉進次郎氏だ。小泉氏はこれまで安倍総理と一定の距離を置き、去年9月の総裁選では対抗馬の石破氏に投票。過去の内閣改造では、入閣を辞退する意思を滲ませてきた。

 小泉氏起用の狙いについて吉野氏は「安倍総理は1カ月ほどかけて人事を練り上げたと言われている。そもそも安倍総理と小泉氏は政治家としてのプレイスタイルが異なり、当初は起用するつもりはなかったそうだ。安倍総理は安保法制や秘密保護法といった国論を二分する政策を進め、その度に批判もあったが、小泉氏は一緒になって批判する側にいた。それに安倍総理は眉をひそめていたがつい先週、小泉氏が入閣に前向きだという情報が入り、それならチャンスを与えてもいいかと起用したようだ。ただ、評論家ではなく与党の政治家、責任ある閣僚として結果を出してほしいというメッセージがある」との見方を示す。



 前環境大臣の原田義昭氏は10日午前、福島第一原発で除染処理した後に残る放射性物質「トリチウム」を含んだ汚染水を巡り、個人の考えとして「思い切って、(海に)放出して希釈する。いろんな選択肢を考えると他にはない」と発言したことが世界で報じられた。こうした難しい問題への対応も小泉氏の手腕が問われるが、『ニューズウィーク日本版』の長岡義博編集長は「外交ブレーンの方に小泉氏の話を聞いたことがあるが、資料の読み込みもとても早いし飲み込みも早いと。意外に大臣も手堅くまとめるんじゃないか」と分析。



 一方、外交で重要な役割を担う外務大臣に茂木氏、防衛大臣に河野氏が起用された理由はどこにあるのか。吉野氏は「最近の報道に見られる韓国に対するメッセージというのはもちろんあると思うが、茂木氏は日本とアメリカの貿易交渉をやってきた人。それがいよいよ大筋合意ということで結果を出したということと、本人がずっと外務大臣を希望していたことで処遇されたと思う。河野氏の韓国に対する姿勢を安倍総理は一定程度評価していて、閣内に留めつつポスト安倍としても育成したいという思いもあってのスライドだと思う。ただ、防衛大臣は沖縄と向き合わなければいけないので、河野氏にとっては試練ということになるかもしれない」とした。



 では、安倍総理の最側近とされる萩生田氏の文科大臣起用にはどのような狙いがあるのか。吉野氏は「今回の人事はお友達内閣とも言われている」とした上で、「関係者に聞くと『7年も政権をやっていればいろいろな人が近くに来る』と意に介していないようだ。ただ、起用の理由はあって、安倍総理はこの内閣改造で『教育改革』『働き方改革』『社会保障改革』の3本柱を打ち出そうとしている。それぞれの大臣が萩生田文科大臣と加藤厚労大臣、西村経済再生担当大臣。3人とも官邸での勤務経験がある、いわば側近中の側近。残りの安倍政権で官邸主導のグリップを強め、引き続き意思疎通ができる人を配置したという意味の表れ」だとした。

 今回、去年10月の内閣改造から約1年での再改造となる。長岡氏は「自民党の長期政権というのは、衆院選が終わると毎年1回、内閣改造を行う。今回も“定例”の安倍内閣の人事異動だと思うが、個人的には1年、2年でころころ大臣が変わるのはどうなのか。もっとプロフェッショナルになってもいいと思う」と指摘。



 また、こうしたサイクルの背景に“入閣待機組”が控えているという点については、「なぜみんな大臣になりたいかというと、大臣になると選挙に負けないということと、支持者からの期待がある。ただ、外務大臣のような日本の顔といわれるポストがすぐに変わるのはどうなのか。河野氏は英語もでき日本のPRを上手にやっていた印象があるのでもったいないなと思う。お飾りではまずい」とした。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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