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キーボードで日本、中国に敗北

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▲写真:HHKB(上)とAtom66(下)。キー配列はほぼ同じ。これはHHKBに着想を得た機械接点式のPOKERキーボードに配列を倣った形だからだ。筆者撮影。

文谷数重(軍事専門誌ライター)

【まとめ】
・HHKBやリアルフォースに匹敵する中国製高級キーボードが出現。
Atom66他のNiz社キーボードは価格、機能性、野心で日本企業を圧倒。
・アニマルスピリット溢れる中国中小企業に大企業病の日本企業は敗北へ。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=47847でお読みください。】

キーボードの最高級品は何だろうか?

日本ではPFUのHHKB:ハッピーハッキングキーボードだ。または東プレのリアルフォースである。どちらも高信頼性の無接点スイッチを採用している。その価格も3万円前後と高額である。一般向け市販品ではこれらを超える製品はない。そう考えられている。

だが、中国製の抬頭によりその地位は脅かされつつある。中国メーカーNizも無接点方式を採用した高級品の製造販売を進めている。品質も極めて高い。

HHKBほかの国産高級キーボードは生き残れるだろうか?

生き残れない。中国製品は明らかに日本製品に優れている。価格は廉価である。機能性でも優れている。なによりも野心に満ちているためだ。

■ Niz Atom66はPFU HHKBに優れる

HHKBは最高のキーボードである。

これは言を俟たない。信頼性や耐久性からプログラマーや文章家の多くはHHKBを用いている。図版を扱う個人事業主もよく使う。省スペースであり机の上を広く使えるからだ。

だが、その地位を脅かす製品が出現した。

中国Niz社のAtom66である。去年から一部では名前が知られるようになったキーボードだ。HHKBとほぼ同寸の66鍵の無接点型である。

▲写真 atom66とパームレスト。Niz社は価格でPFUに優位に立つ。上のキーボードは169ドル、下のパームレストは25ドル(華南からの送料込み)。DHLなので早い。6月22日午後発送で27日午前に到着した。これはHHKBの本体3万円、パームレスト約4500円の2/3未満である。筆者撮影。

■ 価格上の優位

このAtom66はPFU、東プレの国産高級品の市場を奪う存在となる。

その第1の理由は価格である。同性能同等品では日本製の半額近い価格である。

BLUETOOTH版では1万9000円対3万円だ。Atom66EC-BLEは169ドルである。これは華南からの送料込みである。対してHHKB/BTは2万8686円だ。税込では2倍近い価格差となる。

USB版でも変わらない。有線型のAtom66EC-Sは129ドル、HHKBは税抜2万7500円から2万3000円だ。

ちなみにリアルフォースにも同様の価格優位に立つ。Nizは東プレ同様に75鍵、84鍵、108鍵ほかの無接点キーボードを販売している。そのUSB版の価格は東プレ製のほぼ半額である。BT版でも東プレのUSB版よりもなお安いのだ。

まずは価格で優位にある。その点でNizはPFUや東プレの高級国産キーボードを圧倒するのである。

■ 高い機能性

第2の理由は機能性である。

Niz社Atom66は自由度が高く実用性が高い。

まずキー配置は自由に変更できる。PCで設定ソフトを走らせれれば1鍵単位で変更できる。それを繰り返せばQWERTY配置をDVORAK配列にすら変えられるのだ。

その設定はキーボード側に書き込まれる。つまり別のPCにつないでもそのままで設定どおりに使える。記述例で示せば一度DVORAKにすれば別のPCでもDOVRAKで使えるのだ。

▲写真 書き換えソフト。USB接続でPCに繋げばキーアサインは自由に変えられる。筆者はHHKBそのものに変えた。CAPSをCTRLに、BSをDELに、\をBSに、DELを¥に変え、方向キー設定も弄った。アリババ国際通販で注文した無刻印キートップと交換するつもりである。筆者撮影。

またキートップも交換容易だ。事実上の標準品であるMX軸を採用している。このため変更したキー配置の部分を差し替える上で重宝である。例えば色替や無刻印タイプのキートップが入手しやすいのだ。

これらの点でもPFUのHHKBは不利にある。背面スイッチによるキー設定は7通りしかない。ソフトによるキー差し替えもPC側の設定であり別PCへの接続では都度やり直しとなる。キーキャップは独自規格であり選択肢は少なく価格も高い。

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