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話がつまらない人に共通する「自爆パターン」4 問題は「ネタのショボさ」ではない

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情報量がキャパシティを超えている時代

ここまで、つまらない話には4つのパターンがあり、つまらなさを感じさせる3つの障壁があることを紹介しました。詳しく解説していきましょう。

パターン①:「は?」話の内容がまったくわからない
パターン②:「べつにいいかな……」その話の内容は自分には関係ない
パターン③:「そうは言ってもねえ……」話の内容は自分に関係するけど、自分にはできない、採り入れられない
パターン④:「そりゃそうだ」すでに知っていて、もう当たり前の話
3つの壁:「認知の壁」「私事の壁」「獲得の壁」

まず、話がつまらなくなるパターン①ですが、これは話の内容がまったくわからない、あるいは頭に入ってこないような場合です。つまり、聴き手が認知すること(知ること)ができない状態。このパターンが最悪です。

しかし、情報過多の現代、じつはほとんどのネタが、この「認知の壁」に阻まれています。あまりに多くの情報に晒されると、人は情報を認知するに至らず、スルーしてしまうからです。

現在、世の中にある情報量は、明らかに一人の人間が受け取ることができるキャパシティを超えています。YouTube上では、毎日1分間に300時間分以上もの動画がアップされているといわれています。誰もが溢れる情報にまみれる、いまの世の中で、自分が話すネタを知ってもらうというのは、かなり骨が折れる作業なのです。

「認知の壁」を突破できるかが最初の関門

この「認知の壁」に阻まれるのは、溢れる情報にまみれるような状況だけとはかぎりません。目の前にいる人が話をしているのに、その内容がまったく理解できないという経験をしたことがある人も、少なくないのではないでしょうか。

たとえば、聴き手に前提となる知識がないのに、学者や専門家に難しい言葉で説明されると、話の内容が右から左へと流れてしまうような状況が起こります。

あるいは芸術家によるアート作品の解説、さらには哲学者が語る異次元の話だったりする場合もあるでしょう。とくに、話し手と聴き手の知識や理解度のギャップが大きいときに起こりやすいケースですね。

「認知の壁」に阻まれたネタは、聴き手の関心ゾーンに入り込めず、「つまらない」と認定されてしまいます。聴き手に「おもしろい!」と思ってもらうための最初にして最大の関門が、この「認知の壁」を突破することなのです。

ここで考えるべきことは、いかに聴き手に興味・関心をもってもらうかということにほかなりません。話すネタを聴き手の「関心ゾーン」に持っていけるようになることが、「認知の壁」を破るための課題なのです。聴き手に「おっ!」「ほう」などと思わせることができたら成功です

「自分に関係ないこと」は、すぐ忘れられる

続いて、話がつまらなくなるパターン②です。

このパターンは、ネタに多少の関心はあるけど、「まあ、でも、自分には関係ないかな」と聴き手に思われてしまうケースです。ここには「私事(わたくしごと)の壁」が立ちはだかっています。

極端な話、人がもっとも興味があるのは、「自分に直接関わること」です。つまり、関心はあるけど「自分には関係ないこと」だと判断されたら、ネタはすぐに忘れ去られてしまうのです。

たとえば、独立願望のある企業勤めのビジネスパーソンが、講演会などで転職のノウハウを聴いても、「会社を辞めはするけど、独立したいから、転職ネタはオレには関係ないな」と思ってしまうケースです。多少の関心は惹けても、結果的に「つまらない」と認識され、彼の頭には残らないのです。

「私事の壁」を突破するためには、聴き手に「自分とどう関係しているのか」ということをイメージさせられるかどうか、がカギとなります。

先述した例では、「会社を辞めるという前提での選択肢のなかで、転職がもっとも自身のキャリアシフトを成功させる確率が高いのです」などと、聴き手に大いに関係している話だとアピールすることが、「私事の壁」を破るための課題です。その説明により、聴き手に「自分にも関係あるかも!」と思わせることができたら成功です。

「自分にはできない」の突破法は予備校講師が知っている

次に、話がつまらなくなるパターン③です。

聴き手は、そのネタが自分に関係のあることは理解できているが、何らかの理由で「自分には使いこなせない」「自分にはマスターできない」と感じて実行できない場合です。ここは「獲得の壁」に阻まれています。

聴き手にとって、使いこなすこと自体の優先順位が上げにくかったり、あるいは使いこなそうと思っても、それがうまくできなかったりするケースです。自分に関係するということはしっかり理解できているけど、自分のなかに採り込めない……そんな悶々とした、もどかしい状態がこのパターンです。

このパターンでは、「どうにかして、いますぐ自分のなかに採り入れなくちゃ!」——まず、そう聴き手に思わせることがカギとなります。そのためには、採り入れる緊急性や必要性を理解させる説明をできるようになることが課題となります。

場合によっては、ネタを聴き手が自分のものとして吸収し、自分で使いこなせるようになるためのトレーニング・メニューを提案することが必要となります。

じつは予備校講師というのは、ここを集中的に実践しているプロフェッショナル集団なのです。聴き手である生徒が授業内容を自分のものにし、自力で問題を解ける能力を向上させること。すなわち、「獲得の壁」を突破するスキルに長けているのが、予備校講師という職業でもあるのです。

「すでに知っている話」はなるべく避ける

最後は、話がつまらなくなる原因のパターン④です。

このパターンは、聴き手がそのネタをすでにじゅうぶん理解してマスターできている状態です。

聴き手にとってすでに常識で当たり前と感じているネタをそのまま聴かせてしまうと、「つまらない」と感じさせてしまいます。すでに使いこなしているネタは、それ以上に聴き手のなかで深化していくことはないからです。

たとえば、成人にとっての掛け算の九九。すでに使いこなせている計算スキルなのに、わざわざイチからバカ丁寧に説明されたら、退屈に感じるはずです。あるいは何かの講演会で、「高度経済成長が終焉し……」なんて聴かされても、「いつの時代の話だよ!」と、ほとんどの方が思ってしまうでしょう。

聴き手の脳ミソは、自分にとってすでに当たり前のネタを延々と説明されてしまうと、「もう、いいよ!」と悲鳴を上げます。

つまり、このパターンだけは、突破できる「壁」がありません。

ゾーンのなかで「内側への点の移動」を起こす術(すべ)がないのです。点の移動ができないとなると、これまでお話ししてきたように「3つの壁」を突破し、聴き手の知識や関心を深化させてネタをおもしろくする、ということができません。ネタをおもしろくする難易度が、とても高いのです。

このパターンに関しては、「できるかぎり回避する」ことを、私はお勧めしています。ポイントは、こちらが話す前に聴き手の知識レベルや理解度を把握すること。それによって、説明で使う言葉の選択を変えられるかどうかが、この状況を回避するためのカギとなります。

聴き手の心を動かす説明「8つの型」

じつは、これら3つの壁を突破するのに効果的なノウハウ、それが以下、8つの説明の型(フレーム)です。

型の1「メリット訴求」
型の2「対比」
型の3「因果」
型の4「カットダウン」
型の5「破壊」
型の6「ニュース」
型の7「希少性」
型の8「欠如アピール」

これらの型を使うことで、聴き手の心を動かし、「おもしろい!」と思ってもらえる説明ができる。私はこれを「感動する説明」と名付けました。

この「感動する説明」は、「おもしろい!」といっても「笑い」のセンスが必要なわけではありません。詳しい解説は拙著『感動する説明「すぐできる」型』に譲るとして、この8つの説明の型は、誰でもすぐに身につけられます。

「笑い」なしで人をワクワクさせることはできる

そして、この「型」を自在に使いこなせるようになってから、不器用なこの私でさえ、季節講習会では満員御礼が続出。駿台予備学校に入って9年目には、季節講習会での化学の受講者数で日本一になることができたのです。

犬塚壮志『感動する説明「すぐできる」型』(PHP研究所)

「受験化学」というネタは、ある意味「つまらない」かもしれません。ただ、他の講師とまったく同じ受験化学というネタを「型」に流し込んで説明するだけで、他の講師たちと差別化できるようになったのです。

本稿をここまで読んでくださった時点で、この「感動する説明」は、少なくともあなたの「関心ゾーン」には入っているはずです。「私事の壁」を突破して「関係ゾーン」に入っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

感動する説明が「すぐできる」型さえ身につければ、「笑い」をいっさい必要とせず、人をワクワクさせることができます。この説明ノウハウは、必ずあなたのビジネスに役立つ、強力な武器となるでしょう。

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犬塚 壮志(いぬつか・まさし)
教育コンテンツ・プロデューサー
福岡県久留米市生まれ。元駿台予備学校化学科講師。株式会社士教育代表取締役。大学在学中から受験指導に従事し、駿台予備学校の採用試験に25才で合格(当時、最年少)。2017年に社会人向けビジネスセミナーの開発や講座デザイン、テキスト作成などを請け負う事業を興す。企業向け研修講師としても登壇。現在は東京大学大学院で「学習」をテーマとした研究も行う。主な著書に、『頭のいい説明は型で決まる』(PHP研究所)、『偏差値24でも、中高年でも、お金がなくても、今から医者になる法』(KADOKAWA)などがある。
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(教育コンテンツ・プロデューサー 犬塚 壮志)

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