- 2019年09月11日 10:52
【読書感想】なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?
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なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか? アマゾンに勝つ! 日本企業のすごいマーケティング (光文社新書)
作者: 田中道昭,牛窪恵
出版社/メーカー: 光文社
発売日: 2019/08/20
メディア: 新書
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Kindle版もあります。
なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか??アマゾンに勝つ! 日本企業のすごいマーケティング? (光文社新書)
作者: 田中道昭,牛窪恵
出版社/メーカー: 光文社
発売日: 2019/08/21
メディア: Kindle版
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内容紹介
◆アマゾン分析の第一人者と、トレンド研究の第一人者が、マーケティングの秘策を徹底解説! ◆「いまさら聞けない」基礎的手法から有望な日本企業の戦略、最新情報や技術まで、この一冊にギュッと凝縮 ◆企業の商品・サービス開発やマーケテイング業務はもちろん、毎日の生活や就活、転職にも役立つ! ◆4Pと4C、サブスクリプション、プライシング、イノベーションとキャズム、カスタマーエクスペリエンスなど多数のキーワードを網羅 ◆本書に登場する日本企業は、なぜマーケティングでアマゾンに対抗することができるのか?内容(「BOOK」データベースより)
マーケティングって楽しい!日本企業の最新戦略に学ぶ、「マーケティング」の入門書。「進化するアマゾン」も徹底分析!
僕は「女は……、男は……」というタイトルの本をみかけると、「それって、本当に性別による差なの?」と考えてしまうのですが、この新書は「性差」を検証するのが主ではなくて、「ある商品、あるいはサービスが、なぜ支持されているのか」そして、「これから、どんなサービスが主流になっていくのか」について書かれているものなのです。
「マーケティング」という言葉はかなり一般的なものになっているのですが、実際にどんなことをやっているのかについては「アンケートとかとっているやつだよね、めんどくさいよねえ、あれ……」というくらいのイメージの人も少なくないはず。
そういう「マーケティング初心者」にとっては、いま、注目されている企業やそのサービスを例にあげて語られているので、読みやすく、わかりやすい内容になっていると思います。
僕は今までヤフオクもメルカリも利用したことがなく、どちらも似たようなオークションサイトだと思っていました。
不要になった品物を少額でもお金に換えることができたり、趣味のために買ったものを価値がわかる人にそれなりの値段で売れるという魅力はあるものの、知らない人とやりとりしたり、発送の手間やクレームのリスクを考えると、僕には敷居が高かったのです。
著者のひとりの牛窪恵さんは、ヤフオクとメルカリの「違い」について、こう述べています。
今回の取材でも、メルカリとヤフオクを次のように評する女性が目立ちました。
「ヤフオクは、(競争する)相手との駆け引きがイヤ。終了時間までシーンとしている(動きがない)クセして、ギリギリになって値上げして、相手を蹴落とそうといった攻防が続く。人間のズルい一面を見ちゃうので、人間不信になりそう」(20代女性)
一方、「ヤフオクは戦場、メルカリは癒しスポット」だと言い切るのは、30代のD子さん。
「メルカリは、夜お風呂やベッドの上でなんとなく覗きに行って、出品者さんとやり取りして、ポチッと『購入(のボタン)を押せた瞬間、ほっと癒される。でもヤフオクは、いつも終了時間直前にアプリを開いて、誰か自分より高値をつけていないかと冷や冷やしなきゃいけない。戦場の見張り役の兵士みたいで、落ち着かないんです」
先のC男さんの声とは、だいぶ違いますよね。一般に、ヤフオクは「出品時のルールや手数料の概念が、メルカリより複雑」とも言われますが、C男さんいわく「慣れちゃえばラク。それよりメルカリみたいに、売り手とあれこれやり取りするほうが手間ですよ」とのこと。
たしかにヤフオクの場合、基本的に価格競争に勝つことさえできれば、欲しい商品を入手できます。メルカリのように、購入前から「着丈はどのぐらいですか?」など売り手に質問したり、「もう少し安くなりませんか?」と価格交渉する手間は、あまり発生しません。
他方、私も含め、対話好きな女性にとっては、C男さんが「面倒」だとする売り手と買い手のコミュニケーションこそが、メルカリの「醍醐味や楽しさ」であることも多いもの。
正直、僕はこういう「売り手と買い手とのやり取り」は「めんどくさい」としか思えないんですよね。牛丼屋だって、食券制のほうが良いくらいなので。
でも、人によっては、「こういうやりとりこそがあるから、メルカリは楽しい」わけです。
ヤフオクの時間ギリギリのところで競り落とすスリルも、好きな人にとっては魅力的なのでしょう。