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北方領土は楽観的に執念を燃やしつつ

 山田吉彦先生の「日本の海が盗まれる」(文春新書)の北方領土の記述は、興味深い内容でした。

 まず、返還のカギは、「国後水道である」と。

 水深480メートルの国後水道は、冬場でも不凍であり、潜水艦の潜航も可能であり、1000人規模のロシア国境警備庁基地の最大任務も国後水道の管理である、と。

 中国海軍とロシアとの共同訓練でも、中国に国後水道の航行を認めなかったというエピソードも紹介し、となると、現実的な返還対象は、歯舞諸島だけではないか、と予測していました。

 実際、かつて日本国民は歯舞諸島には、日本国民が5281人住んでいましたが、今現在も、ロシア人は一人も住んでいないそうです。

 ビザなし交流で、色丹島を訪問するにも、いったんは、国後島に寄港した上で、色丹島に戻るルートであるらしく、文献を正式には確認していませんが、終戦後、吉田茂首相の発言には、歯舞諸島と色丹島は、北海道の一部であるという認識を示したこともあるそうです。

 日ソの議会を批准した唯一の合意である日ソ共同宣言を基礎に、歯舞諸島と色丹島の返還、プラスアルファで、4島全体、海域、共同開発の在り方等を、粘り強い交渉と交流人口の増大などで勝ち取っていくしかありません。

 領土問題は主権の問題であり、国家国民のメンツにも深く関わっており、安易な妥結は禁物ですが、中ソ国境紛争も、2004年10月14日に、プーチン大統領と胡錦濤国家主席が最終的に政治決着で、中露国境協定が締結され、両国の議会で批准された歴史的事実があります。

 粘り強く、国民世論の力も得ながら、諦めず、失望せず、抽象的な原則論に拘泥せず、幻想を交えない理想を掲げ、楽観的に、執念を燃やしつつ、推進していくことが大切です。

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