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- 2019年09月11日 10:10
人気のタピオカミルクティー飲み比べ おじさんが並んでも飲むべき一杯はこれだ!
2/2タピオカの輸入量は4.3倍に

タピオカブームは日本だけに限ったことではない。台湾の上半期のタピオカ輸出量は計2万6,823トン。前年同期比で9割増である。輸出額は4,950万米ドルで、前年同期比で約2.2倍。タピオカの需要は世界的にも高まっているのだ。
タピオカの生産量は台湾全体で1日当たり300トン以上。製造業者は20〜30社あり、一部の業者は台湾だけでなくベトナム、タイ、中国、日本にも工場を設けている。
台湾の地元紙「自由時報」には「日本でのブームを受けてタピオカの輸出価格が上昇」との記載があり、以前までは1トン当たり2000米ドルで取り引きされていたものが、去年は3000米ドルまで値上がりしたという。
共同通信も2019年上半期のタピオカの輸入量が過去最高になったと報じている。人気の背景にあるのは若い女性を中心としたタピオカブーム。大阪税関によると、2019年上半期の全国のタピオカ輸入量は前年同期比で4.3倍の4471トン。輸入額も5.7倍の15億円でいずれも過去最高。台湾の行政院農業委員会の発表とほぼ同じだ。
大阪税関の担当者は「かき氷やサラダなど、飲み物以外にも利用する飲食店の動きが広がっており、7月〜12月も好調を維持するだろう」と話している。
台湾製のタピオカの出荷が急激に増えていることを考えると、日本で新規のタピオカ入りドリンクを扱う店舗が増えていることも納得がいく。では、日本の店舗向けにタピオカを販売する業者は大きな利益を得ているのではないか。調べてみた。
業者が語る「タピオカは入荷10分で売り切れる」
タピオカやタピオカミルクティーに欠かせない太いストロー。インターネット通販でカップなどを業者向けに卸売販売しているメーカーAに電話取材。匿名を条件に話を伺った。メーカーAは「売上、出荷量の具体的な数字を公表することは難しいですが、昨年10月頃からタピオカの売り切れ状態が続いています。毎日の生産分が入荷から10分程度で完売という状況」と語る。
タピオカそのものが一瞬で売り切れるので、タピオカミルクティーに必要なカップや太いストローといった資材の売上は横ばいだという。オリジナルの供給ルートがない限り、新規での参入は難しいようだ。
飛ぶように売れるタピオカ。裏を返せばそれだけ儲かるということだが、原価はいくらなのか。タピオカの卸売店ではタピオカミルクティー150杯分(タピオカ3kg)が3758円(税込み)で販売されている。1杯当たり約25円。
春水堂やTHE ALLEYなど人気店の販売価格はMサイズ500円。タピオカ以外にお茶やミルク、容器などの資材代を考えても原価は1杯100円程度で、利益は400円。飲食店の原価率は30%が目安といわれることを考えると原価率がいい商品といえる。
週刊ポスト(2019年6月28日号)によると、タピオカミルクティーの原価は30〜40円で、1店舗の利益は1ヶ月で80万〜100万。ブームの後押しもあって、割がいいビジネスである。
さらに出店には大きな店舗も不必要。テイクアウトなら座席も不要で、調理も手軽なため大きな厨房も必要ない。初期投資が少なくブームに乗れば回収も容易である。
タピオカを調達するルートさえあればビジネスとしては手軽というわけだ。
過去と現在のタピオカブームの違いは?

−−過去にもタピオカブームがありましたが、これまでのタピオカブームとは何が違うのでしょうか?
過去のブームは調理済みのタピオカを店舗でレンジアップをしたり、湯煎にかけて戻してからミルクティーなどのドリンクに入れることが多かったと思います。しかし今は輸入した乾燥タピオカを約1時間かけて仕込んでいるためタピオカ特有のモチモチ食感を実現しています。
−−今回のタピオカブームはいつ頃からですか?
2018年の春頃から人気に火が付き始めましたが、今回がタピオカ第3次ブームだと思います。きっかけは台湾ブームが大きいでしょう。以前に比べて台湾旅行が身近になりました。現地で飲んだタピオカミルクティーが美味しかったので、日本でも飲もうという方が増えたのだと思います。
−−Gong chaのタピオカミルクティーの特徴は?
Gong chaは台湾南部の都市・高雄で2006年に誕生。日本に上陸したのは2015年になります。上質な台湾ティーをお客様に楽しんでいただきたいというのがコンセプト。お茶そのものにこだわっており、茶葉の風味をしっかり味わえるのが特徴です。
タピオカブームの火付け役は台湾か?韓国か?

このようなデータもある。全国修学旅行研究協会によると、2016年度の日本から台湾への修学旅行生は4万1878人(262校)、2位の米国(ハワイ、グアム、サイパン含む)が3万6661人(254校)、3位のシンガポールは1万9286人(142校)。
2006年度の台湾への修学旅行生は3552人で、10年で10倍以上に増加。日本から近いこと、国際的に友好関係にあるという面を考慮しても台湾人気は絶大である。台湾旅行をきっかけに本場のタピオカミルクティーを飲み、日本の店舗に足を運ぶケースも大いに考えられる。
ただ取材を続けていく中で別の説が現れた。30代の女性にタピオカミルクティーについて伺うと「タピオカミルクティーって台湾ブームが火付け役みたいに言われていますけど、韓流ブームが大きいと思います」という話をされた。
本当なのだろうか。取材をしたGong chaだが、実は日本よりも早く韓国でブレイク。台湾の企業であるGong cha(韓国では「貢茶」)は、日本に出店する3年前、韓国に上陸し、ソウルの弘大(ホンデ)に韓国1号店をオープン。一瞬で人気となり、2013年10月には韓国内で100店舗達成。2014年6月には200店舗、2015年4月には300店舗と恐るべきスピードで店舗数を増やしている。
一方、日本はこれだけのタピオカブームにもかかわらず、Gong chaが今年(8月1日時点)日本に出店したのは13店舗。計画では今年の年末までに50店舗に拡大するという。出店するペースでいえば、日本は韓国よりも遅い。
Gong cha koreaの2018年の売上高は1340億ウォン(日本円で約117億円)で、2016年比で倍増。今年は1800億ウォンとさらに伸びる見通しだという。
こうした現状を考えると、韓国旅行の時にタピオカミルクティーを知り、帰国後、日本で再びタピオカミルクティーを楽しむ人が多いとも推測できる。
台湾人気、韓国人気が日本でのタピオカブームを後押ししたと考えると、アジアを中心としたグローバルな盛り上がりである。そしてこの盛り上がりはすでに海を渡り、欧米まで浸透し、カップの底に沈んだタピオカが泡のように見えることからバブルティーと呼ばれている。アメリカやイギリスでもチャイナタウンを中心に販売されており、オーストリアのマクドナルドでは2012年からバブルティーが販売されている。
あの白いタピオカはどこへ行った

タピオカの原料はイモの一種であるキャッサバ。キャッサバから抽出したでんぷんの粉を丸く固めて、熱湯で煮るとタピオカとなる。タピオカはドリンクばかりが注目されるが、ミスタードーナツのポン・デ・リングの原料にも使われている。あのモチモチとした食感はタピオカによって生まれているのだ。
ポン・デ・リングはなぜあんなにモチモチ食感なの?とご質問をいただきましたので、みなさんにご紹介。
— ミスタードーナツ (@misterdonut_jp) October 20, 2010
ポン・デ・リングのモチモチ食感は、タピオカでんぷんを使用しているからなんです。それがあの独自の食感を生み出しています。
キャッサバから抽出された時点ではタピオカは白い。これにカラメルなどで着色したのが現在の黒いタピオカである。有名店の中にはカカオで着色しているケースもあるという。
取材をした「Gong cha」の広報・後藤さんも「今は輸入した乾燥タピオカを約1時間かけて仕込んでいます」と話す。つまり前回ブームの時のタピオカは食感だけを楽しむものだったが、今回は食感だけでなく味も楽しむというわけである。
タピオカブームは今後どこへいくのか。この夏だけでも都心から少し離れた我が家の近所にも徒歩圏内に専門店が2店舗生まれ、週末になると行列ができている。台湾・韓国から火が付いたブームは都心部から地方へ波及。都会でなければ食べられないもの、飲めないものではなくなったタピオカだが、今後は玉石混交の専門店の中からお茶の美味しい店が生き残るだろう。
その証拠に今回取材をした「春水堂」「THE ALLEY」「Gong cha」「一芳」はタピオカではなくお茶=ティーの専門店。あくまでお茶がメインというわけだ。次にどんな飲み物がブームになるのか。その時はまた飲み比べようと思う。



