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高田文夫、『全裸監督』に「ナイスですねぇ」「山田孝之凄すぎ」

高田文夫が話題の『全裸監督』を語る

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、大評判の『全裸監督』(Netflix)鑑賞から同時代を生きた思い出、日大芸術学部の学生時代に残した江古田伝説について語る。

 * * *

 近頃は業界の連中が2人、3人集まれば「『全裸監督』見た?」「凄いね、あれは」これが夏の終わりのご挨拶。どうやって見るんだ? NETFLIXってなんだ? テレビ朝日が昔はNETと言ったよな、確か。ン? 関係ない? 大昔からレギュラーで喋っているニッポン放送で言ったら不憫に思ったのだろう、「実は見てない連中もいるので、皆で試写会をやりましょう」てなことになり、局の会議室を借り、昼日中に10人の大人が集まってソワソワドキドキ。なんだか大昔、熱海の温泉へ行ってブルーフィルム上映会をやった時のよう。
 『全裸監督』だと言うので、もちろんこちらも失礼のないよう全裸作家となって観賞。

 私と同い年(1948生)の村西とおる監督の濃すぎる栄枯盛衰の半生を、金をかけて見事に描ききった8作(なんと噂によると、シーズン2が作られているとか)。1980年代、そしてバブル期のみごとなドキュメントともなっている。まさにその破天荒ぶりがナイスですねぇ。女神、黒木香との出会い。ビニ本自販機、モザイクをバターやらマヨネーズで消す若者達、AV誕生。名作『SMぽいの好き』。

 村西を演じる山田孝之がこれまた凄すぎ。これだったら「前科7犯、借金50億、米国司法当局から懲役370年求刑」と言われても納得がいく。

 今はスマホで簡単に小学生でもエロ画像を見られる時代。私の青春時代まで(という事は村西が立ち上がるまで)エロを入手するのが本当に困難だったのだ。エロの大時化(しけ)時代だったのだ。

 我々はやっぱり基本はストリップ。神田松之丞(来年2月、伯山襲名で真打)から手紙と浅草ロック座の入場券6枚が送られて来た。「突然立候補してそっと落選した87歳の野末陳平先生をまた立たせてあげて下さい」とあったので仲間と陳平先生を誘い浅草へ。何の選挙運動もしないで9万1000票を集めたのは凄い。ロック座、出ベソのかぶりつきに陣取る翁。「百物語」と題したそのステージは文学的。3時からの回だというのにほぼ満員。

 美しき姿を見てまだ明るい表へ出れば、後ろから駆け足で若者が。「今の舞台の演出を担当した者です。松之丞さんと高田センセが交互に来るときいてたもんで……ひとつ聞いていいですか。僕も日芸出身でゼミの先生がいつも“昔、学園闘争の時代にロックアウトして、たてこもった仲間のためにストリップを呼んで、癒やしたのが、今のあの高田文夫だ。そんな状況でもエンタメを供給したんだ”って。あれは都市伝説ですか?」

 ちっちゃな江古田伝説だ。

◆イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2019年9月20・27日号

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