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【読書感想】売上を、減らそう。

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 なるほどなあ……
 佰食屋にはメニューが3種類しかないので覚えることが少ないし、一日100食だけ売ればいいので、店頭での呼び込みや、お客さんに「今日のおすすめ」をセールストークする必要もない。

 ストレスは少ない職場ではあるけれど、新しいことをどんどんやりたい、自分を職業人として成長させたい、という人には物足りなさもあるだろう、と著者は考えているのです。

 「野心」があって、どんどん働いて、成長していきたい、という人よりも、「決められたことはきちんとやれるけれど、創造性や積極的に立ち回ることを求められるのはつらい」という人のほうが、会社と働く人の互いのニーズに合っていて、いい関係を築いていける。

 飲食サービス業は人手不足が深刻なのですが、この本を読むと、「日本の経営者は、仕事の内容を考えるとオーバースペックの『いい人』を求めすぎている」ような気がしてきます。
 これは、お客の側も、店員さんに求めるサービスの質が高すぎるのも原因なのでしょうけど。

 仕事の内容をなるべくシンプルにして、余裕をもって働ける環境づくりをすれば、「働きたい人にとってのハードル」が下がり、店にとっても「働いてもらえる人」の選択肢が広がるのです。

 働く側だって、「成長したい人」ばかりじゃない。
 給料はそんなに上がらなくても、「ストレスが少ない仕事で、早く帰れて、のんびり暮らせたほうがいい」。

 読んでいると、災害時に数カ月で経営危機になってしまうのは、やはり「成長を捨てていて、原価が高いし、社員の数にも比較的余裕があるので、会社の資産的な余裕が乏しい」のではないか、とは感じましたし、『佰食屋』がうまくいったのは、看板メニューのステーキ丼の商品力が高かったことに尽きるのではないか、とも思うのです。

 真似できそうで、けっこう、真似するのは難しいのではなかろうか。
 それでも、「成長至上主義」を捨てる、というのは、これからの新しい潮流になっていきそうな気がします。


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