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最近の「ひきこもり」にかかる取材を控えていた理由

一時に比べてメディアの(中高年)ひきこもりにかかる報道が落ち着きました。内閣府の調査で中高年齢でひきこもり状態にある方が61万人と発表され、いくつかの事件に「ひきこもり」が絡んでいるとされました。

たくさんの取材依頼がありましたが、広報と議論してほとんどの取材をお断りしました。その間、多くの識者や(元)当事者の方々がメディアで質の高い発言をされていたと思います。

私たちが取材を控えていた理由は、やはり、限られた時間や文字数の中、どのような家族関係や家庭状況かわからないなかで、処方箋を出すようなことは難しいと考えたからです。

僕自身はあまり講演をすることがなくなりましたが、ご家族ができることを語るような場合には、できるだけ「事例によって異なるので、ある事例に有効であったことが、他ではネガティブに働くことがあります」と前提を置いてきました。

それだけ事情や状況が変れば、対応や活用する制度なども異なります。当たり前のことですが、追い詰められている方にとっては、仮にそれが大きく間違った助言でも、それを実践したくなるというのは理解できます。

余談ですが、テレビに関してはいまやほとんど取材協力はしていません。たくさんの「当事者出演」の依頼をいただきますが、出演する個人にとってよいと思われることはないからです。むしろ、将来的なリスクしか思い浮かびません。

メディアの方(および視聴者)にとって、可能であれば実名顔出し、自宅も撮影というお気持ちはわからないでもないですが、僕らの「紹介」によって、ご本人がそのときOKしたとしても、その先の心境変化や実害まで責任を負うことはかなり困難です。

逆に、ご取材を受けられている方のなかには、本当によいお話をしてくださる方も多く、その行動に敬意を表しています。

さて、そういう状況だからと言って、私たちは何も発信または情報提供しないというわけではありません。いまもご家族からの相談は増え続けています。80代の保護者から50代のお子さんの相談もあれば、最近では、30代、40代のご家族から小中学生のお子さんのご相談まで幅広く問合せが増えています。海外に在住の日本人家庭からの相談も多く出てきています。

そんななかで、個別相談は一番やりやすいのですが、ご家族や当事者にとって、相談をするというのは大変困難なものだと考えています。そもそも「相談をする」というのはハードルの高い行為です。他人ならなおさらです。

戸惑うひとこそ「まずは相談」が難しい(工藤啓)-Y!ニュース

個別に相談するのは難しい。それでも、何か情報を取ろうとすれば、インターネットが一番かもしれません。もうひとつは、誰もが参加可能でなセミナーなどのイベントではないかと考えています。

※育て上げネットのメルマガで配信しております。

そのため、自治体が中心ですが、家族向けのセミナー・イベントは積極的に引き受けています。また、自分たちでも毎月セミナーを開催しています。

家族向けセミナー(9月/10月)
家族向けセミナー(10月/11月)

あまり頻度は多くありませんが、ゲストを迎えてのセミナーも開催しています。今年度に入ってから、さまざまな「ひきこもり」にかかわる情報が増えたとき、私たちが最初に考えたイベントが筑波大学教授で精神科医の齋藤環先生をお招きすることでした。

その企画が形になりましたのでご紹介いたします。公開から数日で半数ほど埋まっておりますので、もしご興味ありましたらご参加ください。

※基本的にはご家族に向けたイベントです。多くのお問合せをいただいておりますが、ご家族にかかわる援助職や教員、研究者の方々でもご参加いただけます。


わが子のひきこもりを長期化させないために-家族ができること-

わが子が「ひきこもり」ではないか?と悩まれるご家族とお話をすると、「どう接すればいいのか?」、「この状態がいつまで続くだのだろう?」と不安でいらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

今回は「ひきこもり」診療の世界的な第一人者である斎藤環先生(精神科医・筑波大学医学医療系社会精神保健学教授)をお呼びして「ひきこもり」という状態や、また、家族はどうするといいのかについてお話しいただきます。
講話のあとには「ひきこもり」を経験した若者が登壇するパネルディスカッションでは、その当時のお話や親との関係についてもお話しします。わが子への接し方のヒントを得る機会としてぜひ足をお運びください。

<講演内容>
斎藤環先生講演
「ひきこもりのわが子の理解・接し方について」
パネルディスカッション
「ひきこもり経験者に話を聞く~本人の気持ち~」
(登壇者:斎藤先生・ひきこもり経験者・結スタッフ

<講師紹介>
斎藤環先生
精神科医・筑波大学医学医療系社会精神保健学教授
「ひきこもり」診療の世界的な第一人者。筑波大学を卒業後、稲村博先生に師事。民間の精神病院で豊富な臨床経験を積んだ後、現在では筑波大学社会精神保健学で教授を務める。医学的な側面だけでなく社会学的な側面も含めた多くの著書で知られている。

子どもの将来相談窓口「結」
「わが子」が動きだせないとき、身近な存在である保護者やご家族が支援機関とつながることが重要です。
効果的な接し方・伝え方を学びながら本人と社会がつながる後押しをしていく会、それが結[ゆい]です。
本人が動き出した後、継続させる応援方法も学びます。

<実施詳細>
会場:ワイム貸会議室立川(JR立川駅より徒歩3分)
対象:わが子のひきこもりに悩むご家族
定員:50名
*先着順。定員に達したところで締め切らせていただきます。

<お申込み>
お申し込みはこちらのサイトよりお願いいたします。

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