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"ポスト安倍"の岸田氏は「改憲いじめ」で脱落か

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■岸田氏も「岸田派」も、憲法改正には積極的ではない

しかし岸田氏を取り巻く状況は、盤石ではない。7月の参院選では岸田派の現職4人が落選。党内の地位は相対的に低くなっている。本来ならば党三役の一角である政調会長職を奪されてもおかしくない。その岸田氏を留任させ、しかも憲法改正論議の仕切り役という重責を担わせる。

岸田氏は、名誉挽回と「次」への足掛かりをつかむため、憲法改正に向けて全力を挙げるだろう。そこまで読み切って安倍氏は岸田氏を起用するのだ。

それにしても、当の岸田氏にとっては「つらい重責」となる。先にも触れた通り、岸田氏も岸田派も、憲法改正には積極的ではない。反対ではないが優先順位は高くない。特に9条に自衛隊を盛り込む改正については派内で慎重論が根強いのだ。派内の反対を押し切って改憲を進めるのは本意ではないだろう。

■見ようによっては「安倍氏の岸田氏いじめ」だ

さらに根源的な問題がある。初の憲法改正は大変な難事業だが、これを実現した場合、その功績は誰のもとにいくのか。岸田氏がどれだけ頑張っても「岸田改憲」とは言われないだろう。間違いなく「安倍改憲」だ。岸田氏は安倍氏の引き立て役に回ることになってしまう。

それだけならまだいい。岸田氏は「安倍改憲」に協力することで、安倍氏から禅譲を目指すのだが、それも怪しい。改憲を実現すれば安倍氏の求心力はさらに高まることが予想される。「改憲」は安倍氏が勇退する花道ではなく「4選」に向けての入り口になる可能性も出てくるのだ。

そう考えると岸田氏の「憲法担当」はどちらに転んでもうま味のない仕事。うまく仕切れなければ政治生命を絶たれかねない。首尾よく改憲まで進めたとしても安倍氏を利するだけで、自身が首相の座に近づく保証は何もない。見ようによっては「安倍氏の岸田氏いじめ」ともいえる。

岸田氏は自身の処遇について「具体的な人事は首相が判断される。新しい時代においても私も宏池会(岸田派)の一員としてしっかり働くことができるポストを頂ければと願っている」と語るのみ。慎重居士らしく、言質を取らせない発言に終始しているが、当然ながら憲法担当となった時の苦難を、あれこれシミュレーションしていることだろう。

(プレジデントオンライン編集部)

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