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「U18敗北」でわかる日本型経営の“致命的欠陥”

U18の選手たちの奮闘ぶりには頭が下がった。外野手は2年生2人しか選ばれておらず、内野手は7人選んだが、その内6人が遊撃手で、しかもいずれも右投げ左打ち。一塁手からも、二塁手からも、「誰も」選ばれなかった。

わかりやすい例でいえば、履正社の外野手・井上、桃谷という高校球界を代表する右のスラッガー二人も選ばれていなかった。「全国制覇のチームから1人も選ばれていない」という異常さは、最後までU18の試合に暗い影を落とした。

それはそうだ。ジャパンの外野を右投げ左打ちの遊撃手、あるいは本来はピッチャーの選手たちが「守った」のだ。もちろん専門ではないため、肝心の場面ではミスが出る。一塁も「初めてファーストミットを使った」という選手が守り、エラーをしても誰が責められよう。

不慣れなポジションを選手たちは、必死で守った。日の丸を背負った選手たちの懸命な姿は観る者に大きな感動を与えてくれた。「ありがとう。ご苦労さまでした」と言葉をかけさせてもらいたいと思う。

だが、今回も過去の教訓を生かせなかった高野連やU18の首脳陣には厳しいことを言わせていただきたい。「あなたたちは、どこまで野球を舐めているのだ?」と。

結果的に台湾戦で相手の決勝打となった左中間の大飛球。外野が専門でない選手は、どうしても打球を「まわり込みながら」追ってしまう。本職の外野手なら瞬時に落下地点を予測して、そこに向かって「真っすぐ走っていく」が、それができないのは当然だろう。

この一打を捕れなかったことで日本は台湾に手痛い敗北を喫する。また韓国戦でも三塁手のワンバウンドの送球をこれまでファーストミットを使ったこともなかった急造一塁手がうしろに逸らし、痛恨の同点にされてしまった。

不慣れなポジションを一生懸命守っていた選手を称(たた)えこそすれ、これらを指摘することは酷だろう。新聞は「拙守拙攻」と書いたが、それを生んだのはすべて高野連である。

私は、一昨年のU18ワールドカップ、昨年のアジア選手権を思い出す。いつも左打者を並べる日本は、韓国や台湾の左腕投手に苦もなくヒネられた。台湾では「日本はほとんど左のオーダーを組んでくるので、左打者の膝元へのストレートと外角から外に逃げるスライダーを持っている左投手を起用すれば勝てる」というのが“常識”になっている。

そのとおり、昨年は韓国と台湾の左投手にきりきり舞いさせられ、そのうち1試合は2安打しか打てなかった。それらを「教訓」にすることもなく、今年もわざわざ右投げ左打ちの遊撃手を6人も選んだのだ。案の定、昨年に続き日本は同じ台湾の左腕投手に抑え込まれた。

日本の高校野球のレベルは世界一である。大学、プロ野球と上がるにつれアメリカに逆転されてくるが、高校野球は間違いなく世界一のレベルにある。しかし、アメリカがワールドカップで4連覇しているように、日本はどうしても優勝することができない。なぜか。

答えは簡単だ。世界一になれるようなチーム構成をしていないからである。そして、世界一にふさわしい首脳陣をつくれないからである。

では、日本はなぜいつもそんな失敗をくり返しているのだろうか。これも答えは簡単だ。高野連の「独善体質」である。

監督が選ばれる過程も、理由も、記者たちは知らない。なぜ報徳学園の元監督である人物がU18の監督になり、こんな左打線を昨年も、今年も、組んでいるのか。いま広島カープで活躍している報徳出身の小園海斗選手のような右投げ左打ちの遊撃手が「個人として」好きだとしてもいい。

だが、ジャパンには、国の威信をかけて立ち向かってくる各国代表チームのあらゆる戦略を想定し、勝ち抜いていかなければならない宿命がある。しかし、不慣れなポジションを守り、左打者がずらりと並ぶ打線では、相手は必ずその歪(いびつ)なチーム構成、つまり“弱点”を突いてくる。そこに国際大会の厳しさがある。

なぜそんなチームをつくる人物が監督に選ばれたのか。そこには、高野連の“陰の天皇”と称されるある理事の存在が取り沙汰されている。影響力のある一人の人間の鶴の一声で「U18の監督をはじめ、さまざまな人選や方針が決まってしまう」という高野連の悪しき体質である。

「佐伯天皇」と呼ばれた高校野球のドン・佐伯達夫高野連会長が亡くなって39年。すべてを佐伯会長が決めてきた“悪しき伝統”は今でも引き継がれている。そして、それを強力に推進するのが、春夏の甲子園大会を主催し、高野連の副会長職を占めている朝日新聞と毎日新聞という存在である。

マスコミの批判を許さず、「独善」と「驕り」に満ちた高野連は球児たちの無償の奉仕をもとに「純資産17億円」を貯め込み、国民の批判などどこ吹く風だ。来年も、実績を無視した不透明な選考で監督が選ばれ、また左打者ばかりを集めて不慣れなポジションを守らせるU18がつくられるだろう。

一人の人間の意向だけですべてが決められ、独善に陥るのは日本企業の特質でもある。U18が選手たちの奮闘にも関わらず敗れ去ったのは、選手たちではなく、一人の権力者がすべてを牛耳る「日本型経営」の致命的欠陥ゆえかもしれない。

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