- 2019年09月08日 09:15
「すぐ殴られる」国士舘高剣道部のスクハラ体質
1/3剣道の名門校・国士舘高校で、高校3年生の剣道部主将が監督の執拗なハラスメントで適応障害に追い込まれた。学校は監督を半年間の謹慎処分としたが、保護者らは猛反発している。半年後には剣道部の監督と寮の舎監として復帰する見込みだからだ。監督は親元を離れて寮生活をする生徒たちを暴力と暴言で支配していた。剣道の名門校で起きたスクールハラスメントの実態をリポートする――。

■「大学で剣道を辞める人間に教えようと思わない」
東京都世田谷区にある国士舘高校の剣道部は、都内でトップクラスの強さを誇る名門だ。2018年度の春と秋の東京都大会では、男子団体でそれぞれ優勝している。
今年、男子の主将を任されたAさんは、関西の実家から寮に入って、仲間とともに全国制覇を目指して努力を重ねてきた。Aさんの高校生活が一変したのは今年4月22日。剣道部の監督、部長と、高校卒業後の進路について相談した三者面談がきっかけだった。
国士舘高校の剣道部では、そのまま国士舘大学の体育学部武道学科で剣道を続ける卒業生が多い。しかしAさんは「警察官を目指して、法学部に進学して勉強したい」という自分の考えを伝えた。将来のことを十分考えて出した結論だった。
しかしこの日を境に、Aさんに対する監督の態度は明らかに変わっていった。
面談から5日後、国士舘高校の剣道部は関東大会の予選が行われ、団体の決勝まで勝ち上がっていた。Aさんは決勝戦に出場したが引き分け。結局、国士舘高校は敗れてしまった。その夜、Aさんは、監督の部屋に呼ばれて、こんな言葉を浴びせられた。
「今日の試合を見て、違うチームの試合を見ているようだった。逃げて逃げて、お前の生き方とか進路の決め方と同じだろ。大学で剣道を辞める人間に剣道を教えようとは思わないし、即刻辞めてくれ。他の人は一生懸命やってるんだから、遊びでやるようなやつは邪魔だから辞めてくれ」
■だれにも相談できず、精神的に追い詰められていった
この日以降、Aさんに対する監督の態度は厳しさを増していった。5月の大型連休に行われた遠征で主将のAさんは、学校を代表する「Aチーム」ではなく、控えの「Bチーム」で試合に出ることになった。その理由を聞くと「お前が大学で剣道をしないから」といわれた。
5月中に行われた他の試合にも出場できなかったため、Aさんは監督に「試合に出させてください」と申し出た。すると、「お前剣道辞めるんじゃないの? 辞める人間が何言っているの?」と突き放された。
この少し前にAさんは、携帯電話を没収されていた。その理由は、昼休みに校内の売店で食べ物を買うところを監督に見られたことで、禁止されている自習室での飲食を疑われたことだった。剣道部では、Aさんだけでなく、ほかの多くの部員もさまざまな理由で携帯電話を没収されている。このため部員たちは保護者との連絡手段は断たれている状況だった。
その後もAさんは、監督から何度も「邪魔だ」「辞めろ」と言われ続けた。食欲が減り、眠ることもできなくなっていった。だれにも相談できず、精神的に追い詰められていったと考えられる。
■「お前に今後なんてねえから。辞めろよ」
限界がきたのは6月だった。6月4日、Aさんは翌日の朝稽古の予定を監督から聞いていなかったため、消灯15分前の午後10時45分に監督の部屋を訪れ「明日は朝稽古でよろしいでしょうか」と聞いた。それに対して監督は激昂した。
「俺が予定を言わなかったのが悪いのかよ。何で今なんだよ。お前、自分の都合でしかやってないよね。本当に辞めてくれる。主将とかの器じゃないから。周りに迷惑をかけるだけだろ。もうお前クビ。辞めてくれていいよ」
他の部員の証言によると、監督は消灯時間を過ぎた後も、外に響くような大きな声で怒鳴り散らしていた。その間、Aさんはずっと正座させられていたという。翌朝、Aさんが謝罪に行くと「お前に今後なんてねえから。辞めろよ」と監督から言われた。これはどういう指導なのだろうか。
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