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スマホやゲームを禁じられ、追いつめられる子供もいる



9月1日発刊された拙著『21世紀の「男の子」の親たちへ』(祥伝社)は、ジェンダー、グローバル社会、AI時代、民主主義などをテーマに、これからの子育てにおいて親こそ意識を変えなければいけない部分を指摘した一冊です。そのなかから、ぜひ多くのひとに読んでもらいたい箇所を抜粋してここに掲載します。立ち読み気分でご覧ください。

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武蔵の加藤十握先生は、スマホやゲームそのものが子供たちを堕落させる諸悪の根源とは限らないと指摘します。

「『うちの子、朝起きられなくて、毎日叩いて起こして追い出しているんです』という親御さんもいます。でも、本当に起きられない状態になってしまっている子もいると思うんです。逃げ道がなくなってしまっている場合があります。起きられないという症状だけではなくて、スマホ依存にしてもゲーム依存にしても、そうせずにはいられない状態にまで追いつめられてしまっていることがあるんです。ルールを設けて従わせれば表面的には依存をやめさせることはできるかもしれませんが、そのような状態になってしまう背景に目を向けなければ、本質的には何も変わらないんです」

何か別の心的原因があって、結果としてゲームやスマホに逃避する構造があるということです。

「たとえば武蔵ではたくさんレポートを書かせます。提出が遅れて溜めすぎて借金過多になってしまうと、逃げ道がなくなって、本人の意思とは関係なく、心も体も動かなくなってしまうということがあります。成長の過程で生じる”穴”というんでしょうかね、そうした穴に自分から入ってしまうことがあるのです。そうすると、人間関係がうまくいかなくなったり、興味や好奇心が縮んだりします。不安で閉じこもってしまうんですね。そこでスマホを取り上げたり、インターネットへの接続を禁止したりすることは、彼らにとって残り少ない居場所を奪ってしまうことになりかねない。そういう視点は必要だと思います」

要するに、現代のスマホの問題は、本質的にはスマホの問題ではないのです。現実と向き合えなくなってしまった子供たちが、昔なら家出をしたり、不登校になってしまったりしていたものが、現在はスマホの世界に逃避するという行動パターンに変わっているということです。スマホが逃げ場になっているという指摘です。

だとすれば、逃げ場を奪われた子供たちはますます追いつめられてしまいます。子供たちが何から逃げているのかを、大人たちが理解しなければ本質的な解決にはならないと加藤先生は言うのです。

そんなとき、親としてはどう対処すべきなのか。

「そんなときにはすべてをうまくやらせようとせず、『これだけでも頑張りなさい』と、ポイントを絞ってあげることが突破口になることがあります」

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