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カジノ誘致に積極姿勢のオリックス 大阪・夢洲のIR戦略


オリックスの井上亮社長(66)


オリックスが企業連合の相手候補に挙げる米MGMリゾーツのジェームス・ムーレン会長

 オリックスといえば「リース会社」や「オリックス・バファローズの親会社」というイメージを抱く人が多いかもしれない。しかし、現在の事業領域は不動産、自動車関連、環境エネルギーなど広範囲にわたる。同社の多角化を牽引する井上亮社長(66)に、これからの成長戦略を訊いた。

【写真】夢洲でのIR構想を提案するMGMリゾーツ

──オリックスはIR(カジノを含む統合型リゾート)に積極姿勢です。

井上:大阪の夢洲(ゆめしま)にIRを誘致できるかはまだ決まっていませんが、入札には参加する予定です。入札して事業者認定を受けるまでには、さまざまな手続きや多くの費用がかかるようですが、総額1兆円規模のビッグプロジェクトです。

 当社は米国のMGMリゾーツ・インターナショナルや、関西に本拠を置く複数の企業とコンソーシアム(企業連合)を組んで、夢洲への誘致実現に貢献したい。

 MGMの首脳と意見交換をしたところ、「中国や中東などから富裕層を十分に呼び込める。勝負はレジャー施設の充実。リゾート内エンターテインメントをしっかり構築して、連泊するお客様を増やさなければいけない」と話していました。

 当社は大阪発祥の会社ですし、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港を運営する関西エアポートに中核企業として参画し、関西3空港の一体運営に取り組んでいます。この地の利を生かして、訪日外国人が夢洲にやってくるためのアクセス充実を図りたい。

 たとえば関西空港からは高速フェリーで夢洲まで来られるようにしたり、神戸空港からはプライベートジェットのハブからヘリコプターで夢洲にお越しいただける──といったことができるようになれば、より国際競争力のあるIR事業が可能になるはずです。

──その他、今後の有望ビジネスは?

井上:当社の強みは既存事業に拘泥することなく、今後伸びていく見込みのある業界に打って出ていくだけの幅広さを持っていることです。

 グループには、たとえばカーシェアなどモビリティサービスを手がけるオリックス自動車、個人向け金融分野ではオリックス生命保険にオリックス銀行。それに、ドローンや産業用ロボットなど多種多様な機器のレンタルサービスを手がけるオリックス・レンテックなどがある。

 特にレンテックは大きな可能性を秘めており、格好よく言えば「BtoBのアマゾンになれるぞ」と社内では言っています。

 IoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)の技術を使って、お客様のニーズに合わせながら機器を用意し、資産の入れ替えもしていく。これが高次元でできれば夢ではないかもしれません。

──東京五輪後の不況を心配する声もあるが、オリックスはどう考える?

井上:ドスンと大きな景気後退局面が来ることは、当社にとって逆にチャンスだとも考えている。当社には、マーケット価格より安く企業や事業に投資して、付加価値をつけて再生するというビジネスモデルがある。いったん調整局面が来ないといい買い場も来ません。

 私は事業への投資や譲渡など資産の入れ替えには積極的なタイプです。投資した事業や企業が成長し続けている間は継続保有し、オリックスによるバリューアップがピークだと判断したら、株式上場や他社への譲渡などを考えるといった経営方針で、これからも臨んでいきます。

【PROFILE】いのうえ・まこと/1952年、東京都出身。中央大学法学部卒業後、1975年オリエント・リース(現オリックス)入社。2005年執行役、2006年常務執行役、2009年専務執行役、2010年取締役兼執行役副社長、2011年取締役兼代表執行役社長・グループCOO、2014年から取締役兼代表執行役社長・グループCEO。

●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2019年9月13日号

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