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香港情勢にみる中国共産党の本質

 連日のように世界中で香港の情勢が報道されています。我が国においては日韓や韓国の混乱の方が注目されているきらいもありますが、国際政治的には、そして我が国の国益のためには、より深刻なのが中国問題であることは多くの方々が認識しているところだと思います。

 1997年にイギリス領であった香港が中国共産党が支配する中国に引き渡されてから、50年間は、一国二制度の中で高度な自治が保証されるという約束がイギリスと中国の間で交わされていたわけですが、20年が経って徐々にその状況が骨抜きになっている事案が散見されています。

 まさにそのことが、この何年も継続的に頻発している香港市民による抗議活動の本質です。私が以前訪れたウイグルにおいても、中国共産党が、9.11テロなどを口実にして、中国共産党の支配からの脱却を求め自らに従わない者に対して「テロリスト」や「暴徒」とのレッテルを張り、情報を一切オープンにしないまま弾圧を繰り返し、一般市民への監視を強め共産党の一党独裁体制を強化してきたということが指摘されています。そんな中国共産党の本質でもあるいつもの手口が、今回の香港でも見られたところです。

 唯一異なっていたのは、香港が伝統的に開かれた国際都市であるがゆえに、その本質がメディアなどを通じて世界に漏れ伝わってきたという点です。代表を選ぶプロセスや、保障されているはずの言論の自由が守られないことへの不安、不信。イギリスとの間の国と国の間での約束、取り決めを守ろうとしない中国共産党の影響力が高まることへの不信感が今回の香港での運動の引き金ですし、中国共産党の強権的な対応を見ていれば、この問題が中国共産党側においても相当深刻に受け止められていることは容易に推測できます。

 2017年の中国共産党第19回全国代表大会以降、香港、台湾などに対する言動や行動のステージが明らかに変わってきているとの見方は、私もかねがね様々なところで申し上げてきたわけですが、依然として極めて高頻度で行われている尖閣諸島の領海や接続水域への中国公船による侵犯、東シナ海ガス田における二国間合意違反の一方的な開発の強行など、我が国としても直接的に国益にかかわる問題です。

 古今東西、どの国においても、外交政策が国内政治情勢の影響を受けることは歴史が証明しています。そして中国のような独裁国家においては、トップリーダーが選挙で民意に選ばれたという正統性を持ちえないために、自らの政治生命、場合によっては本当の生命のために強硬な外交に訴える可能性が高いというのもまた事実です。

 中国の状況を冷静に見極め、アメリカやオーストラリア、イギリス、台湾、ベトナム、インドなど、価値や戦略を共有する国々と連携を有機的に深めていくことが、中国の暴発を防ぎ、東アジアの地域の安定や平和を保つためには不可欠です。次の世代に責任を持つ政治家として注視していきたいと思います。

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