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小泉進次郎氏の「育休」への疑問 これが「育休」の普及につながることはない

 小泉進次郎氏の育休宣言に何がしかの賛同の声があるようです。その意味は、国会議員が率先して育休をとれば、育休そのものが一般に拡がるから、というもの。

 本当?

 私が小泉氏の育休に疑問を述べましたが、
小泉進次郎氏が育休に異議あり 国会議員は国民の負託を受け議員活動をする存在
 色々とご批判があるようです。でもどれもあまり説得力のある批判はありませんでした。

 そもそも国会議員は会社員ではありませんから、育休という概念など存在し得ません。自らの責任において議員活動を行うものであり、義務で勤務する会社員とは全く異なるからです。
 議員においての育休とは、こうした議員活動を一定期間、休止すること。あるいは日常生活において育児に比重を大きくすることでしょうか。

 議員が育休だと言って議員活動を休止することの意味がわかりません。私が国会議員の育休に批判的な意見を述べたら、24時間、議員活動するわけではない、なんていう意見もありましたが、批判がずれています。普通は仕事と家庭(育児)の両立を考えます。議員であればなおさらのこと、その「両立」を考えるのではありませんか。

 国会議員はあくまで国民の負託を受けて議員としての職責を果たすものです。就職口の1つみたいに考えられたら、たまったものではありません。
 少なくない家庭で、収入確保のためには育休ではなく、子どもを預けて働きに出ています。

 そういうことからみれば、国会議員って特権階級ね、としか見えなくなります。国会議員が育休について云々するなら、まずはその制度を作るのが職責なのに、自ら育休では職責からの逃避でしかありません。あるいは単なるおサボりです。

 議員活動ができない、だからしなくていいというのでは話になりません。制度として考えるなら、育休期間中の議員に代わり、議員代行(その間は、休止なんだから国会議員としての身分も停止、それに伴い議院への出席権や役員報酬も停止)が職責を果たすというのであればまだわかりますが、単にその議員が休暇を取るって違うだろうということです。

 議員と会社員の違いが理解できないで発言している人たちには少々、閉口させられます。自分で立候補して、議員としてこうしたことを実現します、として得票で多数であったから当選した身です。しかし、当選したら育休ですからと議員としての活動はしないのは国民の負託への放棄です。
 当該選挙区の有権者の意思なんて矮小化しないでくださいね。国会議員は憲法上も「全国民」の代表として位置づけられているのですから。

老害弁護士ですか、おもしろいですね。


 それにしても、議員が育休とれば、育休取得が一般化するなんて、どう考えたらそんな発想になれるのか私には不思議です。「育休は当然だ」みたいな思考停止ってまさにアベノミクスみたいな発想と同じです。

 中小零細企業で育休なんて私は無理と述べましたが、実際にどうやって実現するのでしょう。足りない人材は派遣で賄いますか。大分、コストが上がりますが、それは企業負担、それとも広く薄く賃下げしますか。

 みんなが育休をとることが一般的になるようになんて低所得者層には無理ですから、手当等で足りない分は生活保護費で補填しますか。

 日本国民みんな(といっても労働者だけですが)が育休なんて、そこに空いた分を今の日本の生産力で支えられますか。

 まずは日本社会全体で支えます、そのための税金支出を容認します、という前提がなければ何の意味もありません。

支えるのは誰か




 結局、国会議員が、公務員が、と育休も結構ですが、現状はどうみても一部の層の特権でしかなく、一般に拡がるなんて妄想です。
 パンを寄越せと言っている人たちに、パンがないなら何故、お菓子を食べないのと言っているようなもので、現実は育休は特権層のもの。
 そうした現実を無視して、上が育休をとればなんていうのは暴論以外なにものでもありません。

 現実的には、子育て支援といのであれば保育園、幼稚園も含めた教育の無償化こそ最優先すべきことだと思うのですが。消費税ではなく、法人税、累進課税の強化によってです。

 他方で外国人材の分野では、労働力が足りないからという理由で若い外国人労働力を入れようというのに、家族滞在を認めないという非人道的な制度を導入し、外国人労働者は独り身の境遇においてこき使いながら、日本人は育休を満喫し、という今の日本社会の姿が歪んで見えて仕方ありません。

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