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村西とおる監督、香港デモに「彼らは人生をかけてやっている。学ぶ所がたくさんある」


 中国に容疑者の引き渡しを可能にする、いわゆる「逃亡犯条例」の改正案について、香港の林鄭月娥行政長官は4日夕方、正式に撤回することを発表した。声明で林鄭長官は、警察への苦情などを受け付ける機関にメンバーを2人追加することや、政府幹部が各地で市民の意見を聞くことなども併せて発表した。


 改正案が撤回されれば、デモ隊が掲げる5大要求-「『逃亡犯条例』改正案の完全撤回」「デモ『暴動』認定の取り消し」「警察の暴力に関する独立調査委員会の設置」「デモ参加者の釈放」「普通選挙の実施」の一つが実現することにはなるが、市民による抗議活動が収束の見通しは立っていない。


 実際、民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏は「条例の撤回は喜べない。遅すぎた。この3カ月間、8人が自殺。3人が警察の暴力によって失明。2人がナイフを持つ親北京派に攻撃され重傷。1000人以上逮捕。100人以上起訴。怪我した人は数えきれない。私たちは、5つの要求を求めている。これからも戦い続ける」との内容を日本語でツイートしている。


 香港の市民デモについて、同日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演したAV監督の村西とおる氏は「すばらしい。自分たちの主張を押し通すためには、こうして体をかけないといけない。私も30年前、ハワイの真珠湾に向かってセスナで突っ込み懲役370年の刑を食らったが、そういうことでもないと自分の意志を貫けない時がある。及び腰ではダメだ。この人たちには"万が一"があるわけだし、命をかけている。表現の自由についてよく日本でも議論されているが、ある種の"おためごかし"みたいな、小手先のことになってしまっている。けれど、彼らは命がけで、自分の名誉、肉体を、人生をかけてやっている。学ぶ所がたくさんある」と話す。


 8月に香港で取材をしたというジャーナリストの堀潤氏は「ビジネスをしている方々が"批判するわけではないが、学生たちの行動が経済活動を弱体化させてしまうことを心配している"と言っていたことが象徴的だった。その一方、学生たちから聞こえてきたのは、人権が侵害されていることに対して、なぜ民主主義国家は黙っているのかと。イギリスもアメリカも、隣人で仲間であるはずの日本はなぜ沈黙しているのか、と。チベット、ウイグルの問題もそうだが、中国共産党の人権弾圧に対しては連帯し、一致団結して声をあげなければ、この先、台湾でも同じことが起きるかもしれない。そんな時に、"中国は経済的な結びつきも強いし、商売相手としても重要だから"というのではなく、経済は経済、人権は人権ということで、しっかりと声明を出してほしい」と訴えるとともに、日本人の政治や社会問題に対する無関心や意識の低さについて懸念を示した。


 すると村西氏は「こういうものには社会的な背景がある。何かあったら家族が野垂れ死にするしかない、社会保障が期待できないとなると、まず豊かになることが最優先され、言論の自由は2番目、3番目になる。今の日本人はとても豊かな世界で生きていているので、民衆の欲求不満というかパワーの奔流が渦巻くチャンス、総意が生まれないような気がする。そして中国本土における最終的な、最大のテーマは"生活の豊かさ"だ。この二十数年で、中国のGDPは数十倍になった。昨日よりも今日、今日より明日。そういう世界が担保されているから、中国の本土においても表現の自由云々ということについてのデモは行われない。その観点で、この香港のパワーが中国本土に及ぶかというと、そういうことは考えられないのではないか」との見方を示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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