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再び採用? 武蔵野市の公立園保育士

 武蔵野市には公設公営の保育園(公立園)が4園あるが、市が長らく新規の保育士を採用していないことから今後の運営が不透明となっているなか、非常に意味深い市長答弁があった。

■公立園の運命が今年度に決まる

 武蔵野市の公立育園は、かつて9園あったが、そのうち5園は市が出資する公益財団法人武蔵野市子ども協会(以下子ども協会)に移管されたことで4園が残っている。

 しかし、平成22年度に4名の新規保育士を採用した以降、採用ゼロが続いており、このままでいくと、定年で保育士が退職するなどで公立園保育士が減り、公立園の運営ができなくなってしまう。

 そうなると施設運営を民間に任せる民営にするか、子ども協会に施設ごと移管するか、もしくは公立園を廃止するかとなってしまう。

 現在、市では公立園の役割・あり方を平成31(令和元)年までに検討するとしており、今年度中に結論が出し、この問題への回答が出てくる予定だ。

公立園の保育士は、市が採用するため公務員の保育士となる。そのため民間と比較すると高額な給料となってしまうことや公務員を減らすべきとの世論もあることから各地で減らす傾向があり民間委託、あるいは民説民営を増やしているのが現状だ。

武蔵野市の場合は、地方交付税の不交付団体のため、公立園への補助金がないこともあり、公立園を続けるかは財政面からも考えなくてはならない課題でもある。

■市職員として保育士の必要性

 8月20日の市議会文教委員会で武蔵野市による「財政援助出資団体の運営状況ヒアリングについて」の行政報告があった。市の外郭団体の運営状況について市が毎年ヒアリングをしており、その結果を議会に報告するものだ。

 このなかで子ども協会での人材育成計画があったことから市の人材育成計画(保育士)について質問してみた。子ども協会は協会独自採用の保育士と市採用(公務員)保育士が出向として働いているため市採用の保育士が今後増えるのか減るのかによって子ども協会の人材育成計画に大きく影響するためだ。先に書いたように市が採用してきていないこともあり公立園の存続にも大きく影響することにもなるからだ。

川名の考えとしては、給料の差はあるとしても、その分別の役目があれば必要な人材として必要と考えている。例えば、保育士として一定期間働いた後は保育の現場を知る人材として保育政策や計画を策定する管理部門に移ることが考えられる。保育だけでなく子ども政策全般、福祉分野も含めて現場を知る者として力を発揮することで役目は十分果たせるだろう。

「事件は会議室で起きているんじゃない!」というテレビドラマの名セリフがあるが机上の論理ではなく現場からの問題意識から解決することも必要だ。

 また、管理部門ではなく民間では担いきれない障がい児の対応ができる専門保育士となりノウハウを広げる役目も期待できることもある。

■専門職が必要と市長が答弁

この考えも含めて質問したところ、松下市長が自ら答弁した。

 その概要は、私自身も同様の思いを持っていた。やはり専門職の採用がより細かく必要であろうという思いを持っており、施政方針で述べている(※)。

 この間、武蔵野市では専門職の採用を建築、技術、保健師の3つに限定している。過去に図書館の司書を採用していたこともあるが保育士などは採用していないが、今後の武蔵野市を考えていく上で専門職の採用が必要という思いを持っている。

 計画づくりなどを含めてよりよい市民サービスにつなげるという視点と人材確保という視点で今後市として採用していきたいという私自身は思いを持ちながら人材育成方針の作成も含めて検討している、としていた。

■公立園の今後の判断

 保育の質という言葉は良く使われるが、その質は保育士が大きく左右すると川名は考えている。質を高めるなら相応の身分・雇用条件が必要であり、その質を判断するには現場を知る保育士の知見が必要だ。

 つまり政策をつくるだけでなく質を担保するためにも市職員としての保育士が必要だ。

まだ決まった段階ではないが、公務員保育士を採用するか、しないかの方針は公立園の今後へと影響を与え、大きな判断となりそうだ。採用するとしても、何人を採用するか。公立園を何園残すかの課題は残るが、採用となればこれまでの流れを大きく変えることになる。

 松下市長の方針に期待したい。

※『市の職員についても、今後人材の確保がより困難となることが予想されることから、本市における土木職や建築職、保健師以外に必要とされる専門技術について、確保方法や継続的な質的向上の観点も踏まえて、そのあり方を検討します』(平成31年度 施政方針並びに基本的施策より)

【参考】
公立保育園はどうなるか?(2016年05月30日)

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