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「売上5億で赤字367億」PayPayはペイするのか

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▼赤字でも安定収入のインフラビジネス

赤字でも、ライバル不在で利益は確保

鉄道会社などインフラビジネスも当初は赤字になりやすい業種。その理由は、初期に莫大な設備投資が必要になるからだ。

鉄道会社は開業に当たって線路を整備しなければならない。また、開業後もはじめは利用者が少ないので、赤字が続く。しかし、沿線に商業施設などができて認知度が上がってくると、居住者も増えて、利用者が増えていく。競合が現れにくいのもメリットだ。同じ地域を並走する鉄道を開業するのは不可能だから、一種の独占状態になり、利益が確保できる。運賃は原価に利益を上乗せして決めているから、設備投資分が回収できれば赤字にはならない。

設備投資の費用は、減価償却費として分割で費用計上していくことになる。よって初期の設備投資が大きい会社は、開業後しばらく減価償却費が大きくなり、償却費前で利益が出ていても減価償却費で相殺され、事業自体の収支を見極めにくい。本業で堅実な利益(キャッシュフロー)が得られているかを確認するには、営業キャッシュフローを確認すればいい。キャッシュフローは現金の収支を把握できる数値で、営業キャッシュフローがプラスであれば、本業がうまくいっていることを示す。

たとえば、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道は91年に設立され、05年に開業した。

14年3月期から19年3月期にかけての営業キャッシュフローを確認すると、おおむね250億円前後で安定推移している。また、確認できるもっとも過去の決算書である11年3月期の時点で、すでに黒字なので、いつまでかはわからないが、貸借対照表を見れば創業期は赤字であったことをうかがい知ることができる。

損益計算書を1年間の成績とすれば、貸借対照表は過去の成績の積み重ねといえる。なかでも純資産の繰越利益剰余金はこれまで繰り越してきた黒字と赤字の合計を表す。数値がプラスであれば、過去の成績がトータルで黒字であり、マイナスならトータルで赤字を意味する。つくばエクスプレスの場合、17年3月期まではマイナスになっているので、過去に赤字が発生していたことがわかる。

ITビジネスや創薬ベンチャーと同様にインフラビジネスも当初が赤字だからといって、事業に魅力がないとはいえない業種だ。

▼3社とも純利益は赤字



▼「バーコード決済会社」の決算書の特徴





▼親会社の体力(連結ベース)





▼創薬ベンチャー、その驚異の赤字決算



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小谷 和成(こたに・かずなり)
公認会計士
1987年京都大学卒業後、旧三井銀行(現・三井住友銀行)入行。旧中央監査法人などを経て2000年、株式会社日本総合研究所入所。08年から同所リサーチ・コンサルティング部門主席研究員。
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(公認会計士 小谷 和成 構成=向山 勇 撮影=奥谷 仁)

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