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香港デモ 中国の監視を避ける、新たな通信手段が広がる

ジェイン・ウェイクフィールド、テクノロジー記者

香港では政府に抗議する市民たちのデモが3カ月にわたって続いている Getty Images

香港の反政府デモ参加者たちの間で、新たな「通信手段」が広がっている。中国当局の監視の目をかいくぐるため、インターネットを使わないのが特徴だ。

香港では、中国のソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」でメールやメッセージをやりとりする人が少なくない。

ただ、ウィーチャットでの交信は、すべて中国当局に監視されているとされる。

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ブルートゥースで接続

監視を避けたい人々の間で人気が高まっているのが、スマートフォン用アプリ「Bridgefy(ブリッジファイ)」だ。

インターネットを利用せず、ブルートゥース(Bluetooth)で携帯端末をつないでチャットができる。携帯同士が100メートル以内にあれば、接続可能だという。離れた場所にいる人同士でも、間にいる人々の端末を次々と経由して、メッセージを交換することができる。

ここ2カ月のダウンロード数は、それまでの40倍近くに急増していると、調査会社アプトピアは話す。

香港では、インターネットが切断された場合や、「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる中国本土の監視システムの対象となることへの対応策として、市民の間で広がっているとみられる。

野外イベント向けに開発

このアプリは、米サンフランシスコの創業間もない会社が開発した。もともとは、大規模な音楽イベントやスポーツ大会など、ワイファイなどのネットワークがつながりにくい場所で使用されてきたという。

アプリを開発した会社の共同設立者、ホルヘ・リオス氏は、香港で人気が急上昇していることについて、「人々はインターネットに頼らずに組織化と安全確保を図るために使っている」と、米誌フォーブスに語っている。

ブリッジファイと似た「ファイアチャット」というアプリも、香港や台湾、イラン、イラクで使われてきた。

完全に安全ではない?

ただ、こうしたアプリは完全に監視の網をくぐり抜けられるわけではないと指摘する専門家もいる。

英サリー大学のアラン・ウッドワード教授は、「どんなピア・トゥ・ピア(端末同士)のネットワークにおいても、知識がある人なら、その中心部分にいれば、どの機器がどの機器と話をしているのかわかる。そのメタデータ(データに付加されたデータ)からは、誰がチャットに加わっていたかを識別できる」と話す。

また、ブルートゥースは安全性が非常に高いわけではないと指摘。当局にとって、ブルートゥースでつながった端末同士の会話を盗み聞きするのは簡単ではないにしろ、不可能ではないとみている。

(英語記事 Hong Kong protesters using Bluetooth app

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