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経済産業省がeスポーツベッティングを視野に入れた検討会を開催?!

経産省がJeSUさんと組んでeスポーツ検討会を開催するとの一報が出たのですが、僕としてはナントモ不可解な話になってるんですよね。以下、Impress Watchからの転載。


経済産業省、eスポーツベッティングを視野に入れたeスポーツ検討会を開催へ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190831-00000009-impress-game

経済産業省は8月30日、eスポーツの健全かつ多面的な発展に向け、日本eスポーツ連合(JeSU)を受託先とした「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」を開催することを明らかにした。[…]

これらの中でも注目されるのが、eスポーツに期待される経済効果の1つとして「統合型リゾート(IR)」が含まれていることだ。統合型リゾートは、カジノを含んだ複合型の観光集客施設で、IR推進法の成立を受け、今後日本でも地方自治体の申請に基づいて区域を限定して設置されることが予定されている。

「統合型リゾート(IR)」とeスポーツとの関わり方は、ラスベガスの「EVO」のような大会招致や、巨大なeスポーツカフェ運営なども含まれると思われるが、大本命はeスポーツベッティング(eスポーツくじ)だ。日本ではeスポーツを含むスポーツベッティングは原則として法律で禁止されているため、eスポーツシーンにおいて話題にすら上らないし、特にメディア側もあえて触れていないが、日本以外の多くの国ではeスポーツベッティングが存在し、それがeスポーツ産業にとっての大きな収入源になっている。

現行のIR推進法ではスポーツベッティングは認められておらず、当然その延長線上にあるeスポーツベッティングも行なえないが、IRのカジノ施設においてスポーツベッティングを認めるべきという声は根強い。将来に向けて、今回の検討会でここに踏み込むのかどうか、大いに注目されるところだ。


当該事業の名称自体は「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」となっているのですが、なぜかタイトルでは「eスポーツベッティングを視野に入れたeスポーツ検討会」という扱いになっています。

で記事を読み進めて行くと、この検討会が「eスポーツベッティングを視野に入れた」ものなのだとされているのは「eスポーツに期待される経済効果の1つとして統合型リゾート(IR)が含まれている」からであるとの記述。「eスポーツ→統合型リゾート→eスポーツベッティング」という理論の三段跳びによって、この検討会とeスポーツベッティングが繋がっている模様であります。

この理論の三段跳びが、本記事の記者によるものなのか、JeSUさんによるものなのか、はたまた経産省によるものなのかは記事の文面からは読み取れないのですが、この分野が専門ど真ん中の私の観点からすると、正直、シナリオそのものがスジ悪が過ぎるんですよね。

確かに「eスポーツと統合型リゾート」、「eスポーツとスポーツベッティング」はそれぞれが近接して来ているのは事実ではあるのですが、実はその二つはそれぞれが別の文脈の中で近接しているものなのであって、上記記事が描いている様な「eスポーツ→統合型リゾート→eスポーツベッティング」という一続きの流れではけしてありません。

現在、ラスベガスやマカオでは統合型リゾートの中にeスポーツ施設が内包されるような開発が増えており、確かにそれぞれの都市が地域内でeスポーツ産業の一大メッカである様な評価を受けつつあります(もしくはそれを戦略的に目指している)。ただ、それに合わせて「事実」を指摘するのならば、ラスベガスでもマカオでもeスポーツを対象としたベッティングというのは未だ「公式には」認められておらず、残念ながら記事に描かれている様な「eスポーツ→統合型リゾート→eスポーツベッティング」のような「直列つなぎ」の関係は現時点で成立していません。

一方で、これまでフィジカルスポーツを対象として賭けを成立させてきたベッティング業界において、eスポーツが賭けの対象として扱われ始め、それが急速な成長の途にあるというのは事実です。ただ、この様なeスポーツへのベットを現在、積極的に受け入れているのは統合型リゾート業者ではなく、その多くはオンライン上で賭けを受け付けているスポーツベット業者であり、この種の業者と統合型リゾート業者は一部でクロスオーバーはあるものの、大半の部分では全く別のレイヤーの事業者群として存在しているものであります。

要は冒頭でご紹介した記事の内容は、統合型リゾート業界とスポーツベット業界というお隣同士の、ひょっとするとシロウト目には同一の業界として知覚されてしまっているかもしれない業界において、それぞれ発生しているeスポーツとの近接を、あたかもひと続きの流れであるかのように誤認をして論理を展開してしまって居るということ。正直、私のような専門側の人間から見たら、果てしなく意味不明な論理の繫げ方をしている様にしか見えないわけです。

では、それぞれの業界がどういう文脈で現在eスポーツと近接して行っているのか?という点に関しては別エントリで改めて解説するとして、少なくとも冒頭にご紹介された記事をザっと呼んだ限りでは、相当程度にスジが悪いという事だけはまずもってお伝えしておきたいと思います。

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