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【読書感想】ドライブイン探訪

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ドライブイン探訪 (単行本)
作者: 橋本倫史
出版社/メーカー: 筑摩書房
発売日: 2019/01/29
メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Kindle版もあります。

ドライブイン探訪
作者: 橋本倫史
出版社/メーカー: 筑摩書房
発売日: 2019/05/17
メディア: Kindle版
この商品を含むブログを見る

内容紹介
道路沿いにひっそりと佇むドライブイン。クルマ社会、外食産業の激変の荒波を受けながら、ドライバーたちに食事を提供し続けた人々の人生と思いに迫る傑作ルポ。

 ロードサイドにたたずむ、ドライブイン。

 今は廃墟となっているところも数多くみられます。

 僕が子どもの頃、1970年代後半くらいには、まだコンビニもそんなに日本中にできてはおらず(24時間開いているコンビニが当たり前の存在になったのは、1990年代くらいからだと記憶しています)、ドライブ中に車を止めて食事ができる場所、というのはけっこう貴重だったんですよね。  

 国道沿いの風景を注意深く眺めてみると、廃墟のようになってしまった建物も含めて、無数のドライブインがあった。日本全国にこれだけの数のドライブインが点在しているからには、ドライブインの時代があったのだろう。

 ドライブインが花盛りとなったのは昭和、より具体的に言えば戦後の昭和だ。昭和57(1982)年生まれの僕は、昭和という時代に対してわずかな記憶しか残っていなくて、「平成」と書かれた紙が掲げられる瞬間をかろうじておぼえているくらいだ。

 日本全国に点在するドライブインは、一軒、また一軒と姿を消しつつある。でも、今ならまだ営業を続ける店が残っていて、話を聞くことができる。なぜドライブインを始めたのか。どうしてその場所だったのか。そこにどんな時間が流れてきたのか。そんな話をひとつひとつ拾い集めれば、日本の戦後史のようなものに触れることができるのではないか――そんなことを思い立ち、ドライブイン巡りをするようになった。

 ドライブイン巡りを始めたのは2011年だ。友人に軽バンを借りると、後部座席に布団を敷き、ぐるりと日本を駆け回った。ドライブインを見つけるたびに立ち寄り、200軒近い店を訪れた。そこで特に印象深かったお店を再訪し、話を聞かせてもらったのがこの『ドライブイン探訪』だ。

 この本は、そんなドライブインを長年経営してきた(というか、「やってきた」という言葉のほうが正しいのかもしれません)人たちに、ドライブインをはじめたきっかけから、車やドライブというレジャーが普及し、店が繁盛していた時代のこと、そして、ドライブインという業態が斜陽となり、どんどん少なくなっている今のことを、丁寧にインタビューしたものです。

 北海道の直別にある「ミッキーハウスドライブイン」の店主・千葉晃子さんの話。

 ドライブインを始めたとき、夫婦は還暦を迎えていた。そのままのんびり老後を過ごそうと思わなかったのかと訊ねると、「人間が貧乏性にできてるから、何しろ働きたかったわけ」と晃子さんは言う。初めのうちは店名に「ミッキー」とある通りミッキーマウスの看板を出していたけれど、ある日ディズニーから直々に抗議の電話があり、外すことにしたのだという。

「ミッキーハウスドライブイン」は、今もライダーハウスとして営業を続けている。「体が持たないから」と連泊は断っているけれど、一泊2000円であれば宿泊が可能だ。部屋は広々とした和室。流し台とコインランドリーもあり、値段を考えれば十分な設備だ。廊下には額装された写真が飾られており、開店まもないドライブインの前で晃子さんと武雄さんが常連客と一緒にポーズを決めている。

「ここで店を初めて、最初の何年かは一杯だったよ。表にバイクがずらーっと停まってたもん。女の子も多かったんだよ。『おばさん、私手伝うわ』って洗い物してくれたり、『はい、これ作ったから出しなさい』って運ばせたりね。本当に面白かったもんね。それで、ライダーの子たちは寝袋を持って旅してるんだわ。部屋に入りきれないときは『ここで良いから寝かせてもらえませんか』って言うから、小上がりのところで寝かせたりしてね」

 店の本棚には、お客さんが残していった本が並べられている。『特攻の拓』や『BOY』、『よろしくメカドック』といった漫画と一緒に、バイク情報誌やツーリングガイドも並んでいた。

 この「ミッキーハウスドライブイン」がオープンしたのは1986年だそうです。

 なんだか、ものすごく昔の話を聞いているようだったのだけれど、僕が高校生のときだったのか。

 いま、ドライブインに対しては、「懐かしい」イメージがあるのですが、「ミッキーハウスドライブイン」は、ファミコンよりも少し若いのです(ファミコンの発売日は、1983年(昭和58年)7月15日)。

 人間の記憶なんて、いいかげんなものですよね。

 一度「古い」とか「懐かしい」というイメージでみるようになると、実際以上に「古臭い感じがしてくる」のです。

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