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《文在寅大打撃》いまや韓国の「恥ずかしい人物」側近チョ・グク氏の「自爆ブーメラン」ツイート - 崔 碩栄

《緊急会見》韓国一腐敗したイケメン政治家チョ・グク氏 若者にウケていた軽薄「反日SNS」 から続く

【写真】ソウル大生の反チョ・グク氏デモ(8月23日)

 韓国政界を揺るがしている、「反日の旗手」曺国(チョ・グク)氏の疑惑。9月2日に予定されていた国会聴聞会は中止となったほか、同日午後から11時間続いた異例の会見では、改めて一連の疑惑を否定した上で、韓国国内で批判の的になっている「娘の大学への不正入学疑惑」について、「虚偽の事実で私の子どもを攻撃するのはやめてもらいたい」と反論した。
 韓国で収まらない曺氏への批判。その背景には、これまで彼がSNS上に積み重ねてきた「自爆ツイート」の存在があるという。韓国で取材を続けるノンフィクションライター、崔碩栄の現地レポート。

私がすればロマンス、他人がすれば不倫

 文在寅政権で次期法務部長官に指名されながら、スキャンダルの真っ只中にいる曺国(チョ・グク)氏。「反日の旗手」と呼ばれ、激しい日本批判発言を繰り返す彼の“口撃”には韓国でも批判があるが、民情首席秘書官として抜擢された際も実は賛否両論だった。最も非難を受けることになったのは、やはり彼の「発言」。彼が強く批判してきた事柄を、自ら踏襲したからだ。

 彼は過去、保守政権だった李明博大統領時代に大学を休職して公職に進出する学者を「ポリフェッサー」(politician政治家+ professor教授という意味の新造語)と厳しく批判した。そんな彼が大学を休職し大統領府民情首席秘書官に就くことになった。これは、韓国でよく言われる「私がすればロマンス、他人がすれば不倫」というダブルスタンダードに他ならない。

 さらに、民情首席という地位は検察、警察を管轄する要職であり、盧武鉉政権時代には現在の大統領である文在寅大統領が引き受けた職位。「次期大統領」を狙うこともできる職位だ。つまり、学者としての専門性が求められての一時的な参与というよりは、本格的に政界の中核に第一歩を踏み入れたと見られることも世間の批判を高めている。


文在寅大統領(中央)曺氏(左端) ©時事通信社

国民の怒りを買った3つの疑惑

 彼に関する不正疑惑は1つや2つではないのだが、その核心として挙げられるのが、以下の3つである。

1.娘の大学および大学院不正入学

2.自身も理事を務めた曺氏一家が経営する学校法人の巨額詐欺

3.大統領府民情首席時代に彼が74億ウォンもの大金を投資したファンドが赤字にあえいでいた会社の株式を買い取ると間もなく、同社が政府、自治体の工事を集中して受注したという件に関する疑惑

 2番目、そして3番目のケースも、相当深刻な経済事件であるが、その内容が複雑であるが故に一般の人々の関心は低い。それに対し、国民の大きな怒りを買っているのは、1番目の娘の不正入学疑惑だ。

 彼の娘は大学入試に「論文」と「インターン経験」を実績として申告、一般の筆記試験を受けることなく、書類審査と面接のみで審査する「特別枠」により大学進学を果たした。ここで問題となっているのは彼女が高校生の時に、その研究に最も貢献したことを示す「第一著者」として作成された医学論文である。多くの専門家たちが「高校生には作成不可能」、「論文掲載時高校生という身分を隠し、医大の研究員と書いた」という点を指摘し、論文自体を取り消すべきだと口を揃える。

 入学後においても、医科大学院で奨学金不正受給、落第救済、教授たちとのコネクション等、一つの記事では紹介しきれないほどの不正疑惑が持ち上がっている。一言にまとめてしまえば、だれの目にも曺氏の権力とコネでその娘が相当な特恵を受けているように映る、ということだ。

 この事件がGSOMIA問題よりも国民の関心を引いている理由は、不正疑惑の数、そして何よりも、彼のこれまでの発言と実際の行動の間にあるあまりにも大きな乖離である。韓国で話題になった彼の語録を一部紹介する。

(1)国民には負け組を勧め、自分の家族は勝ち組に

 韓国には「どぶ川から龍が出る」という諺がある。苦難、貧しい環境から大成功を収めた、あるいは出世した人を指す。特に貧困にあえぐ人たちにとっては一つの希望であり、激励となる言葉でもある。だが、彼は過去に次のような発言をしている。

我々は「どぶ川から龍が出る」ような逸話が好きだ。しかしどぶ川から龍が現れる確率は極めて低くなった。皆が龍にはなれないし、その必要もない。もっと大事なのは龍になって雲の上に昇らなくても、どぶ川で鯉、蛙、ザリガニとして生きても幸せな世の中を作ることだ。雲を見上げて過剰な競争をしないで、キレイで心温かいどぶ川作りに力を入れよう。〔2012年 3月2日、Twitter〕

 少し言い方は悪いが要するに「昇る必要はない。底での生活に満足して」という趣旨の話だ。

 だが、娘が親の権力とコネでVIPコースで進学したという疑惑が飛び出したことで、国民の怒りに火がついた。自分の娘は親の作った「超高速エレベーター」に乗せ、雲の上まで導いていたという事実に国民が怒るのは当然のことだ。

(2)謝罪する人はもっと叩け

 毎日のように発覚する新たな不正疑惑にマスコミや国民からの非難が徐々に高まっていた8月26日、曺氏は「国民の皆さんに申し訳ない」と2日連続で謝罪した。9日に法務長官候補に指名されてからここまで「陳謝」に近い表現は初めてで、彼の支持勢力からは、「もう十分じゃないか」という擁護、同情論も聞こえてきた。しかしこの時も彼の首を絞めたのは過去の「自分」だった。

 2016年11月29日、当時辞任を迫られた朴槿恵前大統領が対国民談話で謝罪の意を表明した時、曺氏は中国の文豪魯迅の言葉を引用し以下のようなツイートを残した。

「人を噛む犬が川で溺れた時、その犬を助けてはいけない。むしろもっと棒で叩き潰すべきだ。そうしないと、犬は岸へはい上がってまた人を噛む」 (魯迅 1929)〔2016年11月30日、Twitter〕

 また、2010年李明博政権当時、外交通商部長官が娘の不正採用疑惑で辞任する前に謝罪をした時には次のような書き込みをして話題になった。

蠅が前足をこすり合わせるのを見て謝罪していると錯覚するな。蠅が前足をこすり合わせるのは何かを吸い取ろうと準備をしているのだから、叩いて捕えなければならないときだ。〔2010年9月、Facebook〕

(3)公人は一般人のウソを訴えてはならぬ

 8月20日、曺氏は疑惑の中心にいる娘が「ポルシェを持っている」という噂がSNSを通じて広がると、それは根拠のない「デマ」だとその噂を広げたネットユーザーを検察に告訴した。これに反発したネットユーザーたちが持ちだしたのは、やはり彼の過去の発言だった。

市民と言論は「公的人物」について完璧な情報を持つことができない。したがって公人に対する検証過程において部分的に虚偽が含まれていることが明らかになったとしても法的制裁が下されてはならない。〔2013年5月30日、Twitter〕

 彼の主張によると、彼はネットユーザーを告訴してはならないということだが、彼は警告もなく、即刻、検察に告訴するという手段を選んだ。

(4)奨学金は成績ではなく、経済状況を基準にすべき

奨学金支給基準を成績中心から経済状況中心に移さなければならない。〔2012月4月15日、Twitter〕

 彼は学生たちへの奨学金の支給基準を成績ではなく、経済状況にすべきだと主張してきた。だが、彼はマンション2つ、自動車3台、預金高だけでも20億ウォン以上を持つ資産家であるにもかかわらず、娘に2年連続で奨学金を受給させている。それも、彼の娘は2年連続で落第という、最下位の成績であったにもかかわらず、である。この状況が彼の主張してきた平等、公正な社会だろうか?

(5)被疑者は辞職が当然

一体どの面を下げて趙允旋長官は長官職を維持した状態で捜査をうけているのだろうか? 禹柄宇氏も民情首席の職を退いて捜査を受けた。〔2017年1月11日、Twitter〕

 朴槿恵政権末期、当時現職の文化体育観光部長官が職権濫用の疑いで検察の捜査を受けた時、曺氏は「調査対象者は辞職し捜査を受けるべきだ」と主張した。しかし、現在被疑者の身分である彼は「候補者」の座の辞退を拒んでいる。

「恥ずかしいソウル大同門」第1位

 疑惑だけではなく、過去の発言が次々とネットユーザーたちによって暴露されると、国民は彼の不正よりも彼の二面性に驚き、それでも長官候補を辞退しない彼の図太さに呆れている。

 ソウル大在学生、卒業生、教職員だけがアクセス可能なソウル大学のコミュニティーサイトでは、9月6日までの期間「2019年、恥ずかしい同門投票」を行っているが、曺氏は3885票を得て、1405票を得た2位の柳時敏氏(盧武鉉政権における保健福祉部長官)に圧倒的な差をつけ1位を走っている(8月26日現在)。ソウル大学では数回にわたって曺氏の辞退を求める集会が開かれたが、ソウル大生たちが特定人物、それも大先輩であり、母校教授の辞退を求める集会を開くというのはとても珍しい。後輩たちさえも、このあり様なのだから一般人の反応は言うまでもない。

 果たして曺氏はソウル大同門たちの評価をひっくり返し「恥ずかしくない」法務長官となることができるだろうか。

(崔 碩栄/週刊文春)

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