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動機が「怒られたくない」の人は絶対に伸びない

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※本稿は、鈴木颯人『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』(KADOKAWA)を再編集したものです。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Six_Characters

人数が増えるほど、1人が出す力は減る

人のパフォーマンスについて面白い実験があります。フランスのリンゲルマンが行なった、「リンゲルマンの綱引き実験」です。これは被験者を「1人」「2人」「5人」「8人」の4パターンのグループに分けて綱引きをさせ、その牽引力を測定したものです。すると、次のような結果になりました。

1人——63キロ
2人——118キロ
5人——160キロ
8人——248キロ

これを1人あたりの力に換算してみると、それぞれ次のようになります。

1人——100%
2人——94%
5人——51%
8人——49%

どうでしょう。何か気づきませんか? そうです。集団の分母が増えれば増えるほど、1人あたりの力が減っているのです。この実験から、一緒に作業するメンバーの数が多ければ多いほど、1人あたりの発揮する能力が低下することがわかります(リンゲルマン効果)。

つまり、人は組織にいると、自分では100%の力を出しているつもりでも、無意識のうちに力を抑えてしまうということ。仮に8人以上の従業員がいる企業で働いているとしたら、あなたは本来の半分程度しか能力を発揮していない可能性が高いのです。それはメンバーも同様です。

ということは、眠っているもう半分の力を発揮できれば、より一層のパフォーマンスが発揮できることは明白です。今いるメンバーは、力を持て余しているといっても過言ではありません。

メンバーを「使えない」といって切り捨てるか、「まだ力を発揮していないだけ」と捉えるかで、接し方も変わってきます。ぜひあなたには、後者の見方をしてもらいたいと思います。プレーヤーとして優れたリーダーほど部下のパフォーマンスが低いと切り捨てがちですが、リーダーとして一流の人は、メンバーの可能性を信じて接し続けるものです。

部下が全力を出せないのはリーダーのせい?

人にはまだ発揮されていない能力が眠っています。しかし、多くの人は、その能力を正しく引き出すことができていません。時には、リーダーの物事の捉え方が偏っているあまり、力を出せていないケースもあります。

鈴木颯人『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』(KADOKAWA)

たとえばあなたが長年育ててきたメンバーに、上層部から昇格の打診があったとしたら、どのように捉えるでしょうか。「メンバーにとってチャンスだ!」と前向きに思える人もいれば、「まだ昇格なんてさせられる実力じゃない」とネガティブに思ってしまう人もいるでしょう。

どちらが正解というわけではありませんが、メンバーの眠っている力を発揮できる可能性があるのは、もちろん前者ですね。このように、物事の捉え方一つで、引き寄せる結果は大きく変わってきます。

ではその物事の捉え方はどのようにして決まるのかというと、その人が持っている「思い込み」です。ポジティブな人からすれば「チャンス」と思えることをネガティブに感じるということは、特定のシチュエーションが、悪い感情と結びついて脳の中で記憶されている可能性があります。

「目標設定」はアクセル、「思い込み」はブレーキ

目標設定がアクセルのようなものだとすれば、「思い込み」はブレーキのようなもの。せっかくメンバーがアクセルを踏み込んだのに、リーダーの「思い込み」によってブレーキがかかってしまうのは、もったいないことです。リーダーは、部下がどうすればアクセルを踏めるようになるかを考えるべきです。

あるアイスホッケー選手のEさんは、「人から怒られたくない」という気持ちを抱えながら競技をしていました。周りのことを気にするあまり思い切ったプレーができず、ベンチ要員に甘んじていたのです。

最初は純粋にアイスホッケーが好きで始めたEさんでしたが、成績が上がるにつれ、いつのまにか「周りにがっかりされないプレーをすること」が目的になっていました。派手な活躍はできないのと引き換えに、何も責められずに済むことに対し、無意識に保険をかけていたのだと思います。これでは、せっかくの能力も発揮されません。

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