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神戸発ブランド「Chesty」がリアル店舗1店でも全国で成功している理由

  • 2019年09月05日 07:31
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「おしゃれ」「異国情緒」…華やかなイメージが強い、関西の港町・神戸。今はスポーティーで、シンプルな装いが流行しているが、神戸の繁華街では鮮やかなワンピースにヒールを合わせ、軽やかに歩く女性の姿も目立つ。かつて神戸女子は、『JJ』や『CanCam』などの女性ファッション誌に「読者モデル」として登場し、オシャレ感度の高い女性たちから羨望のまなざしを向けられてきた。

そんな神戸女子のイメージが詰まった、神戸発祥のファッションブランド「Chesty(チェスティー)」は、他の神戸発祥ブランドとは一線を画す存在だ。大学在学中に読者モデルとして活躍していた小川淳子さんが、2003年にスタートさせたファッションブランドで、今年で16周年を迎える。

女性ファッション誌『美人百花』に、同ブランドのオリジナル柄を使用した小物が付録としてついた際には即日完売し、SNS上には購入できなかったファンの悲しみの声で溢れる事態となるほど全国にファンを持ち、知名度も高いブランドだ。しかし、東京や大阪、大都市に実店舗を持たず、神戸の1店舗だけで勝負している。オンリーショップにも関わらず、全国に多くのファンがいる秘訣はなんなのだろうか。Chestyを展開する株式会社JOCのブランディングディレクター・中西桃子さんに話を聞いた。【清水かれん】

「ただ買い物する場なんてつまらない」実店舗へのこだわり

BLOGOS編集部

− 神戸にしか店舗を持たず、今年で16周年。なぜオンリーショップを選ばれたのでしょうか

阪急百貨店さんや伊勢丹 新宿店さんに出店のお話をいただいたこともあるのですが、数店舗展開してしまうと、どうしても目が行き届かず「Chestyのイメージ」を守れなくなってしまうのではと思い、現在、実店舗は神戸だけにしています。神戸の店舗は内装やディスプレイから世界観を作りこみ、ショップスタッフのイメージまで管理し、私たちが伝えたい、Chestyをお客様が体感できる場所です。お客様にも魅力が伝わっているようで、週末になると関東から九州、遠方のお客様にも御来店いただいています。

− 顧客層は、関西圏が中心ではないのですね

創業者の小川が神戸の読者モデルだった事もあり、開業当時は神戸や大阪、関西圏のお客様が多かったようですが、現在は関東圏のお客様の方が多くいらっしゃいます。というのも、ショップよりオンラインでの売り上げが多く、8割ほどを占めるんです。オンラインショップは動画に力を入れており、実際に自分が着用した時のイメージが膨らむように工夫をしています。

しかし、オンラインショップだけでブランドの世界感を見せることは難しいと感じていまして。そこで、年に2回、伊勢丹 新宿店さんの方で1週間の催事をおこない、神戸の店舗の雰囲気を再現。関東圏のお客様に体感いただけるようにしています。オンラインでは普段伝えられない、細かい部分まで伝えられるデパートでの催事の存在は大きいですね。

一方で、オンラインで簡単に買い物を済ませる人が増え、実店舗へ来る人が減っているのも事実です。そんな買い物、少し味気ないと思いませんか。

− 確かにお店に行ったとしても、買い物という作業を終わらせる感覚かもしれません

皆さんお忙しいのでそうなりますよね。なので、御来店してくださった方へのドリンクサービスや、オリジナルチャームを作れるなど、様々なワークショップの開催をし、「お店に行きたい」と思っていただける演出を洋服の販売以外に提供する必要があると考えています。実店舗はただ買い物をする場所ではなく、ブランドの世界観を体感できる、そういう場所であるべきだなと。ただ買い物をして終わりなんて、つまらないじゃないですか。

そういった思いもあり、足を運んで頂いたお客様に店舗でのイベントの他にも、さらに楽しめる場を提供できればと、昨年7月にオリジナルカフェ「Ch Tea Room Kobe(シーエイチ ティールーム 神戸)」をオープンいたしました。

− 創業15年目に飲食業へ…チャレンジですね

看板メニューは「アフタヌーンティー」なのですが、アフタヌーンティーをされている方って、綺麗にドレスアップして華やかで、ゆっくりと時間を過ごしていらっしゃるイメージがありませんか? そんなイメージが、Chestyとマッチしているなと思い、スタートさせました。

アフタヌーンティースタンドはオリジナルで、Chestyの代表的な柄である小鳥から着想を得て、鳥かごをイメージしたそう。(株式会社JOC提供)

− 華やかでChestyにぴったりですね。反響はどうですか?

カフェが併設されたことによって楽しめる要素が増え、ショップの来客数はぐんと増えました。また、カフェにはChestyのお洋服を着ないお客様や、顧客層より若いお客様にも多く御来店いただいていて、顧客の層を広げるのにも有効だったなと感じています。

アフタヌーンティーは、2〜3ヵ月に1回メニューを変えて、目新しさを損なわないようにしています。カフェでもよく、他の飲食店様とのコラボをしているのですが、神戸で人気のお菓子やさん等とのコラボもあり、お菓子屋さんファンの方からも御好評いただいています。

食器は高級陶磁器のブランド「ノリタケ」さんとのコラボ商品で、実際に商品展開もしているんですよ。

「9月からはノリタケさんの店舗でもコラボの食器を置いてもらうので、食器から新しくChestyを知ってもらう機会も増えそうです。」と中西さんは語る。

− 他企業とのコラボをたくさん実施しているんですね

たくさんの企業様とコラボをさせていただいています。世界観の合うブランドや人物とのコラボも多く実施していますが、あまり限定せずに色々実施することを意識しています。あまり共通点のないようなブランドとのコラボの方が意外とお客様からの反響がよかったりするんです。

例えば2年ほど前、カジュアルな雰囲気が人気のリュックブランド「イーストパック」さんと、コラボ商品を展開させていただいたのですが、初めは、ブランドイメージが全く異なるのもあり、「Chestyのお客様は果たしてリュックを持つのか?」など、コラボに懐疑的な声も聞こえていたんです。けれど、発売されると大人気で。何度か続けてコラボをさせていただきました。なので、全く異なるブランド様とのコラボも、新しいチャンスや気付きが生まれる可能性があるので大切にしています。

けれど、コラボをする上で「Chestyらしさ」は必ず心がけています。それはビジューであったり、お花、オリジナルのプリントだったり…一目見て、「Chesty」とわかるようにしています。先ほどのリュックはお花のコサージュみたいなものをつけたのですが、Chestyらしさ、は失われていないけれど、リュックというカジュアルさも取り入れられたことで目新しく、Chestyのお客様からも、イーストパックさんのお客様からも気に入っていただけました。

− イメージに囚われすぎないのも人気が続く秘訣ですね。逆に、ここは創業当時から変えていないというポイントはどこでしょうか

お洋服のデザインは、そこまでトレンドを追いすぎず、女性がより華やかに見えて、幸せなオーラを纏えるという、幸福感のあるデザインを失わないようにしています。流行だけでなく、Chestyらしさをキープし続けているのはポイントですね。創業当時からずっとファンでい続けてくださっているお客様もたくさんいらっしゃって、そういう方に響く服というのは心がけています。

顧客の声に傾け、新たなブランドニーズを開拓

『美人百花』の付録にも使用されたオリジナルの絵柄。(株式会社JOC提供)

− Chestyといえば、花と小鳥があしらわれたプリントですよね。一番の人気商品はこの柄関連のものですか

このプリントが乗っている商品はどれも人気ですね。ブランドの強みだなと感じているのですが、かつてはそこまで需要に気づいていなかったんです。以前、女性ファッション誌の『美人百花』さんに、こちらのプリントを使用したChestyの付録をつけていただいたのですが、SNSなどですごく反響があって。その時に「このプリント人気なんだ」と実感をしたんです。

最近、雑貨などの商品展開を多くしていますが、お客様からの声がなければスタートできていなかったかもしれません。公式InstagramへのコメントやHPのカスタマーフォームからお客様の声をいただくことも多く、大切にしています。

− 他に、顧客からの声で気づいたことはありますか

Chestyは毎月カタログを出していまして。昨年までは6月号は秋冬の商品を掲載していたのですが、お客様からの「6月に秋冬の商品のことは考えていない」という声を受け、今年から季節に沿った商品を掲載するようにしました。

− その気持ちわかります。毎年、「まだ暑すぎて、秋冬の気分にはなれない」と思っていました

秋冬に備えて、先に7月に購入するということがなくなってきているのかなと感じています。ファッションブランドの常識と実際のお客様との間に乖離が生まれないようにするのも大切ですよね。

カタログを心待ちにしている顧客は多く、「カタログまだですか?」と連絡が来ることもあるそう。(株式会社JOC提供)

毎月出しているカタログは、お客様との大切な接点の一つで、どんなに作るのが大変でも削ることは出来ないと思っています。

カタログも毎月同じ雰囲気だとやはり飽きがきてしまうので、モデルさんが同じ方にならないようにする等、目新しさが損なわれないように工夫しています。モデルさん経由でChestyを知っていただいたお客様も多くいらっしゃって。若い層にアプローチしたい際は、ターゲット層に合うモデルさんを新たに起用するなどしています。あと、紙媒体だけでなく、時代の流れもあって、SNSやWebでの見せ方というのも新たな課題ですね。こちらの伝えたいイメージをより良い形でお客様に届けることが出来ればと試行錯誤しています。

「神戸を盛り上げたい」でご近所とのコラボも実現

BLOGOS編集部

− 神戸市とのコラボなどもありますか? 市役所も実店舗からとても近いので…

神戸市、という大きな規模でのコラボは実施したことはありませんが、現在、Chestyオリジナルの神戸旅行プランを提供しています。

Chestyのお洋服レンタルがついているのが一番の目玉で、Chestyの洋服を来て、カフェでアフタヌーンティーを楽しんでいただく。そのあと、神戸を代表するホテル「神戸ポートピアホテル」さんと「神戸オリエンタルホテル」さんに特設されているChestyルームに宿泊するというプランになっています。

オリジナルのクッションや、フットスローなど、Chestyの華やかさが詰まった特製Chestyルーム。左から、神戸ポートピアホテルの「南館ジュニアスイート」、「南館サウスリゾートツイン」。(株式会社JOC提供)

今回「神戸オリエンタルホテル」さんや、「神戸ポートピアホテル」さんがご協力してくださったように、長く同じ場所で店舗を構えているので、何か新しい企画をしようと思った時は「あそこにお願いしてみよう」とご近所さんを頼ることもしばしばあって。みなさん力を貸してくださいます。これは地域に密着しているブランドならでは、強みですね。

「神戸を盛り上げたい」という気持ちはみんな同じで、一致団結しやすいなとも思います。助け合う、というだけではなく、一緒にやることによって一つの会社がやるよりも神戸という地域色が強くなるので、神戸の活性化に力を入れられているかなと思います。

− ツアー企画は大変だったと思います。なぜ実施しようと思ったのですか

「コトとモノを繋げる」ブランドでありたいと思っており、それを形にしたくて企画いたしました。Chestyはシーズンごとにテーマを決めているのですが、夏はバカンスやトラベルがテーマで、旅行でコトを提供できる!と思い立ったんです。

また、最近流行しているファッションはブラックやブラウンなどを基調とした少しシンプルなお洋服が多いですが、Chestyのお洋服は、華やかなお洋服が特徴です。レンタルであれば、普段着ないような華やかなワンピースなどを楽しんでいただけるのではないかと思い、実際に体験したお客様の反応を見てみたかったんです 。

花柄プリントや、立体的な花の装飾が華やかなChestyの洋服。(株式会社JOC提供)

− 今後、Chestyはどのように進化していくのでしょうか

昨年カフェをオープンさせたのはChestyの歴史の中でも大きな挑戦でした。オープンから約1年たち、お客様に商品である食器やクッションなどを実際に使っていただけたりするのを拝見していく中で今後、ライフスタイル部分をより一層強化できればなと感じています。店舗やお洋服からだけでなく、何気ない生活の中でChestyの世界を感じていただけるようにしていければと感じています。

なので、華やかなお洋服はメインで勿論出していくのですが、オフィスやデイリーにも着用できるようなアイテムなどの展開を考えています。お洋服だけでなく、様々な方法でお客様に幸せを届け、常にアップデートされていると思っていただける挑戦と成長をし続けるブランドでいたいですね。

<INFORMATION>
Chesty Kobe Only Shop
住所:兵庫県神戸市中央区江戸町98-1 東町江戸町ビル1F
TEL:078-392-2370
公式HP:https://chesty.tv/shop/default.aspx
Instagram:https://www.instagram.com/chesty_official/

Ch Tea Room Kobe
住所:兵庫県神戸市中央区江戸町98-1東町江戸町ビル1F
TEL:078-392-2360
定休日:火曜日
営業時間:平日 11:00-17:00(L.O. 16:00)
     土日祝 11:00-18:00(L.O. 17:00)
公式HP:http://ch-tearoom.com/
Instagram:https://www.instagram.com/ch.tearoom/
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