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香港デモ 心配な情勢

香港の「逃亡犯条例」改正案に抗議する若者などのデモは、治まる気配はなく、警察の対応が強硬化していて、心配です。香港では、今日2日から新学期が始まりましたが、中高生や大学生の間では、政府に抗議の意思を示すため、授業をボイコットする動きが出ています。

先月の中高生の集まりに参加した高校生は、「自分たちより小さい子どもが政府が間違っていると考えている。授業のボイコットで自分の意思を表したい」と話していました。昨日1日には、香港国際空港のターミナル入口周辺を、若者たち約千人がバリケードで一時封鎖し、利用を妨害しました。

8月31日には、抗議デモへの警察の対応が一段と強硬になっている、と報じられています。地下鉄の車両に逃げ込んだデモ参加者たちを追いつめて殴りつけるなど、力づくの鎮圧をためらわなくなっている、とのこと。警察の特殊部隊が地下鉄の車両までデモ参加者を追いかけて、催涙スプレーを噴射したうえ、無抵抗の若者たちを警棒で次々と殴打し、出血する人の様子などの動画がテレビやネットで繰り返し流れている、とのこと。

この日、警察は63人の参加者を拘束しました。強硬化の背景には、事態が好転しないいらだちや、厳しい措置を求める中国の意向などもあるとみられていますが、そのやり方は市民の怒りと懸念を増幅させていて、情勢は一段と緊迫していて、心配です。

31日のデモは、香港行政長官選挙から事実上民主派を排除し、大規模民主化デモ「雨傘運動」のきっかけとなった2014年の中国による決定から5年で、参加者たちは、普通選挙の実現も訴えました。

この日のデモは、警察が民主派団体の大規模デモを許可しなかったことへの不満や、民主化活動家などの一斉摘発に対する強い反発を示していて、過激化した若者の集団と武装した警官隊が衝突し、数万人に上るとみられる参加者からは、拘束者や負傷者が出ました。

今日から遡って香港のデモの情勢をみていますが、その前日30日には、香港警察が、「雨傘運動」を象徴するリーダーとして米タイム誌の表紙も飾った黄之峰(ジョシュア・ウォン)氏(22)と、日本との交流も深い周庭(アグネス・チョウ)氏(22)を、朝に拘束し、夕方釈放しました。

2人は、「政治弾圧だ」と非難しました。2人の容疑は、6月に、市民などが警察本部を包囲した際、マイクで「警察トップは出てこい、対話しろ!」と叫ぶなどして、デモ参加者を扇動したというものです。2ヶ月も経って拘束したのは、今日の新学期が始まる日に呼びかけられている授業ボイコットが関係している模様、とのこと。

この日には、警察は、民主派の立法会(議会)議員の鄭松泰氏を7月のデモに関して拘束したほか、29日には中国からの独立を訴える政治団体のリーダー陳浩天氏(28)を暴行容疑で拘束しました。25日には、警察が実弾での威嚇射撃に踏み切るなど、一触即発の空気が強まっています。

こうした中で、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、夜間の外出などを禁じる「緊急状況規制条例」発動の可能性にも言及し、「実質的な戒厳令だ」と、デモ隊だけでなく経済界からも批判が出ている、ということです。

中国では、8月中旬から「デモが暴徒化した」といった批判が連日繰り広げられ、黄氏や周氏の拘束は速報で伝えられました。広東省深圳で武装警察が訓練する姿も繰り返し報じられ、中国外交筋は「現時点で軍や武装警察が出動するシナリオは党執行部にもない。

報道はデモ参加者への威嚇だが、”我々が出る前に解決せよ”との香港当局へのメッセージでもある」と語っています。トランプ米大統領が「天安門(事件)のようなことをやるならディールは難しい」といい、米中対立の新たな火種にもなっています。

10月の建国70周年の成功のために香港を落ち着かせる必要がある、とされています。これだけ、一国二制度を守り、民主的な選挙や行政を望む声が強くなっているのですから、強硬に押さえつけようとすればするほど、デモも過激化し、犠牲者が出るなど、泥沼になると懸念しています。国際社会からも、人権が守られるように発信し、何とか平和裏に解決してほしいと願っています。

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