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「拒否的抑止考える段階」長島昭久衆議院議員

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■ 日本の弾道ミサイル防衛システムへの影響

安倍: そういう北朝鮮の7回にわたるこの短距離ミサイルの発射、さまざまな実験をしていると見られている。日本の弾道ミサイル防衛システムにも何らかの影響があるのでは?

長島: 影響あるとみている。今までの我々が対応してきた弾道ミサイルと言うのは、放物線を描いて角度が決まっているもので、(従来の弾道ミサイル防衛システムは)それを打ち落とすもの。しかし今度のミサイルはレーダーに映りにくく、最後の段階でちょっとマヌーバー(Maneuver:操る)するとも言われている。そうなってくると既存のミサイルディフェンス、つまりSM-3(Standard Missile-3:スタンダードミサイル3型)で本当に打ち落とせるのか、あるいは終末段階に低い高度で飛んで来た場合、PAC3(地対空誘導弾パトリオット3)で本当に打ち落とせるのか。根本的に日米のミサイル防衛システムを考え直さなければいけない。

▲写真 SM-3ブロックⅠB(於:イージス護衛艦「あたご」平成30年9月12日ハワイ・カウアイ島沖)出典:海上自衛隊

▲写真 PAC3 出典:航空自衛隊

特にこれから導入するイージスアショア(陸上型イージス)は普通のミッドコース(編集部注:中間段階 弾道ミサイルが宇宙空間を慣性飛行している段階)が大気圏外にあることを念頭にしているが、大気圏外でない、まさに大気圏を飛んでくるものをイージスアショアで対応できるのか。個人的には仕切り直して、より高性能なイージスアショアを導入したほうが将来的にはいいかなと思う。もう決めたことなのでしょうがないが。

▲図 弾道ミサイル攻撃への対応 出典:海上自衛隊

安倍: もう秋田県はすっかり反対ムードですが。

長島: ただ本当に日本の国防を考えたときに、何がいいのか、ちょっと立ち止まって考える良いきっかけなんじゃないかなと思う。

安倍: 次はミサイルを打てなくする、すなわち無力化する事も考える必要がある。

長島: そう、それが大事。確かにミサイル防衛は大事だが、これは相当な技術がいる。打ち落とせる確率からすると、策源地で(ミサイルを)打つ前、あるいは移動している時か(発射台を)立てた時、あるいはブースト段階のまだ遅い時、この辺を狙える装備があった方がより確実だ。攻撃兵器のように見えるかもしれないが、これはディフェンスシステムだから。ブースト段階での迎撃も拒否的な抑止のカテゴリに入りますから。急いだ方がいいと思う。

安倍: 今現有兵力の中にそういう兵器はないんですよね?

長島: 今そこまで対応できていないと思う。だからUAV(Unmanned aerial vehicle:無人航空機)を地上でコントロールして、日本海を24時間365日何機かで交代で監視し、(ミサイルなどの)赤外線を探知したらすぐ高出力レーザーで打ち落とすとか。高出力レーザーもだいぶ電源がコンパクト化してきて実用性が高くなっているし、アメリカでも技術的には完成していますから、そういうものを取得する必要があると思う。

安倍: そういうものも専守防衛の枠組みの中で当然許される範疇であると?

長島: 当然です。向こうはもう攻撃の意思を持っていますから。

■ 「拒否的抑止」の段階へ

安倍: 日本がミサイル防衛をさらに高度化していくというか、日本の本土防衛のためにより深い議論をするきっかけにすべきと言うことですよね。

長島: ミサイル防衛と同時に、やっぱり策源地を叩く、「アクティブな拒否的な抑止」を本気で考える段階に入っている。10年前この議論をするとちょっと過激なニュアンスかもしれないけど、今はまさにニーズがここまできてるから。これはやっぱり研究とか検討とかではなくて、今の現有の装備の中で何がふさわしいかというの取得する段階だと思います。

安倍: アメリカ、イランとか見ると普通にUAVが撃ち落とされたりしている。世界はもうそうなっている。

長島: 確かにアメリカもイランにUAVを落とされてもそこからエスカレートしないじゃないですか。多分あれは本当に先進事例だと思うんですけど。

安倍: トランプさんもUAVだから別にリアクションしないよと言いましたね。

長島: 基本的にはUAV対UAVですから。エスカレーションしないという意味では穏当な兵器なのかもしれない。

安倍: 日本政府のホワイト国リスト外しについては、ちょっと失望のツイートをされていましたね。

長島: 確かに官房長官も言われている通り。GSOMIAとホワイト国の問題は、同じ安全保障という言葉を使うからみんな混同しているけれど、GSOMIAはまさに国の安全保障で、輸出管理の規制というのはグローバルな安全保障にかかる問題ですからまさに次元が違う。

韓国は意図的かどうかわからないけど、そこを混同させて、日本が安全保障上信頼できないと言ったから、こっちだって秘密のやりとりできるわけない、といってGSOMIAを破棄したけれども、そうじゃないよと。僕らが言っているのは国際的な安全保障体制の中でどうしていこうかという話で、機微な技術はそう簡単にやり取りできなくしたんだよという事なんだけれども、彼らは勘違いなのか意図的なのかわからないけれど、そこを混同している。日本でも同じような議論が結構見受けられるんで、そこの次元が違う。

ただこれは慰安婦の合意から一連の流れで来ている。アメリカから相当プレッシャーをかけられている中、韓国側はGSOMIAについてもう一回思い止まろう、という姿勢を見せているので、完全に紐帯切って、韓国がもう向こう側に行ってもいいんだと言う腹ぎめがこっちにできていればいいが。どんどん韓国を向こうに追いやってしまえばいいんだから。しかし、最終的に落とし所を見出さなければならないとすれば、向こうがGSOMIAで考え直しているので、こちらもう少し様子をみようか、という作法はあってもいいかなと思う。

僕らも情報全部わかっているわけではないが、スキャンダルも含め文政権はかなり行き詰まっている。(日本政府が)そういう判断で米側と意思疎通しながら、もうここのまま行きますよ、という感じで判断しているのだろう、とは思う。

みんなやはり、北朝鮮の事ばかりに(心を)奪われている。ミサイルを監視する情報交換だけならGSOMIAは大事じゃない、という議論もあり得るが、そこに留まらない、もっとロングレンジの話だ。

日本と韓国の間に歴史問題があり政治的に常にガタガタするという事はもう想定済みだ。だが軍事当局者や情報当局者は政治的な問題があってもきちんとしよう、というものの象徴がGSOMIA。だからこれが切れてしまったらどうしようもない。

いろんなことが政治的に動いてもきちっとしてるということを前提に、朝鮮半島、東アジア、インド太平洋と、日米韓の緊密な連携をどんどん射程を広げていこうというのが日米の考え方だったわけですから。(韓国は)プライドなのか本当に北朝鮮を援助しようとしてるのかわかりませんけれども。こんなことで(連携が)絶たれてしまうというのはものすごく残念だ。

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