- 2019年09月01日 18:29
【読書感想】一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
2/2「銘柄それぞれの勝敗を考えるなら、利益になる取引は3割くらいしかない」そうです。
うまくいかなかったときに、「また上がるんじゃないか」と、その株を塩漬けにしてしまうのではなくて、傷が浅いうちにきっちり「損切り」し、勝てる銘柄で大きく勝つ、ということで、トータルで大きな利益を生んでいるのです。
この本を読んでいると、相場というのは、これだけコンピュータによる自動取引が導入されてきても、人間の「気持ち」の要素が大きいということを思い知らされます。
cisさんの話をきいていて痛感するのは、「相場師、投資家としての才能の有無は、子どもの頃にだいたいわかる(あるいは、育成されている)のではないか、ということです。
cisさんは、駄菓子屋のくじ引きで「当たる番号の法則」を発見したり、小学生時代に友達のあいだで使える「仮想通貨的なもの」を流通させていたり、中3からパチンコをはじめて、高校時代には「パチプロの元締め」をやっていたそうです。
最近、「転職と副業のかけ算で収入を最大化する」というmotoさんの著書を読んだのですが、motoさんも子どもの頃、ゲームソフトの相場を予想して売り買いしたり、友達とポケモンのやりとりをしたりして稼いでいたそうです。
村上ファンドの村上世彰さんは、子どもの頃から、親に勧められて投資をやっていたのです。
そんなにお金を持っているなら投資の会社をつくればいいと言われることもある。
じつは一度、トレードの会社をつくって失敗したことがある。
会社をつくって、大学の友だちを5人雇った。僕が彼らに株の売買を直接教えたら、少なくとも半分くらいの人は億を稼げるようになるんじゃないかなと思って。
その頃には自分の資産が20億円を超えていて、新日鐵(5401、今は新日鐵住金)などの大きい銘柄が戦場だった。そこで自分の手足が増えたら、自分ではカバーしきれない新興のボラティリティの高い銘柄をやってくれて、どんどん儲かるんじゃないかと。
雇った条件は、月給35万円で、プラス利益の20%。契約更新は1年単位。
彼らは天才というわけじゃなかったけれど、普通の人以上の思考はできて、でもデイトレはやったことがない手垢のついていない人たちだった。最適な人たちを選べたし、自分もいいことを思いついたもんだと思っていた。
教えるといっても、僕が指示を出すのでは意味がないし、僕の後追いでもやはり意味がない。そうではなく、売買の王道である順張りなど、基本の理論を教えた。プリントを作っては2週間に一度ずつ全体講義もやった。
でも同じように教えたはずなのに全然違う売買をする。
利食いする人はすぐ利食いするし、損にはすごく耐えられる人とか、すぐ損切りする人とか、買い増しする人とかタイプがバラバラで合理的にはならなかった。
ジャンジャン儲かるかと思ったら、まるでダメ。
みんな、1000万円でスタートして、2年間やった結果、一人だけ2400万円になり、あとはちょいプラスやちょいマイナス。数百万円のマイナスもいた。
勝った人間はストップ高でさらに買い増しなども行っていた。「上がり続けるものは上がる」けれど、実際やるとすれば非常に勇気がいる取引。
全体で見れば、およそ給料の分だけマイナスになった。
35万円×24か月だから4200万円だ。
今から振り返れば、講義したくらいではダメで、売買にはみんなの本能が出ていた。インセンティブもあるので、お金が絡むとその人の本能が勝ってしまう。
学校の勉強や終活で堅実な人は守備寄りになって、ものすごく利幅が少ない売買をしてしまう。また、学校では豪快な「テストあるのに寝坊しちゃったよ」とか「必修なのに全部単位を落としちゃった」みたいな人は、損益も豪快になる。
僕はギャンブルは好きなんですが、自分に博才は無いと痛感しているので、「人生に多少の凹凸をつけて楽しむ程度」にしています。
もちろん、勝ってばかりなら、そのほうが良いのだけれども。
博才とか度胸のない人間が多少「勉強」したとしても、お金がかかった場になると、その人の「本質」みたいなものが出てしまって、適切な行動はできないんですよね。
この本は、もしかしたら、cisさんからの「投資に向いていない人は、付け焼き刃でやらないほうがいいよ」という老婆心からのメッセージなのかな、と僕は思いました。
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