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年金制度─本格的な議論を国会で

5年に1回の検証が義務付けられている公的年金制度の財政検証結果を厚生労働省が公表しました。

年金制度は、国民にとっての大きな関心事ですが、専門的で、かつ制度が複雑なため、分かりにくい面があります。

簡単に言うと、2004年の改革で保険料の上限を設定(厚生年金18.3%、国民年金1万7千円(2004年度価格))するとともに、将来の給付水準として、現役世代の男子の平均手取り収入額の2分の1(所得代替率50%)以上の年金額を維持することを目標とし、その実現のために、当面の給付水準を調整(マクロ経済スライド)することが決まっています。

現在の給付水準は、専業主婦家庭で22万円(夫婦2人の基礎年金と夫の厚生年金の合計)で、現役男子の平均的手取り収入35.7万円の61.7%となっています。少子化と長寿化が進むなか、年金制度の持続可能性を維持するために、所得代替率50%の範囲で、年金の伸びを抑制しようというものです。

私は、この考え方は、年金制度の信頼性と世代間の公平を確保するため、基本的に必要なことだと考えています。

今回の検証で、高い経済成長(長期的に実質0.4%以上)を実現できれば、所得代替率は50%を維持できるものの、それ以下の経済成長であれば、年金額の更なる減少が必要か、または積立金がなくなって制度が持続可能ではないことが示されました。

これから、経済成長率や労働人口の見通しなどの指標の前提が適切かなど、しっかり議論する必要があります。あまりに楽観的な前提に立たないほうがよいと私は考えています。

私が最も問題だと考えているのは、厚生年金全体として所得代替率50%を維持できたとしても、報酬比例部分の給付額の調整がわずかであるのに対し、基礎年金部分で大きく調整する結果になっていることです。

これは、基礎年金と国民年金は同額であることから、国民年金加入者の実質年金が大きく減額されることを意味しており、今でも生活するには十分でない国民年金が、生活保障の役割を全く果たせなくなることになってしまいます。

公的年金制度の最大の役割は、国民1人ひとりの最低限の生活を保障することにあります。厚生年金としては、所得代替率50%を何とか維持できたとしても、国民年金加入者にとっては、生活できないレベルの給付額になるというのは、国としての責任を果たしたことにはなりません。

国民年金をどう改革すべきかの議論は待ったなしだと考えています。

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