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平成24年5月30日

動かせ日本

 昨日、この欄で幾度となく主張してきた原子力規制組織関連法案の審議入りがようやく実現しました。

 政府案が原子力規制庁を環境省の外局に置き、総理など政治家の原子力安全行政への介入の余地を残しているのは「菅リスク」への反省がないとしか言いようがありません。また、放射線モニタリングの実施部門や核の転用に関する査察を扱う部門を文部科学省に残すなど、規制組織を一元化し切れていないため、東日本大震災の後生じた連携不足が再燃するおそれもあります。

 一方、自民・公明両党の対案は、当該組織を公正取引委員会と同じような独立性の高い国家行政法上の「3条委員会」として予算の独立性や人事の独立性(国会同意)を図るとともに、規制部門の一元化を徹底する内容です。これはIAEA(国際原子力機関)の要請にもかなっています。

 これに対しては、人材確保・育成の点から問題であるとか、緊急時にうまく機能しないのではないかなどの批判がありますが、先進国では、原子力規制組織は他の組織からの独立性を徹底しながらも好待遇とキャリアパスが確立して人材を確保していますし、緊急時に備えて災害シュミレーションを平時から政治部門と連携を取って構築し、不都合がないようになっています。合議機関であっても本当に迅速な決断が必要な場合は長官が独自に決定する実務となっており、こうした仕組みを私たちの対案で取り込みました。

 自民党の本件に関するプロジェクトチーム事務局長として、昨日の本会議では私も各党の質問に対して答弁に立ち、政府案についてなされた野田総理や細野環境大臣の答弁についての問題点を浮き彫りにできたのではないかと思っています。これから両案は衆議院環境委員会で質疑に付されます。頑張ります。
 本来この組織が再稼働を目指す原子力発電所の安全性をきちんとチェックするのが筋だと昨日の本会議で私から申し上げました。

 また、昨日は自民党の社会保障改革についての基本法の対案が議論され、明日は政調全体会議で消費税を含めた議論がなされます。ようやく自民党が方向性を明確にする機会が訪れました。前回のこの欄に書いたとおり、しっかりと議論に加わっていきます。

 社会保障に関して言えば、自民党の生活保護をめぐる方針は、芸能人の親族の受給をきっかけに色々議論を呼びましたが、私はやはり就労できる方にはなるべく就労を目指してもらう仕組みを打ち出し、扶養できる方がいれば扶養していただき、現金給付は最後の手段と位置付けるべきだと思っています。医薬品を大量に入手して売りさばいている人、ベンツに乗りながら生活保護を受けている人、年金保険料を真面目に払った人より多くの給付を受けている人などがいることに思いを致せば、やはり「自助・共助・公助」の順序を念頭に置いた保守の理念からの改革が必要なのです。

 節約できる予算は2~3兆円であっても自民党の今後の様々な政策を貫く理念を示すのに象徴的な問題です。反対派のネガティブキャンペーンに屈することなく頑張ります。

東電の姿勢に異議あり

 国費を1兆円投入して現在の東京電力を国有化する再建計画が来月の株主総会にかかろうとしています。

 福島第一原発事故による損害賠償や廃炉費用で間違いなく債務超過に陥る東電は会社更生法などの法的処理が必要です。私は経産省OBの古賀茂明さんや一部の同僚議員たちとともに、東電国有化の前にまずこうした法的破綻処理をして、経営陣の一新、株主や金融機関等債権者による損失負担、発送電分離・資産売却などを行うようさんざん指摘してきました。そのうえで原発や送電網などは国有化し、発電会社は独立の民営会社として多様な新エネルギー会社と競争する環境を作るという構想です。それによって東電がはじめて生まれ変わり、国民負担も極小化できるからです。

 そう言いながら国会で物議を呼んだ原子力損害賠償機構法案に反対しなかったのは、損害などの全体像が明らかでない段階では国が責任を持てる仕組みを先に作ることは必要だと思ったからです。

 だいぶ状況も明らかになってきました。にもかかわらず東電の再建計画は発送電を社内カンパニーとして保有し続け、子会社の処分や天下り人事の改革も幹部のリストラも不十分、独占的価格設定もスマートメーターの仕様もどのようになるのか不透明、利害関係者の損失分担もなしとなれば(株主総会で株式の価値を減らさない案は承認される可能性が濃厚)、税金や電力料金の負担が増し、国民が犠牲を余儀なくされることは明らかです。

 いったん国費が現実に注入されてしまえば、その価値を減少させる法的破綻処理を行うことは事実上できなくなります。だから来月の株主総会の前にこの問題提起を行い、国民的議論を巻き起こしていきたいと思います。

人権委員会設置法案の提出見送り報道

 私が部会長をしている自民党法務部会で、政府内で今国会における提出が再度準備されているという人権委員会設置法案等をめぐる動きをヒアリングしました。

 既に部会としては、問題の大きい3条委員会方式(上記したとおり独立した権限を持つ委員会で、全ての人権侵害案件を対象とする)を問題があるとして骨子の段階で反対する姿勢を明確にしています。にもかかわらず、それに沿った法案ができ、法制局や各省間の調整も済み、政務三役から指示を受けて閣議決定にかかるのを待つばかりということがわかり、異論が続出。法案提出に反対する意見が10人、賛成はわずか1人でした。

 この状況を今日開催されるシャドー・キャビネットで谷垣総裁や茂木政調会長に報告しようと思っていたら、「今国会提出断念」の報道が飛び込んできました。しかしまだ安心・信用できません。引き続きしっかりチェックしていきます。

総会のシーズン

 地元では各種総会のシーズン。様々な団体の方々が「自民党にしっかりしてもらいたい」と期待とお叱りの言葉を口にされます。しっかり受け止めて今後の活動に生かして参ります。

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