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戦後最悪の日韓関係 韓国側の被害者意識は「認知の歪み」

文在寅大統領の悪あがきに世界中があきれている(EPA=時事)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々を心理的に分析する。今回は、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた韓国を分析。

 * * *

 8月24日、北朝鮮がまた短距離弾道ミサイルを発射した。韓国が日本とのGSOMIAの破棄を通告した翌日のことだが、韓国メディアが敏感に反応したのは、日本の方が韓国より10分ほど早く第一報を伝えたことだった。「破棄」という強気の対応に出た直後だっただけに、韓国メディアにとっては歯がゆく思うところがあったのだろう。

 8月15日の光復節の演説で反日姿勢をトーンダウンさせていた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領だが、GSOMIAの破棄を決めた。安倍晋三首相は渋い表情を浮かべ「国と国との約束を守るよう求めていきたい」と記者団にコメントし、アメリカのポンペオ国務長官は硬い表情で「失望した」と述べた。

 破棄の理由は、文大統領が演説で日本に対話を呼びかけたが反応がなく、「国家的自尊心まで毀損するほどの無視で一貫し、外交的欠礼を犯した」から。首脳会談を提案したり、特使を日本に送ったりして外交努力を重ねてきたが、日本がすべて無視した、というのが韓国側の主張だ。大統領府国家安保室の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)第2次長は、厳しい口調で日本を非難した。

 日本で報道を見ていると、文政権は被害者意識が強すぎないか?と思う。物を言えば反論してくるし、静観すれば無視だと騒ぎ立てているような気がしてならない。何をどうやっても日本が悪い、すべて日本のせいという結論に行きつく印象が拭えない。韓国側には韓国なりの言い分があるだろうが、考え方や捉え方が歪んでいる気がするのだ。こうした心理的特徴には、「被害的認知」が強く生じているのではと思えてくる。

 被害的認知とは、相手の様々な行動や反応、発言に対し、悪意を持って解釈する、攻撃や非難と捉える、敵意がある、裏があると感じるという「認知の歪み」である。背景には不安やコンプレックス、コントロールしたいのにできないという感覚や苛立ちがあるといわれる。韓国経済の先行きや、北朝鮮との関係など文大統領の不安は尽きないし、演説で「日本を追い越す」と口にしたのも日本への複雑な思いがあったからだろう。

 また、もともと文大統領は反日姿勢を強く打ち出していただけに、日本に対する被害的認知は政権の中にも生じていたと思う。そのため彼が大統領になってから、韓国の反日姿勢は一層強くなった。韓国海軍艦艇が日本の海上自衛隊機に火器管制レーダーを照射したり、慰安婦問題では韓国国会議長が天皇への謝罪を要求するなどだ。日本が対応してもしなくても韓国は納得しない。そして起きたのが徴用工問題だ。両国間で解決済みのはずが、韓国大法院は日本企業に賠償を命じる判決を下し、日本企業の資産差し押さえを認め、既に差し押さえられている。

 日本は輸出管理を強化し、輸出手続きを優遇する「ホワイト国」から韓国を外した。文大統領は、「事実上の対抗措置」だと日本を非難し大騒ぎになった。日本なりの言い分など意味をなさず、かえって文政権の被害的認知を強くし、自らを正当化して攻撃できるきっかけを与えてしまったのだ。

 さらに日本は、彼らの被害的認知を後押ししてしまう。経産省で行われた輸出管理に関する事務的説明会だ。韓国産業資源部当局者と経産省関係者による会議は、小さな事務室で、ホワイトボードに事務的説明会と印字した紙が貼られただけのもの。だが、韓国側はスーツにネクタイをしていたのに対し、日本側はノーネクタイ。状況が状況だけに、韓国側は日本に「軽んじられた」と捉えてしまった。

 こうした流れが続いたことで、日本の静観は自分たちへの「否定と無視」と結論づけられた。その上、文政権になってから反日姿勢はより強行で攻撃性が増している。被害的認知がある上に攻撃性が加わったことで、ことさら相手の行動や反応を悪意として解釈し攻撃し始めたのだ。GISOMIA破棄の裏にも、文政権の被害的認知という認知の歪みが関係していたのだろう。

 過去最悪と言われる日韓関係は、いったいどこに向かうのだろうか。

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