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年金財政検証 30年後に2割減

厚生労働省は、昨日27日、公的年金の長期見通しを5年に1度試算する財政 検証の結果を公表しました。前回より3ヶ月遅れの公表で、参院選前に、老後の 生活費が2000万円不足するとした金融庁審議会の報告書によって国民の 不安が高まり、参院選を控えて影響を心配した政府与党が遅らせた、とも指摘 されていたものです。

報道の中には、年金水準の見通しが改善していない、と 報じているものが目立ちますが、超少子高齢社会の日本では、担い手が減り、 年金を受け取る高齢者が増えているので、このままでは改善するはずがないと 思います。

日本は、高齢者の比率が28.3%、子どもの比率が12.1%と世界一 の超少子高齢社会になっているのですから。それに伴って、生産年齢人口は、 1996年から1%ずつ減っています。年金が持続可能なように、経済の成長や 人口の状況などによって、財政バランスを図るために計画的に給付水準を下げて います。

現役世代の減少などに応じて給付を抑える「マクロ経済スライド」の 仕組みを導入していて、調整が終わる2047年度以降、代替率50.8%で 固定されることになっています。今回の試算では、経済成長と就業が進む 標準的なケースで約30年後にモデル世帯の年金の実質的な価値は現在の65 歳と比べて2割近く目減りする、とのこと。基礎年金(国民年金)部分に限ると 3割低下します。

年金の仕組み自体を見直さなければならないと考えます。 そもそも国民年金は、自営業者が入っていたもので、収入がある上で、孫に お小遣いを渡せるように、とスタートしたと聞いています。ところが現在は、非正規 雇用が増え、その他高齢者や障害によって働けない人も3割入っています。この ままでは低年金で生活保護が必要な人が増えることは、目に見えています。 また、モデル世帯を、夫が40年間働き妻は専業主婦としていることも、現状には 合わなくなっています。

それでは、年金水準を改善するためには、どうするのが よいのか。有効だと思われるのは、支え手を増やすために、非正規雇用で厚生 年金に加入できる適用対象者を拡大することだと思います。厚生労働大臣を していた時に、非正規の400万人(うち30万人は学生)のなるべく多くが加入 できるように力を尽くしましたが、折半で保険料を負担する企業の強い反対で、 現在は、厚生年金の適用は、従業員501人以上の企業で週20時間以上働き、 月収8.8万円以上の人、となっています。

この基準を下げたり撤廃したりすれば 年金の支え手が増え、非正規の人も受け取る年金額が増えます。また、定年を 70歳まで上げる、開始時期を繰り下げるほど年金月額が増えるので75歳まで 繰り下げられるようにする、などが考えられています。高齢になると健康状態など に差が出ますので、無理のない仕組みが必要だと思います。

年金のあり方に ついては、スウェーデンで行われたように、超党派で知恵を出す仕組みを作って ほしいと思います。私が議員をしていた時にも、そうした形が模索され、作られた ことがありましたが、政局などが優先したのか、果実は得られませんでした。 是非、腰をすえて、超党派で議論をして、公正に負担しながら、安心できる社会 保障を維持できる仕組みを考えてほしいと思います。

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