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韓国大統領「2045年までに南北統一」GSOMIA破棄はその第一歩

2018年9月、平壌で開催された南北首脳会談(写真・代表撮影/ロイター/アフロ)

「帽子の紐戦術」

 かつて北朝鮮には、故・金日成主席が提唱する戦術があった。元韓国国防省・情報分析官の高永チョル氏が言う。

「『帽子』とは、李朝時代に成人男子がかぶり、2本の紐を顎で結んで留めるもののこと。金日成は1972年に、『南朝鮮政権は、アメリカと日本という2つの紐によって維持されている。どちらかひとつでも切ってしまえば崩壊する』と強調した。

 50年近くの時を経て、いまその戦術が実を結びつつある。韓国の “終わりの始まり” が起きつつあるのです」

 8月23日、韓国政府が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄したことは、日米両国に驚きをもって受け止められた。神戸大学の木村幹教授が続ける。

「悪い意味で、『歴史に残る決定』といえるでしょう。韓国国内の世論を抑えられず、政権内部でもイデオロギー色の強い一派が押しきった。

 国内問題で手いっぱいで、対日関係よりもはるかに重要な対米関係まで、冷静に考える余裕がなくなっている。『米国も理解してくれている』という言葉を、即座に米国に否定されるなど、韓国は完全に読み間違えています。これは、とても危険な状態だと思います」

 GSOMIAが失効するのは、11月23日。それまで日本は、韓国の挑発に乗る気は、さらさらなさそうだ。

「ある政府高官によれば、『何もしない。頭を下げてくるのを待つ』のが基本方針のよう。

 だが米国は違う。ポンぺオ国務長官が、『disappointed(失望した)』という言葉を使っていたが、これは2013年に安倍首相が靖国神社を公式参拝したときにも出た、強い言葉。米国から文政権に強い圧力がかかると踏んでいるのです」(官邸担当記者)

 韓国内の最新の世論調査(8月23日発表)で、文政権は支持率45%に対し、不支持率が49%。司法相に指名した文在寅大統領の側近中の側近が、娘の大学不正入学疑惑などで炎上。支持率は、急降下している。

「反文在寅デモが頻発し、陸海空の退役軍人が多数参加しています。9月15日には、朝鮮戦争の仁川上陸作戦の記念式典がおこなわれ、9月28日は、ソウル奪還記念日。そこにも多くの退役軍人が参加する。最悪、クーデターが起きる可能性さえある」(高氏)

 だが、文大統領には目指すものがある。8月15日の「光復節」で25分間にわたり熱弁した、「2045年までに朝鮮半島を統一する」という決意だ。

「文大統領が思い描くのは、北朝鮮主導の『赤化統一』。しかし、韓国が北朝鮮にのみ込まれるとなれば、軍部は黙っていないでしょう。

 あるいは、外資系企業や金融機関が投資を引き揚げ、韓国経済が崩壊する恐れもある。GSOMIA破棄で、ウォンが急落。株価がストップ安になった銘柄もありますから」(高氏)

 GSOMIA破棄で、米国を失望させた影響は大きい。

「駐韓米軍引き揚げは、十分あり得るシナリオ。ベトナム戦争で米国は、南ベトナムのサイゴン政権を見捨てたが、その二の舞になりかねない。仮にソウルが陥落すれば、当然難民が生まれることとなる。

 韓国の人口約5000万人の1割でも日本にやってくれば、日本には脅威。北朝鮮による赤化統一となれば、日本の防衛費は跳ね上がる」(国際投資アナリストの大原浩氏)

 わらっているだけでは、日本も道連れだ−−。

(週刊FLASH 2019年9月10日号)

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