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リクナビの「悪気のない悪意」が一番悪い

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リクルートの不祥事

就職情報サイト「リクナビ」で、学生が内定を辞退する可能性を数値化して企業に提供していた問題で、昨日、運営会社であるリクルートキャリアの社長が騒動後初めて記者会見を行い謝罪しました。合わせて、個人情報保護委員会から勧告・指導を受けたと公表しました。

今回の問題は、サイトを利用する就職活動中の学生の内定辞退をする可能性を数値化し、30以上の企業に有償提供していましたが、データ元の約8,000人の学生については本人の同意を得ていなかったというものです。8月1日に問題を公表し、8月4日にはサービスの廃止を決定していましたが、会見等はこれまでありませんでした。

今回の問題は、記者会見で語られた「ガバナンスの不備」であることは間違いありませんが、リクルートキャリアの親会社であるリクルートホールディングス自体でいえば、ガバナンスはむしろ積極的に行われており、外部評価機関からも高評価を獲得していた企業でした。本記事では、CSR/サステナビリティ先進企業群の1社でありながら、なぜ逆行するようなビジネスが行われたのか、CSR(企業の社会的責任)という視点でまとめます。

個人情報保護がメガトレンドに

グローバルでもローカルでも、昨今のCSRでは「情報セキュリティ」と「個人情報保護」の重要性が高くなっています。

グローバルのリスクトレンドをまとめた「グローバルリスクレポート2019」によれば、発生可能性が高いリスクとして第4位に「データの不正利用または窃盗」という項目があります。個人情報の悪用についてのリスクであり、世界中で警戒されていると思いきや、今回のような問題が起きてしまいます。個人情報をビジネスとして扱う企業は、情報漏洩対策はもちろんのこと、そのデータを倫理的に商用利用できているかが求められます。今回の行政機関からの勧告は、他の同様のビジネスモデルで商売をしている企業の牽制にもなるでしょう。

加えてCSRでは「加担」という考え方も重要です。今回のケースでいえば、リクナビだけではなく“情報を買った企業も悪い”となります。CSRでは、非倫理的な事業を行う企業から商品・サービスを購入するということは、その企業を応援することにつながり、悪事に加担していると見なされるのです。情報を買った企業は、被害者でもあり加害者でもあるのです。

そもそも学生自身が不利になり得るような情報を、企業側に提供OKとする人が何千人もいるものなのか、それらの情報は倫理的な方法で収集・分析されているものなのか、CSRでいう「人権デューディリジェンス」ができているか、このあたりの確認を怠ったということで、加害者であるのですね。デューディリジェンスなんかガバナンスの本丸だと思うのですが。このような広い視点を担当者には持っていただきたいです。

初動の不備

8月1日に不祥事の発表をしてから、行政にツッコまれるまで謝罪会見をしませんでした。この姿勢もいつかのメディアでツッコミがありました。CSRでは、説明責任は必ず果たすべきものであるとされています。最初から、我々のガバナンス欠如と情報取り扱いに不備があったと謝ってればこんなに問題にならないのに。もちろん、上場企業であれば、様々なしがらみがあり簡単に謝れないというのもわかるのですが、あるステークホルダーの利益を守るために、他のステークホルダーの不利益を無視したり、不祥事の説明責任ははたさなかったり、というのではよろしくありません。これをしてしまうと、リクルートホールディングス全体でもそういう隠蔽体質があるのでは?と思われかねません。

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