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日本から本社が消える日

日経新聞が伝える所では、パナソニックが本社人員を半減するとの事である。今月初めのアゴラ記事、パナソニックが日本を見捨てる日 で説明した通り、同社は今後海外移転にドライブをかける。遠くない将来、本社をシンガポール辺りに移転するかも知れない。

そう考えれば、今回の本社人員半減は手始めに過ぎず、最終的には日本から本社そのものが消滅してしまうのではないか?移転先の新たな本社では、世界から選りすぐりの優秀な人材を採用する事になるので、現在の本社スタッフは、余程優秀な人材を例外としてほぼ全て解雇の対象となる。

実を言うと、今朝日経のこのニュースを読んでも、私はちっとも驚かなかった。来るべきものがやっと来たかと言う印象である。

昨年のアゴラ記事、海外調達に舵を切ったヤマダ電気、この意味するもので説明した通り、家電メーカー一般に、本社の存在意義が今一つ良く判らないからである。

こう言う現象に際し、国内製造業の空洞化問題と騒ぐ人間が出て来るのは最早お約束とも言える。しかしながら、これは実態経済を見ていない事から来る誤解である。勿論製品に拠るが、多くの場合国内メーカーは台湾辺りの会社に発注し、台湾メーカーは中国の沿海部近辺で生産し、日本に持ち込んでいる場合が多い。詰まりは、家電製品の製造にに関する限り、既に大分以前に国内での雇用は消失しているのである。それでは、本社の人間は一体何をしているのであろうか? 強いて言えばマーケティング、プロモーションと実際の販売と言う事になる。しかしながら、前者は電通に丸投げし、後者はヤマダ電気他家電量量販が引き受けているので、社内の調整とか上層部への報告とかと言った「良く判らない」仕事をやっているのであろう。これが許容されたのは、中国の人件費が国内に比べ格段に安く、台湾メーカーや日本本社の経費を負担しても最終製品の価格を充分に競争力のあるレベルに維持出来たからである。


本社人事部に依る「一律採用」と言うのも、考えて見れば随分と滑稽な話である。「スマートテレビ」の開発要員とミャンマーの「廉価版洗濯機工場」の労務管理者では、必要とされる能力がまるで異なる。

ちなみに前者に求められる能力は、「放送」、「通信」の基本技術やUI、UXへの精通、SNSが自在に使い熟せる事であると推測する。一方、後者に於いてはミャンマーの如きタフな国でめげずに働き続ける「根性」とか、現地社員との「コミュニケーション能力」或いは、ミャンマー人に慕われる「人柄」、「人間性」と言う事になる。

従って、前者は研究所で採用し、後者はミャンマーの工場長が一時帰国の折にでも面接するのが望ましいのではないか?早い話、本社人事部採用研修課不要と言う事である。

何も、こう言う話は家電メーカーに限った事ではない。今時、人事部に給与厚生課が存在し、自社で社員の給与計算をやっている所等殆ど皆無ではないか?専門業者に外注している筈である。

「帳票管理業務」、「経理業務」等も、本来粉飾など行わず透明性を担保して行うのであれば必ずしも自社で行う必要はない。寧ろ、餅は餅屋で、会計事務所に業務委託した方が、遥かに安上がりで仕事が早く正確と思う。国税の印象も良い筈である。

一般企業に於ける「法務部」と言うのも微妙な存在である。そもそも、大学の法学部卒業者は優秀な者から上級公務員試験に合格して国家公務員として奉職したり、司法試験に合格し法曹の道を歩む事になる。努力はしたが、司法試験に合格出来ず早めに見限って民間企業に職を求めるケースもあるであろう。

問題なのは、大学で「法」に就いて何も学ばず、大学名と野球部で頑張りましたとかが人事部に評価され、採用され、法務部に配属された場合である。こういう人間が企業法務部スタッフの大部分ではないか?勿論、社内の営業他現場から契約書関連他検討依頼が来ても、自分では解決出来ないから全て弁護士事務所に丸投げしてしまう。

直ぐに丸投げすればまだしも、三日も四日も自分の机の上に放置した後と言う事が多い。経費も無駄なら、時間の浪費も、「知恵比べ」、「アイデア勝負」、「スピード競争」に身を置く民間企業に取っては致命的である。

会社として業務委託をする「弁護士事務所」を特定し、営業他社内現業部門はここと直接やりとりした方が遥かに効率的である。企業の法務部門は出来の悪い法学部卒業生の「ゴミ捨て場」以外何か意味があるのだろうか?

その他、誰も読まずにゴミ箱直行の社内報を毎月発行する社内広報。金余り時代の財務部。昔も今も、存在自体が意味不明な総務部とか枚挙に暇ない。

本邦法人税率40.86%である。
法定実効税率 = 〔0.3×(1+0.173)+0.096〕÷(1+0.096)≒40.86%


一方、シンガポールの法人税は基本17%で、しかも幾つかの優遇制度があるとの事だ。

今後、日本の水膨れした本社を整理整頓、スリム化した上で、シンガポールに移転する企業が加速すると思う。日本に本社を残す事が、極めて贅沢な話となる日が近い。

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