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「就活」のためにプライバシーは我慢するべきか

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中止の理由は「本人同意が不十分だった」から

ウェブ上の行動や買い物などのデータを基に、個人にスコアをつけるサービスは日本国内でも、さまざまな分野で広がりつつある。イーコマースだけでなく、クレジットカードの利用履歴などから、将来の購買動向を予測し、ダイレクトメールを送信することなどは普通に行われている。ウェブサイトを閲覧した際に現れる広告が、自身がかつて閲覧した商品の広告だった経験を持つ人は多いだろう。それも、過去の行動データを基に関心が高いと思われる商品広告を掲示するサービスだ。

リクルートキャリアがサービスの休止を発表したのは、個人データを解析した予測を第三者に提供したからではなく、その「本人同意」が不十分だった、というのが理由だ。つまり、本人同意さえきちんとしていれば、そこに問題は生じない、というわけだ。

もちろん、本人同意といっても、チェックボックスにチェックを入れたり、ボタンをクリックしたりすることで済む。利便性の高いウェブ上のサービスを使うために、同意のチェックが必要となれば、本来はプライバシー情報の提供に乗り気ではなくても、チェックしてしまうだろう。個人情報を提供する積極的な意思を示しているのではなく、他のサービスにつられて、同意しているケースが多いのではないか。

学生の「ブラックリスト」が作られる恐れ

一方で、個人情報が本人の利益にならない形で利用されるケースも予想される。仮に本人が情報提供に同意していたとしても、それをもってその個人が不利益を被るような情報を作成することは問題ないのだろうか。

今回の場合、内定辞退率が高いと判定された個人について、会社が選考過程でそれを利用することはない、とされている。だが、あくまで、利用しないという合意だけで、本当にそうした利用をしなかったのか、疑問は残る。もし、リクナビで記録された学生の行動による判定で、内定が出されなかったとすれば、学生は提供した情報によって不利益を被ったことになる。こうした情報利用は無条件に許されるのだろうか。

実際、クレジットカードの利用代金支払いが遅れたり、支払いが滞ったりした場合、その利用者の信用情報にマイナス評価が付く仕組みがある。Eコマースの利用などでも、支払いが滞れば、問題がある顧客として評価される。いわゆるブラックリストである。一般的に個人情報をこうした顧客評価に使うことは許されてきた。

「だれが、なにを考えているか」も簡単に予測できる

利用するメールアドレスなどから個人情報を「名寄せ」することが簡単にできるようになり、個人の姿や行動をデータとして企業などが利用する頻度は増している。

どこで何を食べたか、どの交通機関を使ってどこからどこへ移動したか、誰と会ったか、何を買ったか。定期的な行動バターンが把握され、次の行動が予測される。便利な情報社会で生きていく対価として個人の行動が把握されることは致し方ない時代になったということだろうか。

だが、個人の嗜好や趣味のデータ把握がさらに進んでいけば、個人の思想信条なども容易にデータ化されることになるだろう。支持政党といった単純なものだけでなく、どういった情報に関心を持つかなども第三者に把握されることになる。すでに国政選挙などでは、こうした個人データをベースに得票を予測する動きも出ている、という。

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