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氷河期100万人支援に見る、政府の真の狙い

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政府は就職氷河期世代の就職支援を開始した。3年間かけて30万人の正社員化を目指しているが、そんなことは可能なのか。そして、「氷河期支援」の裏にある政府の本当の狙いとは――。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/AH86)

そもそも30万人正社員化は可能なのか

政府は30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代の就職支援に本格的に乗り出すことになった。具体的には非正規社員や長期無業者、ひきこもりを含む100万人規模の人たちを3年間かけて支援し、30万人の正社員化を目指すというものだ。

具体的な支援の対象は①正社員になりたいのに不本意ながら非正規雇用で働く人(約50万人、35~44歳)、②就職希望はあるが「希望する仕事がありそうにない」という理由で就職活動をしていない長期無業者、③ひきこもりなど、社会参加に向けた丁寧な支援を必要とする人――の3つだ。

だが、正直言ってそんなことが本当に可能なのかという疑問が沸いてくる。そうでなくても非正規社員は2148万人(総務省労働力調査2019年6月期)と雇用者総数の37.8%を占め、年々増え続けている。今回は就職氷河期世代に絞った対策だが、どんな特効薬があるというのか。

3年で数百億規模の支出が必要

政府の「就職氷河期世代支援プログラム」のメニューはじつに多彩だ。ハローワークに専門窓口を設置し、職業訓練や求人開拓のチームを設ける、正社員雇用に役立つための資格取得のプログラム、社会人インターンシップの実施と助成金による採用支援など、幅広いメニューを用意している。

報道によると支援の柱になるのは成功報酬型の民間委託だそうだ。民間の教育機関が非正規雇用者に専門知識などの訓練や職業実習を半年程度実施したら、経費の一部として国が最大20万円を支給する。さらに受講者が訓練を始めてから8カ月以内に正社員になり、半年間勤務していれば最大40万円を支給する。

また、短期資格取得コースも新設。厚生労働省が民間の業界団体に委託し、希望者に1カ月程度の集中訓練を実施する。たとえば建設業であれば小型クレーン車やフォークリフトの資格、運輸業であれば運行管理者や整備管理者などの資格を想定しているという。こうした支援に必要なお金は3年間で数百億円規模を想定している。その財源は働いている人や事業主が支払う雇用保険から支出することにしている。

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