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ないないづくしの地方企業、まずはアイデアひとつで活性化を

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 地域再生、地域活性化、まちおこし……。どんな言葉でも構いませんが、どのまちでも必ず機能する方法は、ただひとつしかありません。

 それぞれのまちでチャレンジする中小企業・小規模事業者・個人事業主・農家を増やすこと。もっとストレートにいうと、それらを「儲かる会社」にすることで、地元経済は潤い、雇用が生まれ、地域は持続的に活性化するのです。

 私は、静岡県富士市を拠点として、全国の中小企業支援に19年間携わってきました。元々は静岡銀行の行員で、40歳を目前に静岡市の起業家支援施設「SOHOしずおか」へ出向となりました。

 静岡銀行の子会社であるコンサルティング会社設立の青写真を作るなど、脂の乗っていた時期に言い渡された突然の出向でした。

 それ以来、地域企業の支援にやりがいと面白みを感じて邁進してきました。

 2008年に静岡銀行を辞め、市の委託を受けるために立ち上げた自分の会社で富士市産業支援センター、通称f-Biz(以下、エフビズ)の運営を行っています。

 年間に受ける経営相談は約4300件にのぼります。開設10周年を迎えた2018年には延べ3万件に達し、新商品・新サービス開発に関する案件の7割が売上アップに成功。新規創業は直近の6年で243組、525人の雇用を生んでいます。

 いま、地方の企業は「ないないづくし」に苦しんでいます。ヒトがいない、モノがない、ついでにカネもない、というわけです。

 大都市と比べて人材不足であることは否定しようもありません。人脈も、複層的になるどころか、通常の業務を回す労働力の確保にも汲々としているというのが実態です。

 モノがないというのは、分かりやすく言えば、最新設備を入れられず、効率が悪いものを使い回しているといった状況です。

 カネは財務状況です。長期にわたり業績不振に悩む企業も少なくありません。景気の大きな変化で一挙に業績が悪化してしまいます。

 それに加えて、IT化に乗り遅れたり、うまく活用できていない会社が目立ちます。真に必要な情報がタイムリーに入ってこないし、発信することもできていません。

 地方の企業はとくに、資金調達に課題を抱える企業が目立ちます。元銀行員の自分とすれば相手の状況はよく分かるので、できればお金をかけずにイノベーションを起こしたい、と考えます。

 ましてエフビズは公の産業支援機関ですから、相談に来た会社に大きなリスクを負わせるわけにはいきません。リスクを最低限に抑えるにはお金をかけないことです。

 お金をかけずに何かをしようとしたら、どうにかして知恵を出すしかありません。しかも苦境に喘ぐ経営者を前に、できるだけ短期間で、具体的な成果に結びつく方策を提示しなければなりません。

 ここ最近手がけた案件である、性的少数者、いわゆるLGBT向けの下着のビジネスを始めた「M&Yインタートレード」を例にしましょう。

 安藤嘉晃社長は元鈴与の商社マンで、タイの現地社員だった萌唯さんと出会い、結婚を機に、ふるさとである富士市に戻ってきました。萌唯さんは日本語がペラペラです。

 起業を考えているということで相談に来られたのですが、のんびり、ゆっくりやっていこうという姿勢でした。タイからはネコ関連グッズなどを、日本からはアニメ関連グッズをそれぞれマニア向けに輸出し、両国の懸け橋になろうと考えていました。

 私は2人の経歴を見て、もっとできることがあるはずだと可能性を感じていました。そこで思い当たったのは、タイはLGBT先進国だということです。少し前の話題でいえば、タレントのはるな愛さんが国際ニューハーフ美人コンテストで優勝したのもタイでした。

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